受付バイトは女装が必須?

なな

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第16部:装われたまま、心を重ねて

第三章:なおと河合、ひとつの夜の距離

夜。
静かな部屋のなかで、
なおはベッドの端に座っていた。

肌にはまだ、昼間のコルセットの痕が残っている。
装備は──プラグも、ローターも、すべて外してある。

けれど、
身体の中には、
“何度も誰かに触れられた記憶”が確かに残っていた。

(わたし……こんな身体で、河合さんに……)

チョーカーの留め具に手をかけかけて、やめた。
“外してもいい”のに──外したくないと思った。

そんな自分が、少しだけ怖かった。

「……なお」

背後から、河合がそっと声をかける。

「今日は……もう、仕込まれてない?」

なおは、小さく頷いた。

「でも……記憶は、まだ残ってる。
ふたりに可愛がられて、身体が……そのままになってる気がして」

「……それでいい。
誰といたか、何をされたか──言わなくても、
なおが“今ここにいる”ってだけで、僕は充分だよ」

その言葉に、
なおの肩からふわっと力が抜けた。

(帰ってきてよかった……)

その夜、
河合はなおの身体に手を添えた。

貞操具は外さない。
前は、閉じたまま。

そのかわりに、
河合はなおの腰をゆっくりと押し上げ、
後ろから、身体をつなげてきた。

「……っ……河合さん……っ」

「なお。今日は、君の“中に残ってるもの”ごと、
ちゃんと抱きたい」

ゆっくりと、丁寧に。
まるで、“今のなお”をまるごと包み込むように──

貫かれた奥で、
なおは自分が“他人に開かれた身体”であることを、
それでも“この場所に戻ってきた”ことを、実感していた。

「……全部が河合さんのものじゃないかもしれないけど、
それでも、わたし……ちゃんと、愛してもらってるって、思えます」

「全部じゃなくていい。
でも、“その全部を預けてくれる”なおが、好きだよ」

唇が額に落ちたとき、
なおの目尻から、一粒の涙が静かにこぼれた。
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