受付バイトは女装が必須?

なな

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第18部:装われた日常、甘やかされる夜

第五章:それぞれの夜明け、それぞれの装い

朝。
窓から差し込む光が、
それぞれの部屋をゆっくりと照らしていく。


柊の朝

鏡の前に立つ柊は、
ナイトガウンの裾をそっとめくって、
自分の胸元を見つめていた。

ヌーブラとランジェリーブラで寄せてつくられた谷間。
その中心に、昨日まで締められていたサテンのリボンの痕が、
うっすらと、帯のように残っている。

(……これ、たぶん……今日一日、消えないかも……)

でも、消えてほしいと思わなかった。

(これが、わたしが“可愛くされた”証だから)

ブラをつけ直すと、
カップの中で、形がそのまま“再現”されるのがわかった。

佑真に見られた“この胸”は、
もう“ただの自分の身体”じゃない。

(触れられてなくても、リボンだけで気持ちよくなれたわたし──
それが、なんか誇らしいって思える)



美月の朝

まだ薄暗いリビングで、
四つん這いのままうずくまっていた美月は、
真帆の帰りを思い出しながら、首に手を当てた。

(首輪の、跡……)

Dカンの丸い痕が、喉の横に淡く残っていた。

その周囲の肌を指で撫でると、
身体の奥がふっと疼く。

「……見られたわけじゃないのに、
こんなに満たされてたんだ、わたし……」

真帆に抱きしめられて、
「いい子だったね」って褒められた言葉が、
まだ耳に残っている。

(あのひとことだけで、“イヌのわたし”が肯定されたんだ……)

跡が消えるのが惜しくて、
美月はあえて化粧水も、まだつけなかった。



なおの朝

ホテルのベッドの中、
なおはうつ伏せに寝たまま、背中に残る痕を指でなぞっていた。

チェーンが太ももに残した細いくぼみ。
コルセットの締め跡がまだ肋骨に沿って浮かんでいる。

貞操具は、まだ外されていない。
チョーカーもそのまま。

(昨日、後ろだけで……あんなに何度も……)

身体の奥にまだ、微かな熱と張りが残っている。
けれど不快じゃない。むしろ、名残惜しい。

(わたし、“触れられてない”部分があっても……
ちゃんと愛されてたんだって、実感がある)

(前に閉じられた身体でも、ちゃんと“女の子として満たされた”)

口元に、ふっと笑みが浮かんだ。

(それがわたしの“いまの装い”なんだと思う)



三人それぞれの朝。
どこにも声はない。言葉もない。

けれど、身体に残された装いの痕跡が、
自分が“誰かに装ってもらった”ことを、
そして、“誰かの子として可愛がられた”ことを、
何よりも静かに物語っていた。
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