【隠しダンジョンで楽々レベルアップ!】ログアウト不能と化したこの世界で、クランマスターに《鉄屑》を全財産で買い取らされた商人

カミトイチ

文字の大きさ
16 / 36

15.保存

しおりを挟む




それからまた二ヶ月が経過し、ここでの暮らしに私達二人は完全に順応していた。ダンジョン奥に足を運びあらたな食材を見つけそれを採取、更には珍しそうな鉱石も見つけることに成功し、地上での楽しみがどんどん増えていくこの生活が楽しくすらなりつつあった。



(うふふっ、どれだけ高値がつくかなぁ♪)



にやにやしている私をミオちゃんが心配そうに見ている。



「何かあたったかしら...」



食あたりの心配されてる。



「あたってないよ?」



「それならいいんだけど。それじゃあなぜ一人ご機嫌になっているの?」

「いやあ、だーってさ。ここでしか採れない貴重なアイテムって絶対高値で売れるじゃん?それがすーっごい楽しみでさあ!えへへっ」



地上ではかなり珍しい植物の葉である《火腫葉》や岩石地帯にあった岩から採取できた《爆粉塵》...他にもまだまだあるけど、このダンジョンはホントに宝の山だよ!



「なるほどね。確かに...このダンジョン自体入れるプレイヤーは限られているから」

「うんうん」

「でも、大丈夫なの?」

「え、何が?」

「鉱物の類は大丈夫だろうけど、食べ物は腐っちゃわない?」



食べ物には鮮度が設定されていて時間が立つごとにその数値が減っていく。調理スキル等でその値を伸ばしたり、別の料理として作り直せば保たすことが出来る。

まあ、要するにリアルを元にして「食べ物」をゲーム内に忠実に再現しているのだ。



でも、私はそれを無視する事ができる!



「ふっふっふ。それが腐らないのですよ」

「?」

「私のアイテムボックス」



ボンッ、と出てきた四角い箱。



「このアイテムボックス内では時の流れが止まっているのです」

「!」

「聡明なミオちゃんならばもうお気づきでしょう。そう、時が止まっているということは食材が腐食する事もない...つまり、アイテムボックスに入れておけば半永久的に鮮度の高い食材がご提供できてしまうってことさぁ!!」



どやあ!!



「そうなんだ...凄いわね。というかそのアイテムボックスだけでもかなり稼げそうね」

「うん!これまでにいっぱい稼いだよ!!」



アイス販売とか氷売りとか!!夏場の猛暑日は、水をキンキンに冷やして売り歩くだけでもバチクソ儲かったぜ!!

まあこの世界でも水道はあるんだけどあんま冷たくないんよね。冷蔵庫もないし。冷蔵庫代わりになる物はあるけど、それを手に入れようとすればお金がすっごいかかる...不便だよねえ。アイテムボックスを手に入れる前は私も頭を悩ませていたもんですよ。



ちなみにいうと私が売っていた冷水は、クランの黒魔法使いのお友達に氷魔法を使って冷やしてもらいました。二人で大儲けしましたのは良い思い出。

懐かしいな...クランを抜けて旅に出たあの子、元気かな。



「ふふ」



にこにこと笑うミオちゃん。そういや、彼女と会うまでずっと一人だったな。クランにいたほとんどの仲間達は、ミノルについていけなくて居なくなっちゃったし。



多分、ミオちゃんも...霊体になる前にお友達とか仲間がいたんだよね。



その人達と会いたいって思わないのかな。



「アカリ?」

「ん?」

「どうしたの、ぼーっとして」

「ごめん、ちょっと考え事。あはは」

「...大丈夫よ。もう少し頑張ったらダンジョンから出られるわ」

「...!」



ミオちゃんは優しいなあ。









しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...