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過去の教訓

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何で不安にさせるの?

イヤ、私が勝手に不安になったり、悲しくなったりしてるだけ?


安易に電話することも出来なかった


会社のメールに連絡が届いたのは直後だった

「携帯のデータが消えしまいました(^^;;
また携帯教えください!」

なぁ~んだ(笑)
名刺渡しておいて良かったー

もちろん直ぐに返信した

登録されればLINEに出てくるもんね

時を待つことに



その週、登録も連絡もなかった


あれ?なんで?


その翌週も


なんだか、放っておかれちゃった?

フェードアウト?

嫌われちゃったかな?

飽きれられちゃったかな?

身を引かれたのかな?


ネガティブなコトしか考えられなかった


もしかして・・・

アナタは気付いている?

アナタを好きになりはじめた私の気持ちを・・・


だから、なのかなぁ?



この頃、私は昔のことばかり思い出していた

15年も前のこと



大好きだった人のこと


その人とは付き合ってはいなかった

婚約してる、相手がいる人


はじまりこそ簡単で、広めの居酒屋で慰労会をしていた私に声をかけてきたカッコいいけど、変な人
当時はジュースみたいなカクテル系ばっかりだったなぁ・・・
帰り際にあの人は目が合った私を手招きする
何かな?って立ち上がり寄ると
「今度飲み行こうよ!携帯教えて?」
大胆!
でも、私はフリーだったし、当時は婚約破棄されて合コンばかりやってたから全然抵抗がなかった

彼とのはじめてのデートでお寿司屋さんからカラオケ行って、
「まだ一緒に飲みたいなぁー」
「じゃあ、私のウチで飲む?」
「おっ?良いの?やったー」
「お手手出しちゃダメよ?」
「大丈夫!何もしないよ!」
って言うから、当時住んでいた私の部屋へ

招き入れた時点でOKなのはお互い言わなくても分かってしまうよね

玉子焼き程度の簡単な摘みを出して
「私も一杯飲んだらお風呂入るね、冷蔵庫にお酒入ってるから飲んでて^ ^」
私も大胆だったわ
先にシャワーを済ませて
彼の入浴中に片付けを済ます
ノーブラパジャマでベッドに潜り込み、ライトダウンしてテレビをつけている
彼はTシャツとスラックスで出てくる
「タオルありがとう!ここ置いといて大丈夫?」
「うん、ドライヤーは?」
「直ぐ乾くから大丈夫!ん?寒いの?」
「ちょっとね、恥ずかしいから・・・近づいたらダメだよ?」
「何が恥ずかしいのかな?」
「家の中じゃ、ブラ着けたくないの!透けたら恥ずかしいでしょ!」
そうです、
これが当時の私のやり口だったの
そこからは当然、ね・・・

でも、婚約者が居ると知ったのは翌日
彼女からの電話だったみたい

それで辞めれば良かったものの、彼は
「ごめんね、しつこい女がいてさ・・・オレ、キミに惚れちゃったから」

それから彼とは何度か夜を過ごした
ダメだよねって思いながらも夜になると身体が彼を求めてしまう
彼の甘い囁きが感じる

気付けば大好きになってた



けど、ある日、突然

「終わりにしよう」って



当然だよね


お互い泣いた


そのとき、彼も私のこと好きだったって分かって、長めのキスをした
唇が離れる瞬間の感触は今でも覚えてる・・・

訳は聞かなかった

彼の部屋を出たのは21時頃だったかな
駅前を通ると何処かの店からfirst loveが漏れてきて、それがずっと聴こえるから
私は声をあげて泣きながら家路を急いだけど、コンタクトまで流れ出ちゃったから、街のネオンが揺らいで見えて帰るの大変だったなぁ

過去1番、美しく悲しい思い出


素敵な人だった・・・


ずっと、何年も忘れられずにいたよ
あれ以来、恋ができなくなっていたことに、
あれ以来、仕事だけに、
ってことに、新ためて気が付いた




私、引かなくちゃだよね

また、あのときみたいに辛い思いをするだけだよね


気持ちに整理を付けようと決めた夏の始まり
会社のメール宛に連絡がきたのは、
また突然の7月末だった



「お久しぶりです、色々ご迷惑かけました、LINE作りました」

と共にLINEのQR

即、読み込んでLINEを送った

「確認しました、またよろしくねっ」

お久しぶりです、のところに他人行儀を感じた


返信はいつも待った


3時間後
「色々お騒がせしました、またよろしくお願いします」



8月
鬱陶しい暑さが続き始めた頃、
私は気持ちを抑え込もうとしていた


会えばまたブリり返しだから
極力BARには行かないようにしたの
ノートンのレゼルヴァをリクエストして折角入れてもらった店長には悪かったけど


対策はナオ先輩を紹介することだった

BARの店長たちからも
「良い人いたら紹介してください」
なんて言われてたのもあったんだけどね

ナオ先輩は雰囲気の良さから気に入ってくれたみたい^ ^
店長はナオ先輩を気に入ったみたい^ ^


ユウ君を嫌いになりたい訳じゃなかったから、好きになりはじめた気持ちを抑えるのは簡単じゃなかった
だから、やっぱり仕事に集中するしかなかったけど、人を好きになる気持ちを教えてくらたから?
私は会社の同僚に、今まで以上に優しく接することができたみたい



8月末

何となく、フラッと寄ってみた
ナオ先輩も久々に一緒に行こうってことだったから


でも、アナタは居なかった(^^;;


翌日、聞いたんだろうね
「なかなか会えないですね、寂しい」

おっ!成果が出てきたかな?
あまり心が動かないぞ?
「居なくて残念だったなぁ、またね」

「フラッと僕が居ないときに行くんだから(笑)また!」

から近況を語りはじめた


ちょっとしたやり取りが続いた




何でこんなプライベートなやり取りを?

会えなくて寂しいってホント?


私は我慢してるんだよ?
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