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第13部:溢れてしまいそうな私たち
第二章:憧れの後ろ姿、装われた私になりたくて
イベント終了後の夕方。
スタッフ控室のロッカー前で、なおはそっとスカートを整えていた。
「……うん、大丈夫かな……」
きれいにまとめた後ろ髪を下ろし、
ワークシャツを脱いで、透け感のあるシフォンブラウスに着替える。
インナーはラベンダー色のブラとヌーブラ、
ボトムはタイトなロングスカート──
ヒールは黒の5cmで、膝下のラインをきゅっと引き締めていた。
着替え終えたなおが、ロッカー室を出ていくその後ろ姿を──
柊は、静かに見つめていた。
(……きれい……)
揺れるスカート。
腰に沿ったライン。
ヒールの音が、コツコツと響いて消えていく。
(なんで……あんなに、自然に“女の子”なんだろう)
なおの仕草は、飾っているわけでも、媚びているわけでもない。
けれどそこには、“選ばれた女の子”としての完成された空気があった。
(わたしも……あんなふうに、なりたい)
プラグの存在が、意識の底でくすぐるように疼く。
コルセットに締められた腰の奥が、うっすら熱を帯びる。
──なりたい。
でも、まだ怖い。
でも、もし……。
「……柊ちゃん?」
「っ……!」
突然声をかけられて、柊はびくりと肩を揺らした。
振り返ると、そこにはなおが微笑んでいた。
「見てたでしょ?」
「……す、すみません……っ」
「ううん。嬉しかったよ。
私のこと、ちょっとでも“女の子だな”って思ってくれたなら」
「……すごく……思いました。
わたし、あんなふうに……歩きたい、って……」
なおは、優しく微笑んだ。
「じゃあ、次は──一緒に、歩こうか」
柊の心の中で芽生えた憧れは、
次第に、“誰かに見られたい”“選ばれたい”という欲望へと変わっていく。
それは、やがて自分自身を**“装う”ことへの覚悟**へとつながっていくのだった。
スタッフ控室のロッカー前で、なおはそっとスカートを整えていた。
「……うん、大丈夫かな……」
きれいにまとめた後ろ髪を下ろし、
ワークシャツを脱いで、透け感のあるシフォンブラウスに着替える。
インナーはラベンダー色のブラとヌーブラ、
ボトムはタイトなロングスカート──
ヒールは黒の5cmで、膝下のラインをきゅっと引き締めていた。
着替え終えたなおが、ロッカー室を出ていくその後ろ姿を──
柊は、静かに見つめていた。
(……きれい……)
揺れるスカート。
腰に沿ったライン。
ヒールの音が、コツコツと響いて消えていく。
(なんで……あんなに、自然に“女の子”なんだろう)
なおの仕草は、飾っているわけでも、媚びているわけでもない。
けれどそこには、“選ばれた女の子”としての完成された空気があった。
(わたしも……あんなふうに、なりたい)
プラグの存在が、意識の底でくすぐるように疼く。
コルセットに締められた腰の奥が、うっすら熱を帯びる。
──なりたい。
でも、まだ怖い。
でも、もし……。
「……柊ちゃん?」
「っ……!」
突然声をかけられて、柊はびくりと肩を揺らした。
振り返ると、そこにはなおが微笑んでいた。
「見てたでしょ?」
「……す、すみません……っ」
「ううん。嬉しかったよ。
私のこと、ちょっとでも“女の子だな”って思ってくれたなら」
「……すごく……思いました。
わたし、あんなふうに……歩きたい、って……」
なおは、優しく微笑んだ。
「じゃあ、次は──一緒に、歩こうか」
柊の心の中で芽生えた憧れは、
次第に、“誰かに見られたい”“選ばれたい”という欲望へと変わっていく。
それは、やがて自分自身を**“装う”ことへの覚悟**へとつながっていくのだった。
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