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6ー②
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お昼休み。奈央は図書室へ借りていた本を返却しに教室を出ようとした。
「あっ、倉沢さん!」
「 ? 」
教室を出ようとしたら突然呼ばれた。呼ばれてその場で止まり、後ろを見た。後ろを見るとそこには、今日転校してきた麻生君がいた。
「倉沢さん。今から休み時間が終わるまで校内案内してくれませんか?」
「えっ……。わ、私……ですか?」
「うん」
「校内案内でしたら私がしますわ、怜二君」
「そうそう。私達と鈴花さんがします。何も本屋ちゃんじゃあなくっても」
(やっぱり来ました、桜木さんグループ……)
私と怜二君が話しているところに桜木さんを中心にしたクラスメイト、女子4人が話しに割り込んできた。桜木さんはクラスでも自分が目立たないと気が済まないお嬢様体質。
今日転校してきた麻生君はウェーブがかかっている癖のない髪で背の高さはわりと普通の高1と変わらない。顔たちがかっこよく美形で、女子の中で早く仲良くなりたいと自分をアピールするのに校内案内というポジションを狙っている。
分かりやすいと私は桜木さん達の行動でそこまでアピールしたいのかなと思った。
「大丈夫、倉沢さんに頼んだから。また、今度お願いするよ。行こう、倉沢さん」
「あっ……」
麻生君は私が持っていた本を取って教室を出ていったの。急いで麻生君の後を私が追いかける。
そんな光景を見た桜木さんを中心にしたグループが
「何、あれ」
「私が案内して差し上げようと思いましたのに」
「そうですよ。鈴花さんの方がいいのに。本屋ちゃんなんてあまり喋らないのに」
とまだ廊下に居る私さえ聞こえる声で愚痴をこぼしていた。
先に行ってしまった麻生君をようやく追いついた私は麻生君に声をかける前に麻生君が私に気がついた。
「あ、あの……麻生君」
「はい、本。無理矢理取っちゃってごめんね」
「大丈夫です。ど……どうして私なの? 他の人……と一緒の方が……いいのに」
「あぁ、それ……」
麻生君は少し恥ずかしそうに頬を赤く染めて私を見たの。
「僕は女子にきゃあきゃあと騒がれるのが苦手でどっちかというと倉沢さんみたいな、物静かの方がいいんだ」
「そ、そうなんだ」
(私……物静かっていうより暗い方だと自分では思っているけど、麻生君は今日、転校してきたばかりだからまだ、私のことは分からないんだよね……)
「変わっているかな?」
「そんな事はないと思う」
自然とストレートに話をした。いつも学校では、オドオドと自信なさげに話す私が麻生君に対して自然と自分が思ったことを話したことに驚いた。
「あっ……ご、ごめんなさい」
「ううん。ありがとう、倉沢さん」
その後は図書室へ借りていた本を返却してから休み時間が終わる前まで麻生君に校内を案内してあげた。
放課後。突然、声を掛けられた。
「本屋ちゃん、今、時間いいかしら?」
「あっ……はい……」
放課後、私は先生に頼まれて先生の手伝いをしていた。手伝いが終わって教室に向かった時にはもう、誰も教室には居ないだろうと思っていた。時間的には部活生しか残っていないと思ったから。
教室に着いて自分の鞄を持って帰ろうとしたらどこに居たのか分からなかったけど、突然桜木さん達に声を掛けられた。
拒否したくってもそれができない私は、私に近づいてきた桜木さんが怖く感じて、しまいに私の手首を掴んだ。
「あっ、倉沢さん!」
「 ? 」
教室を出ようとしたら突然呼ばれた。呼ばれてその場で止まり、後ろを見た。後ろを見るとそこには、今日転校してきた麻生君がいた。
「倉沢さん。今から休み時間が終わるまで校内案内してくれませんか?」
「えっ……。わ、私……ですか?」
「うん」
「校内案内でしたら私がしますわ、怜二君」
「そうそう。私達と鈴花さんがします。何も本屋ちゃんじゃあなくっても」
(やっぱり来ました、桜木さんグループ……)
私と怜二君が話しているところに桜木さんを中心にしたクラスメイト、女子4人が話しに割り込んできた。桜木さんはクラスでも自分が目立たないと気が済まないお嬢様体質。
今日転校してきた麻生君はウェーブがかかっている癖のない髪で背の高さはわりと普通の高1と変わらない。顔たちがかっこよく美形で、女子の中で早く仲良くなりたいと自分をアピールするのに校内案内というポジションを狙っている。
分かりやすいと私は桜木さん達の行動でそこまでアピールしたいのかなと思った。
「大丈夫、倉沢さんに頼んだから。また、今度お願いするよ。行こう、倉沢さん」
「あっ……」
麻生君は私が持っていた本を取って教室を出ていったの。急いで麻生君の後を私が追いかける。
そんな光景を見た桜木さんを中心にしたグループが
「何、あれ」
「私が案内して差し上げようと思いましたのに」
「そうですよ。鈴花さんの方がいいのに。本屋ちゃんなんてあまり喋らないのに」
とまだ廊下に居る私さえ聞こえる声で愚痴をこぼしていた。
先に行ってしまった麻生君をようやく追いついた私は麻生君に声をかける前に麻生君が私に気がついた。
「あ、あの……麻生君」
「はい、本。無理矢理取っちゃってごめんね」
「大丈夫です。ど……どうして私なの? 他の人……と一緒の方が……いいのに」
「あぁ、それ……」
麻生君は少し恥ずかしそうに頬を赤く染めて私を見たの。
「僕は女子にきゃあきゃあと騒がれるのが苦手でどっちかというと倉沢さんみたいな、物静かの方がいいんだ」
「そ、そうなんだ」
(私……物静かっていうより暗い方だと自分では思っているけど、麻生君は今日、転校してきたばかりだからまだ、私のことは分からないんだよね……)
「変わっているかな?」
「そんな事はないと思う」
自然とストレートに話をした。いつも学校では、オドオドと自信なさげに話す私が麻生君に対して自然と自分が思ったことを話したことに驚いた。
「あっ……ご、ごめんなさい」
「ううん。ありがとう、倉沢さん」
その後は図書室へ借りていた本を返却してから休み時間が終わる前まで麻生君に校内を案内してあげた。
放課後。突然、声を掛けられた。
「本屋ちゃん、今、時間いいかしら?」
「あっ……はい……」
放課後、私は先生に頼まれて先生の手伝いをしていた。手伝いが終わって教室に向かった時にはもう、誰も教室には居ないだろうと思っていた。時間的には部活生しか残っていないと思ったから。
教室に着いて自分の鞄を持って帰ろうとしたらどこに居たのか分からなかったけど、突然桜木さん達に声を掛けられた。
拒否したくってもそれができない私は、私に近づいてきた桜木さんが怖く感じて、しまいに私の手首を掴んだ。
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