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第15部:装いは役割、快感は心で
第四章:誰が仕込んでくれたのか、言えないけど──
イベント会場の受付カウンター。
チェックイン対応を終えた来場者の女性が、にこやかに尋ねた。
問われたのは、白のフレアスカートに透け感のあるブラウスを着た、なお。
「……え?」
ふと動きが止まる。
(服……だけ、の話じゃない……)
確かに衣装は指定だった。
けれど、その下には──
コルセット、ローター、鍵のついたショーツ、そしてチョーカー。
すべてが、自分では着けられなかったものばかり。
「それ……彼氏さんとかが、コーディネートしてるとか?」
女性は軽く笑いながら冗談めかして続ける。
なおは、言葉を探すふりをして、笑顔だけ返した。
「そうですね……“自分では決めきれなくて”」
(本当は──自分で“決められない格好”を、いつも着てる)
真帆もまた、別の客から似たような質問を受けていた。
「そのヒール、色すごくきれいですね。選んだの、ご自身で?」
真帆は微笑みながら答えた。
「……うーん、選ばされた、かも」
(リモコンは、美月が持ってるしね)
美月はカウンターの端で、何も言わずリモコンに軽く触れていた。
一瞬だけ、真帆の太ももがぴくりと震えたのは──
誰にも気づかれなかった。
柊も、内側で汗ばむ手のひらを握りしめながらパンフレットを配っていた。
今日の装備は、コルセット、プラグ、チョーカー、拘束型インナーベルト。
背中の締め付けは、なおが調整してくれたもの。
前は、佑真にショーツを鍵で閉じられたままだ。
(“誰が装ってくれたか”なんて、口に出せない。
でも──それが、誇らしい)
制服の裾からちらりと見えるレースの縁、
姿勢を整えたときにほんのわずか鳴るプラグの沈み──
それだけで、
自分が**“装われている女の子”**だと、思い知らされる。
休憩中、4人は無言のまま控室で顔を合わせる。
誰も、客に聞かれた“あの問い”には触れなかった。
「誰に仕込まれたのか?」──その答えは、語られることなく、
それぞれの目の奥で静かに揺れていた。
「なおちゃん、さっき……“決めきれなくて”って言ってたでしょ?」
真帆がふと、なおにだけ聞こえるようにささやく。
「“決めきれない”んじゃなくて、
“もう自分じゃ選べない身体になってる”って、思ったでしょ?」
なおは頷いた。
「うん。……でも、それが嬉しかった」
4人の装いは、バラバラ。
でも、“誰かに仕込まれた身体”という共通点だけが、
4人を強く、静かに繋いでいた。
チェックイン対応を終えた来場者の女性が、にこやかに尋ねた。
問われたのは、白のフレアスカートに透け感のあるブラウスを着た、なお。
「……え?」
ふと動きが止まる。
(服……だけ、の話じゃない……)
確かに衣装は指定だった。
けれど、その下には──
コルセット、ローター、鍵のついたショーツ、そしてチョーカー。
すべてが、自分では着けられなかったものばかり。
「それ……彼氏さんとかが、コーディネートしてるとか?」
女性は軽く笑いながら冗談めかして続ける。
なおは、言葉を探すふりをして、笑顔だけ返した。
「そうですね……“自分では決めきれなくて”」
(本当は──自分で“決められない格好”を、いつも着てる)
真帆もまた、別の客から似たような質問を受けていた。
「そのヒール、色すごくきれいですね。選んだの、ご自身で?」
真帆は微笑みながら答えた。
「……うーん、選ばされた、かも」
(リモコンは、美月が持ってるしね)
美月はカウンターの端で、何も言わずリモコンに軽く触れていた。
一瞬だけ、真帆の太ももがぴくりと震えたのは──
誰にも気づかれなかった。
柊も、内側で汗ばむ手のひらを握りしめながらパンフレットを配っていた。
今日の装備は、コルセット、プラグ、チョーカー、拘束型インナーベルト。
背中の締め付けは、なおが調整してくれたもの。
前は、佑真にショーツを鍵で閉じられたままだ。
(“誰が装ってくれたか”なんて、口に出せない。
でも──それが、誇らしい)
制服の裾からちらりと見えるレースの縁、
姿勢を整えたときにほんのわずか鳴るプラグの沈み──
それだけで、
自分が**“装われている女の子”**だと、思い知らされる。
休憩中、4人は無言のまま控室で顔を合わせる。
誰も、客に聞かれた“あの問い”には触れなかった。
「誰に仕込まれたのか?」──その答えは、語られることなく、
それぞれの目の奥で静かに揺れていた。
「なおちゃん、さっき……“決めきれなくて”って言ってたでしょ?」
真帆がふと、なおにだけ聞こえるようにささやく。
「“決めきれない”んじゃなくて、
“もう自分じゃ選べない身体になってる”って、思ったでしょ?」
なおは頷いた。
「うん。……でも、それが嬉しかった」
4人の装いは、バラバラ。
でも、“誰かに仕込まれた身体”という共通点だけが、
4人を強く、静かに繋いでいた。
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