受付バイトは女装が必須?

なな

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第13部:溢れてしまいそうな私たち

第三章:気づかれないように感じてるのが好き

「これ、見える?」

真帆がスカートの裾をそっとめくると、
そこには、レースのストッキングと同化したような黒いローターの輪郭がうっすらと浮いていた。

「……すごい。ほんとに、全然わからない」

なおは感心したように目を細めた。
着替え終わった3人は、美月の部屋でお茶をしながら、
“密かに仕込んでいる今日の装備”を見せ合っていた。

「ね、なおちゃん。今日は?」

「わたしは、チョーカーと……プラグ。あと、ローターは静音タイプ。
コルセットは薄めのにして、長く座っても平気なやつ」

「完璧。フェティッシュと日常の共存、ってやつね」

美月が、チョコレートを一つ口に放り込んでから言った。

「なんかさ……“仕込んだまま過ごす”ってだけで、
どこかに“見られてしまうかもしれない”って感覚が残るじゃない?」

「うん。わたし、誰にも気づかれてないって思いながら、
実は“誰かにバレたい”って思ってること、ある」

真帆が、静かに笑った。

「そういう時って……ちょっと腰、動いちゃうよね」

「っ……う、うん……あるかも……っ」

なおが顔を赤らめながらも、否定しなかった。

3人の会話は、
“見られないまま、感じる快感”を、
“自分で仕掛けた背徳”として愛するものになっていた。

──その話を、部屋の前まで来ていた柊は、偶然聞いてしまった。

(……ローター……プラグ……チョーカー……)

(……そんなの、仕込んだまま……普通にお茶して……)

ごくり、と喉が鳴る。

(……なおさんも……一緒に……)

扉の向こうにいる3人の姿が頭に浮かぶ。
仕込まれた身体、でも笑ってる顔、日常に溶け込むフェティッシュ。

(……わたしも……あの中に入りたい……っ)

柊の下腹がきゅっと縮まった。
プラグの奥がひくつき、脚がわずかに内股になる。

(見られたい。……一緒に、見せたい。
誰にも気づかれずに、“共犯者”になりたい)

ドアノブに手をかけそうになり、すぐにやめた。

──でも、きっと、近いうちに。
この扉の向こうに、自分も並びたい。
そう、はっきりと思った。

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