受付バイトは女装が必須?

なな

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第13部:溢れてしまいそうな私たち

第五章:なおの仕込み、柊の覚悟

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「……なおさん、お願いがあるんです」

静かな更衣室の中で、
柊が少しうつむきながら言った。

「今日のバイト……装備、全部……“なおさんに仕込んでほしい”んです」

なおは、一瞬目を見開いてから、やさしく微笑んだ。

「柊ちゃん……いいの?」

「はい。……自分でつけるより、なおさんに仕込んでもらった方が、
 ちゃんと“女の子としての私”になれる気がして……」

「わかった。じゃあ、今日はわたしが責任もって……仕込むね」

白いブラウスのボタンを外しながら、柊の手がわずかに震える。
ヌーブラ、ランジェリーブラ、淡いピンクのショーツ。

「じゃあ、まずはこれ。今日のチョーカーは、ちょっとだけ硬めのやつ」

なおが取り出したのは、細身の合皮チョーカー。
見た目はリボン風だけど、ちゃんと鍵穴がついている。

「……これ、外じゃわからないけど、“つながってる”って感じがして……好きです」

「うん。そういうの、大事だよね」

次に、ローター入りのガーターショーツを穿かせる。
クロッチ部分にしっかりと収まるよう、なおが手を添えて調整する。

「じゃあ……入れるね、柊ちゃん。息、整えて」

「……っ、はい……」

小さなプラグが、なおの手によってゆっくりと柊の奥へ導かれる。
柔らかく、でも確かに──身体の中へ。

「んっ……は、ぁ……っ……」

「大丈夫。ちゃんと、入った。すごくきれいだよ」

最後に、ショーツのリングに鍵を差し込んで、
カチ、と音を立てて閉じる。

「……これで、もう自分では開けられないね」

「……うん。でも、それでいいです。
 開けられないのが、なんだか……落ち着くんです」

スカートを整え、ブラウスの裾を引き出す。
チョーカーが首元に馴染んで、“仕込まれた身体”が完成した。

「今日の柊ちゃん、ちゃんと“女の子になってる”。自信持って、受付に立とう?」

「……はい」

(わたし……ちゃんと仕込まれて、ちゃんと“見られていい身体”になってる)

誰かに装われること。
そのすべてを受け入れること。
それが、愛されることの一歩になると、
柊はこの日、はっきりと理解した。
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