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第一章
第39.5話 私は勇者になってしまったようです・・・(中中)の話
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私は気づけば知らない天井を見つめていた。
(まぁ、知ってる天井なんだけど・・・)
どうやら、最初の訓練で私は気絶したようだ。
窓を見てみれば、もう夜だった。
「まだ、食堂空いてるかな・・・」
私のお腹がそこそこデカい音が鳴る。
お腹空いた、なんでここまでお腹空いているのか、考えられるのは大体は先ほどの訓練で踏み込んだ時に"変な"感じがした。
あれがここでの魔力なのかな?
まぁ、それはさておき食堂に向うことにした。
私はゆっくりドアを開ける、周りを見渡すが誰も人の気配は感じなかった。
廊下に出て、長い廊下を歩いていると突き当りのから誰かが通り過ぎて行った。
「ん?あれは・・・板野?」
あれは板野ともう一人は"国王"だ。
私はふと腕時計を見ると10時を回っていた、何故こんな時間にあの二人が?
気になる所だが、尾行は失礼だし、そのまま食堂に向うことにした。
食堂に着いた、どうやらこの時間帯は食堂ではなく
酒場になっていた、騎士達が集まってて騒いでいた。
私はカウンターに座る。
「いらっしゃいませ。何かご注文はございますか?」
オールバックで黒髪のバーテンダーの服の男の人が立っていた。
実に良い男だった、普通の女性なら惚れてしまうだろう。
「なんか、食べられる物はないですかね?」
「成る程・・・」
男性は少し悩みながら、何かを思いついたように話す。
「分かりました、少々お待ち下しさい、今お持ちいたしますね。」
そう言って、カウンターの裏に行く。
向かう姿はとても優雅で"隙"がなかった、恐ろしいぐらいに規則正しいのだ。
私はその動きで一瞬で分かった、この人はものすごく強い、それは人外レベルでの強さを感じる。
すると、デカい笑い声で話しかける、おじさんがいた。
この声は知ってる、アルバートだった。
「わーっはっはっは!ミツルギの坊ちゃんじゃねぇか!どうしたんだ、こんなところで」
貴方に気絶されて、ご飯食べてないんですよ!!!
大体はこの人のせいだ。
「えぇ、ちょっと食事を取り損ねて・・・」
「そうかそうか!今日は運がいいな!なんせ今日はミハエルの旦那が来てくれたからな、あいつの飯とつまみは絶品なんだ!」
どうやら、先ほどの人の男の名前はミハエルと言うらしい。
アルバートの会話を聞いていたかのように鉄板を二つ持って差し出す。
「こちらをどうぞ」
そこには熱い鉄板の上でジュージューと音しながら焼かれているウィンナーが置かれていた。
香ばしい匂いが私の胃の中まで伝わる、これは絶対美味しい・・・!
だって、私の胃を刺激させてるんだから!
「アルバートさんもこれでいいですよね?」
「おう!ありがとうな!」
そう言って、アルバートにはビールジョッキとウィンナーだった。
私はウィンナーを食べた、口に入れるとパリッと音が鳴って肉汁が口の中に広がる。
その肉汁は口から喉へ、喉から胃へ運び込まれるように全身に伝わる。
「美味しい・・・!」
こんな美味しいウィンナーを食べるのは初めてだった、よく見ると意外と大きいな・・・。
口に運ぶのが少し苦労するが、美味しいから問題はなかった。
「やっぱり、ミハエルの旦那のつまみは美味しいな!」
「かの、"嵐のアルバート"と言われた方に褒められるのは光栄でございます。」
「やめろやい、お前さんの方が強いのに何を言うんだ」
お互いに笑いながら話す。
私はオールバックマスターとはどんな関係か気になった。
なんせあそこまで強者なんだから。
「アルバートさん、この人は誰だか知ってるんですか?」
「あぁ?ミハエルの旦那の事か?こいつは元騎士団の団長だぞ?」
私は衝撃の真実で驚く、この人が元騎士団長なのか。
でもなぜ、酒場で働いているんだろう?
