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「ではコトハさんを貰っていきますね」
「待て、コトハを返さんか!」
茂生さんの声が家の中で響く。外へ様子を見に行っていた男、サティーノと呼ばれていた男が家の中に戻ってきた。
「誰もいません!」
「分かった。ダイルはもう少しここに残れ。こいつらが俺達を追ってきたら面倒だ」
「はい」
「サティーノは先に外に出て移動の準備をしておけ」
「分かりました」
「ではさようなら、お二人さん」
「コトハーーー!」
「コトハさん!」
「茂生さん、京香さん!」
二人のところに行こうとして最後の抵抗をしてみたけど、子供である私には無理だった。大人で男の人の方が力がある。
私が必死に抵抗しても痛くも痒くもない。無力な自分に涙が出そうだった。
「ここは狭いので外に移動します」
「……」
リーダーらしき男は、私を捕まえたまま部下である男二人に指示をして外に行こうと玄関に向かう。
(何とかして逃げないと。知らない所へ連れて行かれる……。けど……私が逃げたら茂生さんと京香さんが酷い目に合う……どうしてらいいの。お願い、誰か助けて!)
心の中で強く祈る事しかできなかった。
玄関が見えて更にお願いと願っていたら『うわぁぁぁぁ』と外から悲鳴が聞こえてきた。
「!」
「なっ、何だ?」
悲鳴が聞こえて状況が分からないから私を捕まえている男が少し強い力で私を押しながら、そのまま外に出た。
外に出てみると男の中間、先に外に行っていた男、確かさティーノと呼ばれていた人が倒れていたの。
「サティーノ!」
私を捕まえている男が呼び掛けても起き上がる様子もなかったの。少し近くに移動して呼び掛けていても起き上がる様子はないみたい。
何があったの?
「おい、サティーノ。サティーノどうした、返事しろ! サティーノ!」
「無駄です。こちらの方は気絶しているので、何度呼びかけても起きませんよ」
「誰だ!」
突然、声が聞こえたの。声からして男の人だと分かったけど、今の状況からして私にはどこに声の主がいるのか周りを見渡すことが出来ない。誰なんだろうか。
『こちらです』と声が聞こえた瞬間、強い風が吹いて思わず目を閉じたけど、風がやんだ時に目を開けたらどこから現れたのか分からないけど、フードを被った人が一人いた。
フードを被っているから顔が見えない。
「その方を放して下さい」
「それは無理だ」
「……放した方が良いと思いますが」
「何を……」
「放さないとあなたが大変な目になりますよ。言っておきます。これは脅しではありません、これは警告です」
「ふん。そんなのどっちだっていい。どうせ、子供だましな事を言って何も起きないのだろう。バカにするな、その手には乗らないさ」
「それは、どうだろう」
「「!」」
突然後ろから声が聞こえたの。後ろを振り向く事ができない私には、前を見ているしかないの。一体、何が起きようとしているの?
「だからゆったはずです」
「そうだよ。人の忠告は素直に聞くものだよ」
「……分かった。この方を放す」
私は解放された。解放された私はどうしたらいいのか、分からないでいるとフードを被っている目の前の人に腕を掴まれ、引き寄せられた。
近くで見ると私と対して変わらないと思った。
フードを被った人は、私しか聞こえない小声で話しかけてきたの。
「大丈夫ですか、コトハさん」
「!」
声を聞いた瞬間、フードをかぶって私に話しかけて来た人物が誰なのか分かった。
私は驚いて、思わず名前を呼びそうになったけど、フードを被っている人物からシーと名前を呼ばないようにとジェスチャーをされたので呼ばなかった。私が知っている人物が助けてくれた。
不思議そうにしていると少し、顔を見せて『すぐに終わりますから安心して下さい』と小声で伝えてきた。
そう、私を助けてくれた人物は今朝知り合ったばかりの早摩ミサキと敵を抑え込んでいる人物は、早摩リョウの兄弟だということが分かった。
私はその場で黙ってことが終わるまで待っていた。本当は早摩兄弟に聞きたい事が沢山あったが今は、家の中に居る茂生さんと京香さんの事が気になっているの。
「待て、コトハを返さんか!」
茂生さんの声が家の中で響く。外へ様子を見に行っていた男、サティーノと呼ばれていた男が家の中に戻ってきた。
「誰もいません!」
「分かった。ダイルはもう少しここに残れ。こいつらが俺達を追ってきたら面倒だ」
「はい」
「サティーノは先に外に出て移動の準備をしておけ」
「分かりました」
「ではさようなら、お二人さん」
「コトハーーー!」
「コトハさん!」
「茂生さん、京香さん!」
二人のところに行こうとして最後の抵抗をしてみたけど、子供である私には無理だった。大人で男の人の方が力がある。
私が必死に抵抗しても痛くも痒くもない。無力な自分に涙が出そうだった。
「ここは狭いので外に移動します」
「……」
リーダーらしき男は、私を捕まえたまま部下である男二人に指示をして外に行こうと玄関に向かう。
(何とかして逃げないと。知らない所へ連れて行かれる……。けど……私が逃げたら茂生さんと京香さんが酷い目に合う……どうしてらいいの。お願い、誰か助けて!)
