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3.三鶴FCの火薬庫
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三鶴FCは翔を満足させるものには
ならなかった。
エスパーズで11番を付けていたという
翔の実力は、三鶴FCでは圧倒的だった。
そして実力で圧倒していた分、
浮いた存在になっていた。
翔は自分の力を自慢したり、
自分より劣る他の選手を馬鹿にしたりする事は
一切なかった。
ほとんど周囲と口をきかなかったのだ。
5年生が何かアドバイスを求めて話しかけても
「コーチに聞いて」と取り合わなかったそうだ。
黙々と練習して、淡々とプレイするだけだ。
翔が無口な性格なのではなく、
僕らのサッカーが“あきれてものも言えない”
レベルなのだろうと僕は思っていた。
試合では、監督は僕と翔を併用した。
僕がスタメンで出て、後半途中で翔と代わる
パターンだ。
ただ、エスパーズと三鶴FCでは
レベルが違う。
前線の翔までボールが回らず、
翔が孤立する場面が目立った。
むしろ僕の方が結果を出している状況になる。
周囲も僕が出た方がやりやすいという
雰囲気にもなった。
翔はそんなチームの空気を感じたのか、
ますます無口になる。
僕と選手交代する時に、「頑張れ」と
声をかけても、聞き取れないような小さな声で
「はい」と答えるだけだ。
やがて、翔は少しずつ練習をサボるように
なっていった。
そして練習をサボった分、
翔の出場時間は削られた。
翔がさらに不満を募らせていたのは、
誰の目にも明らかだった。
翔はいつ爆発するか分からない火薬庫のような
存在になっていたのだ。
やがて、その導火線に火がつく事になる。
夏休みに入って最初の試合だった。
いつものように試合後半で僕は翔との交替を
告げられ、いつものように「頑張れ」と
声をかけた時だ。
藤宮「人に頑張れっていう前に、
自分がもう少し頑張ったら
どうなんですか」
僕の耳元でささやくように言った。
翔の導火線に火がついた瞬間だった。
ならなかった。
エスパーズで11番を付けていたという
翔の実力は、三鶴FCでは圧倒的だった。
そして実力で圧倒していた分、
浮いた存在になっていた。
翔は自分の力を自慢したり、
自分より劣る他の選手を馬鹿にしたりする事は
一切なかった。
ほとんど周囲と口をきかなかったのだ。
5年生が何かアドバイスを求めて話しかけても
「コーチに聞いて」と取り合わなかったそうだ。
黙々と練習して、淡々とプレイするだけだ。
翔が無口な性格なのではなく、
僕らのサッカーが“あきれてものも言えない”
レベルなのだろうと僕は思っていた。
試合では、監督は僕と翔を併用した。
僕がスタメンで出て、後半途中で翔と代わる
パターンだ。
ただ、エスパーズと三鶴FCでは
レベルが違う。
前線の翔までボールが回らず、
翔が孤立する場面が目立った。
むしろ僕の方が結果を出している状況になる。
周囲も僕が出た方がやりやすいという
雰囲気にもなった。
翔はそんなチームの空気を感じたのか、
ますます無口になる。
僕と選手交代する時に、「頑張れ」と
声をかけても、聞き取れないような小さな声で
「はい」と答えるだけだ。
やがて、翔は少しずつ練習をサボるように
なっていった。
そして練習をサボった分、
翔の出場時間は削られた。
翔がさらに不満を募らせていたのは、
誰の目にも明らかだった。
翔はいつ爆発するか分からない火薬庫のような
存在になっていたのだ。
やがて、その導火線に火がつく事になる。
夏休みに入って最初の試合だった。
いつものように試合後半で僕は翔との交替を
告げられ、いつものように「頑張れ」と
声をかけた時だ。
藤宮「人に頑張れっていう前に、
自分がもう少し頑張ったら
どうなんですか」
僕の耳元でささやくように言った。
翔の導火線に火がついた瞬間だった。
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