「いやー、俺的にはまた戻ってきてほしいのだがな
ミハエルの旦那は昔は"黒騎士"言われてこの国の最強の"戦士"だったんだ。」
「それは過去の栄光ですよ」
そう言って、ツッコミを入れるミハエルさんだった。
私はその光景を見つつウィンナーを食べる。
「だがよぉ、なんで騎士をやめたんだ?お前さんまだまだ戦えるのに」
「私はやりたい事をやってるだけですよ。」
アルバートが言うにはやはり戦えるそうだ、まぁ傷一つもないもんな。
この人がやられる所が想像できないし・・・。
私は食べ終わり、席を立つ。
「ごちそうさまでした、美味しかったです」
「ありがとうございました、またお待ちしています。」
ミハエルはお辞儀をする。
私は後ろのアルバートの笑い声が聞こえながら酒場から離れたのだった。
「さて、明日に向けて寝ることしますか・・」
私は今日の出来事を思い出しながら就寝した。
それからは私は剣を振り続けた。
私はアルバートにやられた事に悔しかったのかただひたすら振り続けた。
そんな私は着々とLVを上げていた。
【御剣 正義】
職業 勇者
LV20
HP5000
MP2000
SP2500
攻撃 4500
防御 3000
魔力 3400
精神 2910
素早さ 1500
器用さ 1700
運 50
スキル
・天命剣「リミテッド・ソード」
・スラッシュ
・限突「オーバー・クロック」
・ブレイジング・ダンス
・剛力
・鉄壁
・クロス・ジャッジメント
パッシブ
・勇者の加護
・精霊の加護
・剣の加護
そんなある日、私の手から光り出す。
その光は徐々に剣の形になっていく。
それを見たアルバートは感心するように言う
「ほー!ミツルギの坊ちゃん、もう聖剣を出せるようになったのか!」
だから、私は女だって・・・、内心そう思いながら私は聖剣を手に取った。
剣なのにとても軽い、というか本当に軽いな。
見た目は結構ごついのになー、というかもうちょっと普通の剣にならなかった?
何故なら
「さすが、御剣君、男らしい・・・」
「聖剣を持つだけでイケメン度が増す御剣君。」
「しゅきぃ・・・」
おかしい、私は普通の女の子なのに何故男らしいさが増したり、イケメンとか言われなければならないのだ。
私は泣く泣く聖剣を振った。
ちなみに聖剣は試し斬りで案山子に試すと、全く力を入れてないのに綺麗に切れてしまった。
ひえぇー・・・、取り合えず訓練の間は使わないでおこう、人にあたれば振ってるだけで殺しかねないよこれ・・・。
残り一週間後には北へと遠征に行くから手を抜かずに訓練をする。
もっと強くなって、あの人をちゃんと守れるぐらいには強くならないと・・・。
そう言って、私は訓練を終えて部屋に戻る。
「疲れたなぁ・・・」
私はいつも通りにシャワーをする、やっぱり訓練の後はシャワーに限る
お風呂を済ませ就寝をしようとした、だけどなぜかこの日は眠れなくて気分転換に外に出た。
私は外に出て、景色を眺め夜風にあたった、気持ちが良い・・・。
風にあたっていると、男女の声が聞こえる。
こんな時間に男女の声?
私は気になって声の方向を見てみるとそこには、黒杉くんと美空さんがベンチに一緒に座っていた。
その二人が笑っている姿を見ると胸がキュッとなった。
「楊一は我慢とか無茶をしそうだから、その時に癖で見極めるの、気づかないと思ってたら大間違いよ。
それに何年幼馴染やっていると思っているの?」
「はは、違いないね」
美空さんが黒杉さんの頭を撫でてた。
あれ?普通逆じゃないか・・・?
細かいことは気にしないでおこう。
「私は、絶対に楊一を守るわ。」
「み、美空?」
「普段から、貴方には色々助けられているわ、今も昔も」
「そうかなぁ?僕は昔から気が弱かったし、美空を助けるよりも、助けられるほうが多いような気が...」
「細かい事はいいの!!」
私はただ眺める事しかできなかった。
(守るか・・・)
そうだよね、今更私が黒杉くんを守るなんておこがましいのかな・・・?
二人はお互いに顔が赤くなる。
(あの二人はやっぱり付き合ってるのかな?)
それもそうだ、私との関わりなんて合って無いようなものなんだから、必然的に美空さんを選ぶなんて当然なんだから。
私が手を伸ばしても届かない位置にいるのだから・・・。
(そんなことならもうちょっと勇気を出して仲良くしたかったなぁ。)
追いかける事しか出来ない自分を悔やんだ。
そんな二人の姿を見るとなぜか視界が何故か滲んでくる。
困惑した、なんでだろうと思って私は目を擦った。
それは自分が流した涙だった。
(はは・・・、私、泣いてるのか・・・ださいなぁ)
苦しかった、ここまで苦しくなるのは初めてだった。
そして私はここで自覚する。
(あぁ、本当に好きだったんだな)
そう、最初にして最後の恋だった。
最初はこの感情はなんだったのかが分からなかった、ファンとしての好きだと思っていたのだ。
だけど私はこの出来事で知ってしまった"恋"だった。
しばらくして、美空さんの声が聞こえる。
「私は・・・」
(ッ・・・)
私は聞きたくなくて、その場を逃げるように走り出した。
視界が揺らぐ中、私は自分の部屋にもどった。
「お?御剣じゃな・・・」
「ごめん・・・」
私は下を向いて走った為、誰だか分からなかった。
声すら誰かもわからないぐらいに自分を動揺していた。
その夜、私は枕を濡らして寝たのだった。
――――――
「・・・なんだったんだ?」
今の御剣だったよな?なんで泣いてるんだ?
