夢が叶うまで

第1話 始まった高校生活

2018年4月7日、清々しい朝に行われる入学式である1人の男の子が新入生を代表し挨拶をした。
その男の子はとても背が低く、体が細い。
だが、誰にも負けないくらい声が大きく、誰よりも元気溢れる子だった。
その子は誰よりも輝いていた。
それが明確に分かったのが代表挨拶のスピーチである。
｢皆さん、こんにちわ。この度新入生を代表として挨拶させていただきます、小野和也です！私達新入生は、この埼玉県四葉高校に入学する際に、様々な目標を持って入学している人が多数いると思います。そこで皆さん、もちろん目標は人それぞれによって違うと思いますよね。ですが俺はある意味同じだと考えています。それは、目指すものは違くても、目指すために努力している事は同じだからです。目標を実現化させる為には努力が必要な事は皆さん分かっているはずです。今俺が言ったことをこの3年間で分かるようになってください。その頃には絶対に、目標を実現する一歩手前にまで成長しています。｣
私は聞いている時やっぱり意味はわからなかったが、この小野和也は普通の人とはかけ離れている実在の人物なんだと実感した。
入学式の次の日から、早速授業が始まった。
この学校は部活動が盛んだが、勉学も衰えていない。
そのため、クラスはA~Dと分けられていて、頭のいい人からランクに分けられている。私はあまり頭に自信はないが、Bクラスに入った。一方、誰よりも気になっていた小野くんはと言うとAクラスに入っていた。
そう、彼は頭がとてもいいのだ。Aクラスに入る人は9割の人が学業で入ってきた人ばかりで、部活の推薦で入った人はなかなかいない。しかし、廊下に貼られた自己紹介の紙には、野球部と書いてあった。うちの学校の野球部は全員推薦でしか入れないようになっている。私は小野くんがしてきた努力に尊敬しつつ、少し恐怖もあった。だが、こんな小野くんがどんなプレーをするのかとても気になった。私は中学で野球部のマネージャーをやっていたので、高校でも野球部のマネージャーに引き続き入部した。そしてその日の放課後、高校生活初めての部活動が開始された。