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声劇【最期の花火】
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〇⇒女性
●⇒男性
△⇒女性ナレーション
△︰付き合って2年、今日は2回目の近所の花火大会へ。
私は彼に褒められたくて精一杯自分を着飾った。
そのせいで少し遅れてしまった。
※祭りの音
〇「おまたせー!遅くなってごめんね」
●「大丈夫だよ!」
〇「どう?似合う?」
●「浴衣、凄い綺麗だよ」
〇「えへへ、嬉しいな」
●「さ、いこっか。」
〇「花火楽しみだね」
※花火の音
〇「うわぁーきれー、今年も一緒に来れて良かった」
●「そうだね、俺もこれて良かった。本当に綺麗だ…」
※花火の音
△︰ふと彼の顔を見ると、左目からうっすら泪が零れた。その意味が私にはわからなかった。
※砂利を歩く音
△︰花火大会が終わった帰り道、私は花火を見れた事の満足感と彼の右腕の温もりで先程の泪のことなんかすっかり忘れていた
〇「はぁー楽しかったー!花火も綺麗だったし、出店の焼きそばも林檎飴も美味しかったし!満足、満足!」
●「そうだね!本当に楽しかったよ。この時間が本当に幸せだって実感してる。」
〇「ねぇ、来年も、一緒に来れるかな」
●「…うん…」
〇「ん?…どうしたの?」
●「…ごめん、来年は一緒に来れない」
〇「え、ど、どういうことなの…」
●「俺は君に嘘をついてた。…ごめん」
〇「突然ごめんってなに!?わ、わかんないよ!」
●「付き合って2年だよね。…でも本当は4年前くらいから俺、病気を患ってたんだ」
〇「びょ、…病気?」
●「言いたくても言えなかった。本当に好きだったから。本当の事を打ち明けて、関係が壊れるのが怖くて…」
〇「そ、そんな…」
●「俺はたぶん来年まで生きていられない。本当にごめん」
〇「え…なに…なんで…だめ…理解が追いつかないよ…」
●「俺のワガママだったんだ。君の事を好きな余りに甘えてしまった。傷つけるとわかってたのに」
〇「ダ、ダメだよ…無理だよ…受け入れられないよ…」
●「来年はもっと、君の事を幸せにできる人と花火を見て欲しい。俺を忘れて欲しい。俺は俺のワガママで君を振り回してしまった」
△︰あまりのショックな言葉に頭が真っ白になる私。でも彼の目から零れる泪を見た途端、私の目からも大粒の泪が滝の様に溢れてきた
●「…本当にごめん」
〇「嫌だ、嫌だ、嫌だ、…無理だよ、そんなの」
●「最期までワガママでごめん、君の気持ち振り回してごめん、でも今日で最後にするから…」
〇「嫌だよ…私の気持ちが追いついてないよ…」
●「これ以上一緒にいるとお互いもっと傷つくからさ。今日でお別れにしよ」
〇「なんで、なんで、勝手に決めないでよ!病気の事なんて知らないよ!ずっと一緒にいるっていったじゃん!!話が違うじゃん!ねぇ!ねぇ!嫌だよ!」
●「本当にごめん。今日で本当にお別れだよ。最期に君と付き合えて、色んな思い出も作れて本当に良かった。。。ありがとう。ごめん。ごめん…」
〇「うわぁぁ、嫌だよぉ、無理だよお、なんで、なんで…」
●「俺は花火みたいに輝けたかな…どうかな。。でも少なくとも君と一緒にいた日々だけは花火みたいキラキラ輝いていた、綺麗な日々だったよ。ありがとう…」
〇「うわぁぁぁぁん」
△︰それから半年後、風の噂で彼が天国に行った事を知りました。不思議と泪は出ませんでした。
彼への気持ちが無くなったわけではないけれど、やっぱり許せない部分もあると思うし、それでも最期に私を選んで過ごしてくれた事が嬉しくもあって。