「あれ、一樹こんなところで何してるんだ?」
「あぁ、帰りが遅かったからさ、板野に絡まれてるんじゃないかって思って探しに来たんだ」
「あぁ、ごめんごめん!丁度帰る所だったから一緒に戻ろう」
ふむ、何もなかったようだ。
まぁ、何もなければよかった
「そういや、さっき御剣に出会ったけど何かあったのか?」
「いや?僕は合ってないよ?」
「そうか・・・」
じゃあ、なんで泣いてたんだ?
ふむ、どうやら楊一には関係なさそうだし、別の事かな?
まぁ部屋に戻るか・・・。
そう言って二人は談話しながら部屋に戻ったのだった。
(まぁ、知ってる天井なんだけど・・・)
どうやら、最初の訓練で私は気絶したようだ。
窓を見てみれば、もう夜だった。
「まだ、食堂空いてるかな・・・」
私のお腹がそこそこデカい音が鳴る。
お腹空いた、なんでここまでお腹空いているのか、考えられるのは大体は先ほどの訓練で踏み込んだ時に"変な"感じがした。
あれがここでの魔力なのかな?
まぁ、それはさておき食堂に向うことにした。
私はゆっくりドアを開ける、周りを見渡すが誰も人の気配は感じなかった。
廊下に出て、長い廊下を歩いていると突き当りのから誰かが通り過ぎて行った。
「ん?あれは・・・板野?」
あれは板野ともう一人は"国王"だ。
私はふと腕時計を見ると10時を回っていた、何故こんな時間にあの二人が?
気になる所だが、尾行は失礼だし、そのまま食堂に向うことにした。
食堂に着いた、どうやらこの時間帯は食堂ではなく
酒場になっていた、騎士達が集まってて騒いでいた。
私はカウンターに座る。
「いらっしゃいませ。何かご注文はございますか?」
オールバックで黒髪のバーテンダーの服の男の人が立っていた。
実に良い男だった、普通の女性なら惚れてしまうだろう。
「なんか、食べられる物はないですかね?」
「成る程・・・」
男性は少し悩みながら、何かを思いついたように話す。
「分かりました、少々お待ち下しさい、今お持ちいたしますね。」
そう言って、カウンターの裏に行く。
向かう姿はとても優雅で"隙"がなかった、恐ろしいぐらいに規則正しいのだ。
私はその動きで一瞬で分かった、この人はものすごく強い、それは人外レベルでの強さを感じる。
すると、デカい笑い声で話しかける、おじさんがいた。
この声は知ってる、アルバートだった。
「わーっはっはっは!ミツルギの坊ちゃんじゃねぇか!どうしたんだ、こんなところで」
貴方に気絶されて、ご飯食べてないんですよ!!!
大体はこの人のせいだ。
「えぇ、ちょっと食事を取り損ねて・・・」
「そうかそうか!今日は運がいいな!なんせ今日はミハエルの旦那が来てくれたからな、あいつの飯とつまみは絶品なんだ!」
どうやら、先ほどの人の男の名前はミハエルと言うらしい。
アルバートの会話を聞いていたかのように鉄板を二つ持って差し出す。
「こちらをどうぞ」
そこには熱い鉄板の上でジュージューと音しながら焼かれているウィンナーが置かれていた。
香ばしい匂いが私の胃の中まで伝わる、これは絶対美味しい・・・!
だって、私の胃を刺激させてるんだから!
「アルバートさんもこれでいいですよね?」
「おう!ありがとうな!」
そう言って、アルバートにはビールジョッキとウィンナーだった。
私はウィンナーを食べた、口に入れるとパリッと音が鳴って肉汁が口の中に広がる。
その肉汁は口から喉へ、喉から胃へ運び込まれるように全身に伝わる。
「美味しい・・・!」
こんな美味しいウィンナーを食べるのは初めてだった、よく見ると意外と大きいな・・・。
口に運ぶのが少し苦労するが、美味しいから問題はなかった。
「やっぱり、ミハエルの旦那のつまみは美味しいな!」
「かの、"嵐のアルバート"と言われた方に褒められるのは光栄でございます。」
「やめろやい、お前さんの方が強いのに何を言うんだ」
お互いに笑いながら話す。
私はオールバックマスターとはどんな関係か気になった。
なんせあそこまで強者なんだから。
「アルバートさん、この人は誰だか知ってるんですか?」
「あぁ?ミハエルの旦那の事か?こいつは元騎士団の団長だぞ?」
私は衝撃の真実で驚く、この人が元騎士団長なのか。
でもなぜ、酒場で働いているんだろう?
