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第7部:新しい春に、もう一人の“僕”
第23話:真帆と美月:甘いご褒美の夜
「じゃ、うち来る?」
真帆と美月は駅の改札を出たあと、どちらからともなく、そういう流れになっていた。
イベントが終わっても、余韻はまだ体の奥に残っている。
ヒールでの長時間の立ち仕事と、肌を露出する衣装の恥ずかしさと、その中にひそやかに混じった興奮。
それを誰にも言えないまま、解散するなんて、二人とも――無理だった。
真帆の部屋のドアが閉まる音と同時に、ヒールを脱いだ美月は、そのまま真帆を壁に押しやった。
着替える間もなく、まだレオタードの跡がうっすら残る太腿。
網タイツの痕が消えない肌が、手のひらにやさしく沈む。
「……おつかれさま、真帆」
「うん……でも、美月のほうが、今日ずっと気を張ってたんじゃない?」
「それでも。真帆が一番綺麗だったから、他の子に目移りなんかしなかったよ」
甘く囁かれた言葉に、真帆の頬が少し赤くなる。
「なおちゃんと柊くんも、すごく仕上がってたね……。でも――」
真帆は、美月の腰に腕を回しながら、そっと耳元で囁いた。
「……わたし、美月にだけ見られてたら、それでいいって、思ったの」
その声に、美月の指先がわずかに震える。
「……そんなこと言われたら、我慢できなくなる」
そう言って、美月はそっとスカートの中からローターとレースのリングを取り出す。
黒くて、柔らかいシリコンの、真帆専用のもの。
「やっぱり……入れてたんだ、今日」
「気づいてた?」
「うん。締まりが違うんだもん、動きの」
「もう……こんなところでも、美月はプロすぎる」
冗談めかして笑う真帆。だけど、目元は甘く緩んでいる。
「……でもね、すごく安心するの。あれがあると。美月がそばにいるみたいで」
「真帆……」
目と目が合う。
そのまま美月は、ソファに真帆を押し倒しながら、鞄の奥からアイマスクとコードのようなものを取り出す。
「――今夜は、ちゃんと支配されて」
「うん……ちゃんと、支配されたい」
レースのアイマスクが、真帆の視界を閉ざす。
その瞬間から、ふたりの間にある主導権は、完全に美月のものになる。
静かな音楽が、部屋を包む。
甘く、そしてどこか淫靡な空気が、夜をゆっくりと深く染めていく。
真帆と美月は駅の改札を出たあと、どちらからともなく、そういう流れになっていた。
イベントが終わっても、余韻はまだ体の奥に残っている。
ヒールでの長時間の立ち仕事と、肌を露出する衣装の恥ずかしさと、その中にひそやかに混じった興奮。
それを誰にも言えないまま、解散するなんて、二人とも――無理だった。
真帆の部屋のドアが閉まる音と同時に、ヒールを脱いだ美月は、そのまま真帆を壁に押しやった。
着替える間もなく、まだレオタードの跡がうっすら残る太腿。
網タイツの痕が消えない肌が、手のひらにやさしく沈む。
「……おつかれさま、真帆」
「うん……でも、美月のほうが、今日ずっと気を張ってたんじゃない?」
「それでも。真帆が一番綺麗だったから、他の子に目移りなんかしなかったよ」
甘く囁かれた言葉に、真帆の頬が少し赤くなる。
「なおちゃんと柊くんも、すごく仕上がってたね……。でも――」
真帆は、美月の腰に腕を回しながら、そっと耳元で囁いた。
「……わたし、美月にだけ見られてたら、それでいいって、思ったの」
その声に、美月の指先がわずかに震える。
「……そんなこと言われたら、我慢できなくなる」
そう言って、美月はそっとスカートの中からローターとレースのリングを取り出す。
黒くて、柔らかいシリコンの、真帆専用のもの。
「やっぱり……入れてたんだ、今日」
「気づいてた?」
「うん。締まりが違うんだもん、動きの」
「もう……こんなところでも、美月はプロすぎる」
冗談めかして笑う真帆。だけど、目元は甘く緩んでいる。
「……でもね、すごく安心するの。あれがあると。美月がそばにいるみたいで」
「真帆……」
目と目が合う。
そのまま美月は、ソファに真帆を押し倒しながら、鞄の奥からアイマスクとコードのようなものを取り出す。
「――今夜は、ちゃんと支配されて」
「うん……ちゃんと、支配されたい」
レースのアイマスクが、真帆の視界を閉ざす。
その瞬間から、ふたりの間にある主導権は、完全に美月のものになる。
静かな音楽が、部屋を包む。
甘く、そしてどこか淫靡な空気が、夜をゆっくりと深く染めていく。
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