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魚釣り
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「と、言うわけでお昼のご飯は釣った魚を塩焼きにします」
「いえ~い」
夜見山キャンプ場からすぐ近くの渓流にやって来た三人、今日のお昼ご飯をゲットすべく、えいえいおーと拳を掲げ気合を入れる。
夏の日差しが川面に反射して輝いて万華鏡のように綺麗だ。近辺に繁茂する木々の間を小鳥が鳴きながら通っていく、まさに夏休みを体現した様な風景だ。
「ねえ優心ちゃん、この辺では何が釣れるの?」
「う~ん……基本的にはイワナとかヤマメとかだけど、最近は外来種の茶マスが多いかな~」
「外来種か~それって美味しいの?」
星河的には外来種と言えばブラックバスのイメージがあるせいか、外来種=まずいという印象があった。
「燻製にグリルにフライにオーブン焼き、と大体ニジマスと同じ調理法はいけるわね」
「へ~ちゃんと食べられるんだ」
「けっこう美味しいわよ」
そう言うと優心はテキパキと釣り竿を準備する。釣具店で借りてきた釣り竿は新品の様にピカピカで優心が持つととってもカッコよく見えた。
釣り具の扱いも手慣れたものだった。やっぱり優心は何をやっても上手だ。
「凄い……優心ちゃん釣り名人みたい」
「えっへん! ここいらで主釣りの優心と言えばあたしのことよ」
「変な怪魚を釣り上げないでくれよ!」
「だいじょ~ぶ! 大抵の魚は塩を振って炭火で焼けば食べられるわ」
「いくら優心ちゃんだからって……そんな怪魚を釣ったりしないよね?」
活美が微妙に引きつった笑顔でそう言った。星河は優心だからわからないぞと暗に表情で示した。
「馬鹿な事言ってないで、釣りを始めるわよ」
「え~っと、餌はどうするんだ?」
「ここら辺の渓流釣りなら、餌とルアーどっちでもいけるわね」
そう言って釣り具箱の中からカラフルなルアーやタッパーに入った餌を取り出す。
「活美は大人しくルアーで遊んでいなさい、虫っぽい動きをして魚を惑わすのよ」
「わぁぁ……出来るかな?」
竿を受け取った活美はたどたどしい手つきでルアーを水面に放るのだが、すぐ手前に落ちてしまう、何度か繰り返して諦めたのか、そのまま釣りを始めてしまった。
「まあ……活美は後で見てあげるとして」
キッと優心は星河をにらむ。
「星河はあたし達のお昼ご飯をしっかり確保してもらうわよ」
「任せろ、大物を釣り上げてやる」
「その意気や良し! 星河は餌で釣りをしてもらうわ、このブドウ虫でね」
優心がタッパーを開けると、中には良く太った芋虫が湿った木くずの中で蠢いていた。
「うわっ! ちょっと気持ち悪いな」
「餌は見た目だけじゃなく匂いでも魚を惹きつけるから効果抜群よ。あたしとどっちが大物を釣るか勝負よ」
その後ブドウ虫を針につけるやり方を教わり、釣りを開始した。
「う~ん…………ヒットしないな」
少しずつポイントを変えたりしながら、魚を狙うも当たりは来ない。優心の方を見るとそちらも当たりが来ていない様だが、悠然と構えていた。
「虫の様に……虫の様に」
活美は優心に教わった様にルアーを動かしながら当たりを狙う、最初の時よりはだいぶ動きも良くなっていた。
「あっ! 来た!」
活美の竿がしなる、最初、川底の石にかかったかとも思ったが、引きに動きがある。
「活美ナイス! オーケー針もしっかりかかってる。巻いて巻いて」
活美が一生懸命にリールを回す。魚が水面に顔を出し水しぶきを上げた。
「イケるわよ! フィーシュッ!」
「はわわわわ、凄い! 凄い」
活美が何とか魚を引き上げると即座に優心がタモ網ですくいあげフォローする。