ただ、この先私は、だれかと花火を見ることは…ないかな。。
※花火の音
●⇒男性
△⇒女性ナレーション
△︰付き合って2年、今日は2回目の近所の花火大会へ。
私は彼に褒められたくて精一杯自分を着飾った。
そのせいで少し遅れてしまった。
※祭りの音
〇「おまたせー!遅くなってごめんね」
●「大丈夫だよ!」
〇「どう?似合う?」
●「浴衣、凄い綺麗だよ」
〇「えへへ、嬉しいな」
●「さ、いこっか。」
〇「花火楽しみだね」
※花火の音
〇「うわぁーきれー、今年も一緒に来れて良かった」
●「そうだね、俺もこれて良かった。本当に綺麗だ…」
※花火の音
△︰ふと彼の顔を見ると、左目からうっすら泪が零れた。その意味が私にはわからなかった。
※砂利を歩く音
△︰花火大会が終わった帰り道、私は花火を見れた事の満足感と彼の右腕の温もりで先程の泪のことなんかすっかり忘れていた
〇「はぁー楽しかったー!花火も綺麗だったし、出店の焼きそばも林檎飴も美味しかったし!満足、満足!」
●「そうだね!本当に楽しかったよ。この時間が本当に幸せだって実感してる。」
〇「ねぇ、来年も、一緒に来れるかな」
●「…うん…」
〇「ん?…どうしたの?」
●「…ごめん、来年は一緒に来れない」
〇「え、ど、どういうことなの…」
●「俺は君に嘘をついてた。…ごめん」
〇「突然ごめんってなに!?わ、わかんないよ!」
●「付き合って2年だよね。…でも本当は4年前くらいから俺、病気を患ってたんだ」
〇「びょ、…病気?」
●「言いたくても言えなかった。本当に好きだったから。本当の事を打ち明けて、関係が壊れるのが怖くて…」
〇「そ、そんな…」
●「俺はたぶん来年まで生きていられない。本当にごめん」
〇「え…なに…なんで…だめ…理解が追いつかないよ…」
●「俺のワガママだったんだ。君の事を好きな余りに甘えてしまった。傷つけるとわかってたのに」
〇「ダ、ダメだよ…無理だよ…受け入れられないよ…」
●「来年はもっと、君の事を幸せにできる人と花火を見て欲しい。俺を忘れて欲しい。俺は俺のワガママで君を振り回してしまった」
△︰あまりのショックな言葉に頭が真っ白になる私。でも彼の目から零れる泪を見た途端、私の目からも大粒の泪が滝の様に溢れてきた
●「…本当にごめん」
〇「嫌だ、嫌だ、嫌だ、…無理だよ、そんなの」
●「最期までワガママでごめん、君の気持ち振り回してごめん、でも今日で最後にするから…」
〇「嫌だよ…私の気持ちが追いついてないよ…」
●「これ以上一緒にいるとお互いもっと傷つくからさ。今日でお別れにしよ」
〇「なんで、なんで、勝手に決めないでよ!病気の事なんて知らないよ!ずっと一緒にいるっていったじゃん!!話が違うじゃん!ねぇ!ねぇ!嫌だよ!」
●「本当にごめん。今日で本当にお別れだよ。最期に君と付き合えて、色んな思い出も作れて本当に良かった。。。ありがとう。ごめん。ごめん…」
〇「うわぁぁ、嫌だよぉ、無理だよお、なんで、なんで…」
●「俺は花火みたいに輝けたかな…どうかな。。でも少なくとも君と一緒にいた日々だけは花火みたいキラキラ輝いていた、綺麗な日々だったよ。ありがとう…」
〇「うわぁぁぁぁん」
△︰それから半年後、風の噂で彼が天国に行った事を知りました。不思議と泪は出ませんでした。
彼への気持ちが無くなったわけではないけれど、やっぱり許せない部分もあると思うし、それでも最期に私を選んで過ごしてくれた事が嬉しくもあって。
ただ、この先私は、だれかと花火を見ることは…ないかな。。
※花火の音
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