受付バイトは女装が必須?

なな

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第9部:可愛がられる私、装われる日々

第一章:胸のつくり方、心の動かし方

朝の光がカーテンの隙間から差し込む。
なおは大きく息を吸って、下着用のワゴンを開けた。

今日、河合とのデート。
そして、受付の面談もある──“なお”として、完璧な装いで一日を過ごす日。

「今日は……ちゃんと、私を作ろう」

まず手に取ったのは、ヌーブラのセット。
やわらかな肌色のジェルカップが、手のひらでぷにっと沈んだ。

「片方ずつ……貼る」

片胸にぴたりと吸いつく。
次いで、もう片方にも。
その上から、さらに二枚目をずらして重ねると、中心に自然な谷間が生まれた。

(揺れる……ちょっと動いただけで、わかる……)

「ここに、重ねて──ブラ」

選んだのは、薄いラベンダーのレースブラ。ランジェリーショップで美月と選んだ、“胸を締めるためのブラ”。

ヌーブラの丸みに沿って、ストラップを通す。カップにふくらみが自然に納まり、乳頭のラインが微かに浮き上がる。

「これで……落ち着く。形、崩れない……」

そして最後に、コルセット。

「ふっ……」

ギュ、ギュ……と、背中の紐を締めていく。

下腹を押さえ、肋骨の下を細く絞る。
鏡に映った自分のウエストが、なめらかなS字を描く。

「……完璧……」

肌の上にブラ、さらにその上から締めるコルセット。
胸は上へ、腰は内へ。
──それだけで、「女の子の身体」ができあがる。

「……私、作られてるんだ。自分で、自分を」

でもそれは、演技でも仮装でもない。
ヌーブラの重みも、締めつけの苦しさも、鏡に映る谷間も──ぜんぶ、心地いい。

(揺れるたびに、私は“私”になる)

(胸があるから、私はここにいる)

その日、なおはスカートを選んだ。
コルセットのラインに沿うミモレ丈のタイトスカート。揺れない代わりに、身体のラインを見せる服。

(これで……今日、河合さんに会いに行く)

それは恋人としてでもあるけれど、
それ以上に──“自分を見てもらう”ための、大切な一歩だった。
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