「おおっ! ヤマメね、大きさもそこそこだわ」
優心は手慣れた様子で魚を締め、クーラーボックスに入れる。活美は興奮冷めやらぬ様子で釣ったヤマメをじっと見ていた。
「食べるのちょっと可哀そうだね」
活美は申し訳なさそうな表情を浮かべヤマメに手を合わせる。
「食べるってのは殺すってことだからね、いつも食べているお肉やお魚も誰かが代わりに殺しているのよ」
「そうだね、せめて美味しく食べてあげよう」
優心は活美の頭をポンポンと撫ぜると。
「まだまだ釣るわよ」
優心は活美に竿を持たせると自分も竿を構えなおした。
再び釣りを再開すると、今度は優心に当たりが来た。釣り名人の様に洗練された動きで魚を釣り上げ、あっという間にタモ網ですくいあげた。
「う~ん、茶マス大きさも普通ね」
「おっ! でも立派な魚じゃないか、美味しそうだぞ」
そんな感じで優心と活美は平凡ながらヒットを重ね、順調にお昼ご飯をゲットしていく。
「…………」
「星河! 何やってるのよ、さっきから全然釣れてないじゃない、ヘタレなんだから」
「た……たまたまだよ~優心ちゃん、そんな言い方しなくても」
なぜか星河の竿にはヒットが来ない、特に技術的に問題があるわけではなかったが、まるで魚に嫌われたかの様にてんで喰いつかない。
「くそっ……一発逆転してやる」
針の先のブドウ虫を確認して、今度は川の一番深くなっているところへ投げ入れた。
「釣れろ~……釣れろ~」
妙な念を出しながら待つこと数十秒、ついに星河に初ヒットがきた。
魚が跳ね水面にかなり大きな水しぶきが上がる。
「おっ! これはデカいわよ!」
「わわわっ! 引きが凄い」
「うわぁ……星河君凄い」
「しっかりリール巻いて、油断するとバレるわよ」
何とか竿を立てて必死にリールを巻く、針がしっかりかかったのか今のところはバレない。
魚が暴れて派手な水しぶきが立ち、魚の顔がチラリと伺える。
「デカいっ! たぶんイワナ、主クラスの大物よ」
星河と主イワナとの壮絶な死闘、少しずつ主イワナが川岸へ引っ張られていく。
「そう! そう、そんな感じ、星河! ファイトよ」
優心がタモ網を持って主イワナの元へ向かう。
「最後っ! 一発引き寄せて」
「よっしゃー!」
星河が気合を入れてリールを巻き竿を引く。飛び上がった魚をすかさず優心がタモ網ですくった。
「ゲットー! 超大物のイワナよ」
タモ網の中で暴れるイワナは五十センチ以上の大物だった。
「はは……どんなもんだい!」
「星河に主釣りの称号を与えても良いかもしれないわね」
優心がブイサインを作ってニッと笑った。星河もサムズアップして応える。
☆
「美味しい~、釣りたての川魚ってこんな味がするんだね」
炭火コンロへ串に刺し塩をふったイワナやヤマメを並べ次々に焼いていく。
活美が元気よく魚を平らげていく、そんな様子を優心と星河が嬉しそうに眺めている。
「星河の釣った主は晩御飯のバーベキューでメインディッシュになります。期待するように」
「わあぁ……晩御飯はバーべキュウなんだね」
「そうよ、だから昼のお魚は食べ過ぎないように」
「私はまだ平気だよ、だってお魚こんなに美味しいんだもの」
つい最近まで病院食ばかりだった活美にとって、川魚の塩焼きは物凄い贅沢品の様に思えたようだ。食べ物を食べて心底美味しいと思える事すら久しぶりなのかもしれない。
「優心ちゃんやっぱりお料理上手、塩加減と焼き加減も絶妙」
「夜はもっと凝った料理だしてあげるから、活美はもうこの辺にしておきなさい」
「は~い……しぶしぶ」
活美はもっと食べたい様子だったが、もうそろそろ釣った魚も底をついてきた。
「う~ん、美味いな、これ貰っちゃっていいの?」
