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第5部:よりフェティシュな装いへ
第12話:もう一度、締めてください ― 自分から“装いの支配”を願い出る夜 ―
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「今日は、どうする?」
そう訊かれたとき、
なおは少しだけ、顔を伏せた。
シャワーを浴びたあとの身体は、素肌。
何も纏っていないはずなのに、
心の奥がずっと何かを求めて疼いていた。
(このままじゃ落ち着かない……)
「……お願いがあって」
「うん?」
「……締めてほしいの、また。
……コルセットも……全部。
それと……」
ほんの一瞬、言葉が詰まったあと、
なおは自分から、その単語を出した。
「……鍵付きのやつも、つけてください」
河合は驚かない。
ただ、静かに目を細めてなおの言葉を受け取った。
「自分から言えるようになったんだね」
「うん……なんか……
“あれがないと、私の形にならない”気がして……」
「よし、じゃあこっちおいで。今日は“なおが望んだ形”にしてあげる」
ベッドの上。
薄手のブラウスを羽織ったまま、なおはうつ伏せになり、
腰に巻かれたボディスーツがふわりと持ち上げられる。
「コルセット、今日もきれいに決まるように、しっかり締めるよ」
シュルッと鳴る紐の音。
呼吸が浅くなっていく感覚に、なおは目を閉じて、
ほんの少し唇を噛んだ。
「次は……鍵、つけるね」
河合が言葉を添えるたび、
体温がじわりと内側にこもる。
下腹部に感じる、あの冷たくて固い感触。
鍵が回る音。
“自分の手では、もう開けられない”ことを確かめる瞬間。
その一瞬で、なおは“身体ごと”誰かのものになったような気がした。
「最後に、ガーターベルト。今日はチェーンタイプ?」
「……うん。少しだけ歩きにくいやつがいい……」
その願いも、河合は受け止めてくれる。
太ももを繋ぐレースと金属。
脚がほんの少ししか開かなくなる束縛感。
なおはその不自由を、
まるで“安心の証”のように受け入れていた。
すべてが着け終わったとき、
なおは深く息を吐いた。
「ありがとう……。これで、また私になれた気がする」
河合はそっとなおの髪を撫でた。
「“何も着けてない”より、
“ちゃんと預けられてる”方が安心する――
そう思えるようになったんだね」
鏡の前。
なおはゆっくりと立ち上がって、自分の姿を見つめた。
コルセットで引き締められたウエスト。
ふとももを繋ぐベルト。
そして、脱げない“鍵の奥”にある秘密。
「私は“仕上げられている”ことで、やっと“女の子になれる”」
「だから――これは、装いじゃなくて、私の“本当の形”」
そう訊かれたとき、
なおは少しだけ、顔を伏せた。
シャワーを浴びたあとの身体は、素肌。
何も纏っていないはずなのに、
心の奥がずっと何かを求めて疼いていた。
(このままじゃ落ち着かない……)
「……お願いがあって」
「うん?」
「……締めてほしいの、また。
……コルセットも……全部。
それと……」
ほんの一瞬、言葉が詰まったあと、
なおは自分から、その単語を出した。
「……鍵付きのやつも、つけてください」
河合は驚かない。
ただ、静かに目を細めてなおの言葉を受け取った。
「自分から言えるようになったんだね」
「うん……なんか……
“あれがないと、私の形にならない”気がして……」
「よし、じゃあこっちおいで。今日は“なおが望んだ形”にしてあげる」
ベッドの上。
薄手のブラウスを羽織ったまま、なおはうつ伏せになり、
腰に巻かれたボディスーツがふわりと持ち上げられる。
「コルセット、今日もきれいに決まるように、しっかり締めるよ」
シュルッと鳴る紐の音。
呼吸が浅くなっていく感覚に、なおは目を閉じて、
ほんの少し唇を噛んだ。
「次は……鍵、つけるね」
河合が言葉を添えるたび、
体温がじわりと内側にこもる。
下腹部に感じる、あの冷たくて固い感触。
鍵が回る音。
“自分の手では、もう開けられない”ことを確かめる瞬間。
その一瞬で、なおは“身体ごと”誰かのものになったような気がした。
「最後に、ガーターベルト。今日はチェーンタイプ?」
「……うん。少しだけ歩きにくいやつがいい……」
その願いも、河合は受け止めてくれる。
太ももを繋ぐレースと金属。
脚がほんの少ししか開かなくなる束縛感。
なおはその不自由を、
まるで“安心の証”のように受け入れていた。
すべてが着け終わったとき、
なおは深く息を吐いた。
「ありがとう……。これで、また私になれた気がする」
河合はそっとなおの髪を撫でた。
「“何も着けてない”より、
“ちゃんと預けられてる”方が安心する――
そう思えるようになったんだね」
鏡の前。
なおはゆっくりと立ち上がって、自分の姿を見つめた。
コルセットで引き締められたウエスト。
ふとももを繋ぐベルト。
そして、脱げない“鍵の奥”にある秘密。
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「だから――これは、装いじゃなくて、私の“本当の形”」
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