心の中で強く祈る事しかできなかった。
玄関が見えて更にお願いと願っていたら『うわぁぁぁぁ』と外から悲鳴が聞こえてきた。
「!」
「なっ、何だ?」
悲鳴が聞こえて状況が分からないから私を捕まえている男が少し強い力で私を押しながら、そのまま外に出た。
外に出てみると男の中間、先に外に行っていた男、確かさティーノと呼ばれていた人が倒れていたの。
「サティーノ!」
私を捕まえている男が呼び掛けても起き上がる様子もなかったの。少し近くに移動して呼び掛けていても起き上がる様子はないみたい。
何があったの?
「おい、サティーノ。サティーノどうした、返事しろ! サティーノ!」
「無駄です。こちらの方は気絶しているので、何度呼びかけても起きませんよ」
「誰だ!」
突然、声が聞こえたの。声からして男の人だと分かったけど、今の状況からして私にはどこに声の主がいるのか周りを見渡すことが出来ない。誰なんだろうか。
『こちらです』と声が聞こえた瞬間、強い風が吹いて思わず目を閉じたけど、風がやんだ時に目を開けたらどこから現れたのか分からないけど、フードを被った人が一人いた。
フードを被っているから顔が見えない。
「その方を放して下さい」
「それは無理だ」
「……放した方が良いと思いますが」
「何を……」
「放さないとあなたが大変な目になりますよ。言っておきます。これは脅しではありません、これは警告です」
「ふん。そんなのどっちだっていい。どうせ、子供だましな事を言って何も起きないのだろう。バカにするな、その手には乗らないさ」
「それは、どうだろう」
「「!」」
突然後ろから声が聞こえたの。後ろを振り向く事ができない私には、前を見ているしかないの。一体、何が起きようとしているの?
「だからゆったはずです」
「そうだよ。人の忠告は素直に聞くものだよ」
「……分かった。この方を放す」
私は解放された。解放された私はどうしたらいいのか、分からないでいるとフードを被っている目の前の人に腕を掴まれ、引き寄せられた。
近くで見ると私と対して変わらないと思った。
フードを被った人は、私しか聞こえない小声で話しかけてきたの。
「大丈夫ですか、コトハさん」
「!」
声を聞いた瞬間、フードをかぶって私に話しかけて来た人物が誰なのか分かった。
私は驚いて、思わず名前を呼びそうになったけど、フードを被っている人物からシーと名前を呼ばないようにとジェスチャーをされたので呼ばなかった。私が知っている人物が助けてくれた。
不思議そうにしていると少し、顔を見せて『すぐに終わりますから安心して下さい』と小声で伝えてきた。
そう、私を助けてくれた人物は今朝知り合ったばかりの早摩ミサキと敵を抑え込んでいる人物は、早摩リョウの兄弟だということが分かった。
私はその場で黙ってことが終わるまで待っていた。本当は早摩兄弟に聞きたい事が沢山あったが今は、家の中に居る茂生さんと京香さんの事が気になっているの。
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