「あたしと活美が釣ったやつだからね、ありがたく味わって食べなさいよ」
「うん……美味い、美味い」
星河が魚を食べ終わると、例のごとくあっという間にコンロを片付け撤収した。
「いえ~い」
夜見山キャンプ場からすぐ近くの渓流にやって来た三人、今日のお昼ご飯をゲットすべく、えいえいおーと拳を掲げ気合を入れる。
夏の日差しが川面に反射して輝いて万華鏡のように綺麗だ。近辺に繁茂する木々の間を小鳥が鳴きながら通っていく、まさに夏休みを体現した様な風景だ。
「ねえ優心ちゃん、この辺では何が釣れるの?」
「う~ん……基本的にはイワナとかヤマメとかだけど、最近は外来種の茶マスが多いかな~」
「外来種か~それって美味しいの?」
星河的には外来種と言えばブラックバスのイメージがあるせいか、外来種=まずいという印象があった。
「燻製にグリルにフライにオーブン焼き、と大体ニジマスと同じ調理法はいけるわね」
「へ~ちゃんと食べられるんだ」
「けっこう美味しいわよ」
そう言うと優心はテキパキと釣り竿を準備する。釣具店で借りてきた釣り竿は新品の様にピカピカで優心が持つととってもカッコよく見えた。
釣り具の扱いも手慣れたものだった。やっぱり優心は何をやっても上手だ。
「凄い……優心ちゃん釣り名人みたい」
「えっへん! ここいらで主釣りの優心と言えばあたしのことよ」
「変な怪魚を釣り上げないでくれよ!」
「だいじょ~ぶ! 大抵の魚は塩を振って炭火で焼けば食べられるわ」
「いくら優心ちゃんだからって……そんな怪魚を釣ったりしないよね?」
活美が微妙に引きつった笑顔でそう言った。星河は優心だからわからないぞと暗に表情で示した。
「馬鹿な事言ってないで、釣りを始めるわよ」
「え~っと、餌はどうするんだ?」
「ここら辺の渓流釣りなら、餌とルアーどっちでもいけるわね」
そう言って釣り具箱の中からカラフルなルアーやタッパーに入った餌を取り出す。
「活美は大人しくルアーで遊んでいなさい、虫っぽい動きをして魚を惑わすのよ」
「わぁぁ……出来るかな?」
竿を受け取った活美はたどたどしい手つきでルアーを水面に放るのだが、すぐ手前に落ちてしまう、何度か繰り返して諦めたのか、そのまま釣りを始めてしまった。
「まあ……活美は後で見てあげるとして」
キッと優心は星河をにらむ。
「星河はあたし達のお昼ご飯をしっかり確保してもらうわよ」
「任せろ、大物を釣り上げてやる」
「その意気や良し! 星河は餌で釣りをしてもらうわ、このブドウ虫でね」
優心がタッパーを開けると、中には良く太った芋虫が湿った木くずの中で蠢いていた。
「うわっ! ちょっと気持ち悪いな」
「餌は見た目だけじゃなく匂いでも魚を惹きつけるから効果抜群よ。あたしとどっちが大物を釣るか勝負よ」
その後ブドウ虫を針につけるやり方を教わり、釣りを開始した。
「う~ん…………ヒットしないな」
少しずつポイントを変えたりしながら、魚を狙うも当たりは来ない。優心の方を見るとそちらも当たりが来ていない様だが、悠然と構えていた。
「虫の様に……虫の様に」
活美は優心に教わった様にルアーを動かしながら当たりを狙う、最初の時よりはだいぶ動きも良くなっていた。
「あっ! 来た!」
活美の竿がしなる、最初、川底の石にかかったかとも思ったが、引きに動きがある。
「活美ナイス! オーケー針もしっかりかかってる。巻いて巻いて」
活美が一生懸命にリールを回す。魚が水面に顔を出し水しぶきを上げた。
「イケるわよ! フィーシュッ!」
「はわわわわ、凄い! 凄い」
活美が何とか魚を引き上げると即座に優心がタモ網ですくいあげフォローする。
「おおっ! ヤマメね、大きさもそこそこだわ」
