上 下
8 / 34

「夜のバカ声」

しおりを挟む
「夜のバカ声」

外で声がする。一眠りしてやろうとベッドへ入った夜八時過ぎだ。隣の事務所で何か作業をしているのだろうか。数分で終わるかと思ったが終わらない。それどころか声はさらに大きくなる瞬間があり、時折いかにも頭の悪そうな大笑いが加わる。ここは住宅街だ。高齢の人たちも昔から多く住む、閑静なと言っていい地域だ。しかも夜。他にどこからも大きな音など聞こえてこない。
 若い男が三人。
 別に悪人ではないのだろう。
 しかし行っていることは結果的に害悪となっている。
 俺はこのテの「無自覚な害悪」からさえ愛しいCを守るのだ。
しおりを挟む

処理中です...