優心は手慣れた様子で魚を締め、クーラーボックスに入れる。活美は興奮冷めやらぬ様子で釣ったヤマメをじっと見ていた。
「食べるのちょっと可哀そうだね」
活美は申し訳なさそうな表情を浮かべヤマメに手を合わせる。
「食べるってのは殺すってことだからね、いつも食べているお肉やお魚も誰かが代わりに殺しているのよ」
「そうだね、せめて美味しく食べてあげよう」
優心は活美の頭をポンポンと撫ぜると。
「まだまだ釣るわよ」
優心は活美に竿を持たせると自分も竿を構えなおした。
再び釣りを再開すると、今度は優心に当たりが来た。釣り名人の様に洗練された動きで魚を釣り上げ、あっという間にタモ網ですくいあげた。
「う~ん、茶マス大きさも普通ね」
「おっ! でも立派な魚じゃないか、美味しそうだぞ」
そんな感じで優心と活美は平凡ながらヒットを重ね、順調にお昼ご飯をゲットしていく。
「…………」
「星河! 何やってるのよ、さっきから全然釣れてないじゃない、ヘタレなんだから」
「た……たまたまだよ~優心ちゃん、そんな言い方しなくても」
なぜか星河の竿にはヒットが来ない、特に技術的に問題があるわけではなかったが、まるで魚に嫌われたかの様にてんで喰いつかない。
「くそっ……一発逆転してやる」
針の先のブドウ虫を確認して、今度は川の一番深くなっているところへ投げ入れた。
「釣れろ~……釣れろ~」
妙な念を出しながら待つこと数十秒、ついに星河に初ヒットがきた。
魚が跳ね水面にかなり大きな水しぶきが上がる。
「おっ! これはデカいわよ!」
「わわわっ! 引きが凄い」
「うわぁ……星河君凄い」
「しっかりリール巻いて、油断するとバレるわよ」
何とか竿を立てて必死にリールを巻く、針がしっかりかかったのか今のところはバレない。
魚が暴れて派手な水しぶきが立ち、魚の顔がチラリと伺える。
「デカいっ! たぶんイワナ、主クラスの大物よ」
星河と主イワナとの壮絶な死闘、少しずつ主イワナが川岸へ引っ張られていく。
「そう! そう、そんな感じ、星河! ファイトよ」
優心がタモ網を持って主イワナの元へ向かう。
「最後っ! 一発引き寄せて」
「よっしゃー!」
星河が気合を入れてリールを巻き竿を引く。飛び上がった魚をすかさず優心がタモ網ですくった。
「ゲットー! 超大物のイワナよ」
タモ網の中で暴れるイワナは五十センチ以上の大物だった。
「はは……どんなもんだい!」
「星河に主釣りの称号を与えても良いかもしれないわね」
優心がブイサインを作ってニッと笑った。星河もサムズアップして応える。
☆
「美味しい~、釣りたての川魚ってこんな味がするんだね」
炭火コンロへ串に刺し塩をふったイワナやヤマメを並べ次々に焼いていく。
活美が元気よく魚を平らげていく、そんな様子を優心と星河が嬉しそうに眺めている。
「星河の釣った主は晩御飯のバーベキューでメインディッシュになります。期待するように」
「わあぁ……晩御飯はバーべキュウなんだね」
「そうよ、だから昼のお魚は食べ過ぎないように」
「私はまだ平気だよ、だってお魚こんなに美味しいんだもの」
つい最近まで病院食ばかりだった活美にとって、川魚の塩焼きは物凄い贅沢品の様に思えたようだ。食べ物を食べて心底美味しいと思える事すら久しぶりなのかもしれない。
「優心ちゃんやっぱりお料理上手、塩加減と焼き加減も絶妙」
「夜はもっと凝った料理だしてあげるから、活美はもうこの辺にしておきなさい」
「は~い……しぶしぶ」
活美はもっと食べたい様子だったが、もうそろそろ釣った魚も底をついてきた。
「う~ん、美味いな、これ貰っちゃっていいの?」
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