「いやー、俺的にはまた戻ってきてほしいのだがな
ミハエルの旦那は昔は"黒騎士"言われてこの国の最強の"戦士"だったんだ。」
「それは過去の栄光ですよ」
そう言って、ツッコミを入れるミハエルさんだった。
私はその光景を見つつウィンナーを食べる。
「だがよぉ、なんで騎士をやめたんだ?お前さんまだまだ戦えるのに」
「私はやりたい事をやってるだけですよ。」
アルバートが言うにはやはり戦えるそうだ、まぁ傷一つもないもんな。
この人がやられる所が想像できないし・・・。
私は食べ終わり、席を立つ。
「ごちそうさまでした、美味しかったです」
「ありがとうございました、またお待ちしています。」
ミハエルはお辞儀をする。
私は後ろのアルバートの笑い声が聞こえながら酒場から離れたのだった。
「さて、明日に向けて寝ることしますか・・」
私は今日の出来事を思い出しながら就寝した。
それからは私は剣を振り続けた。
私はアルバートにやられた事に悔しかったのかただひたすら振り続けた。
そんな私は着々とLVを上げていた。
【御剣 正義】
職業 勇者
LV20
HP5000
MP2000
SP2500
攻撃 4500
防御 3000
魔力 3400
精神 2910
素早さ 1500
器用さ 1700
運 50
スキル
・天命剣「リミテッド・ソード」
・スラッシュ
・限突「オーバー・クロック」
・ブレイジング・ダンス
・剛力
・鉄壁
・クロス・ジャッジメント
パッシブ
・勇者の加護
・精霊の加護
・剣の加護
そんなある日、私の手から光り出す。
その光は徐々に剣の形になっていく。
それを見たアルバートは感心するように言う
「ほー!ミツルギの坊ちゃん、もう聖剣を出せるようになったのか!」
だから、私は女だって・・・、内心そう思いながら私は聖剣を手に取った。
剣なのにとても軽い、というか本当に軽いな。
見た目は結構ごついのになー、というかもうちょっと普通の剣にならなかった?
何故なら
「さすが、御剣君、男らしい・・・」
「聖剣を持つだけでイケメン度が増す御剣君。」
「しゅきぃ・・・」
おかしい、私は普通の女の子なのに何故男らしいさが増したり、イケメンとか言われなければならないのだ。
私は泣く泣く聖剣を振った。
ちなみに聖剣は試し斬りで案山子に試すと、全く力を入れてないのに綺麗に切れてしまった。
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もっと強くなって、あの人をちゃんと守れるぐらいには強くならないと・・・。
そう言って、私は訓練を終えて部屋に戻る。
「疲れたなぁ・・・」
私はいつも通りにシャワーをする、やっぱり訓練の後はシャワーに限る
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私は外に出て、景色を眺め夜風にあたった、気持ちが良い・・・。
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こんな時間に男女の声?
私は気になって声の方向を見てみるとそこには、黒杉くんと美空さんがベンチに一緒に座っていた。
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「楊一は我慢とか無茶をしそうだから、その時に癖で見極めるの、気づかないと思ってたら大間違いよ。
それに何年幼馴染やっていると思っているの?」
「はは、違いないね」
美空さんが黒杉さんの頭を撫でてた。
あれ?普通逆じゃないか・・・?
細かいことは気にしないでおこう。
「私は、絶対に楊一を守るわ。」
「み、美空?」
「普段から、貴方には色々助けられているわ、今も昔も」
「そうかなぁ?僕は昔から気が弱かったし、美空を助けるよりも、助けられるほうが多いような気が...」
「細かい事はいいの!!」
私はただ眺める事しかできなかった。
(守るか・・・)
そうだよね、今更私が黒杉くんを守るなんておこがましいのかな・・・?
二人はお互いに顔が赤くなる。
(あの二人はやっぱり付き合ってるのかな?)
それもそうだ、私との関わりなんて合って無いようなものなんだから、必然的に美空さんを選ぶなんて当然なんだから。
私が手を伸ばしても届かない位置にいるのだから・・・。
(そんなことならもうちょっと勇気を出して仲良くしたかったなぁ。)
追いかける事しか出来ない自分を悔やんだ。
そんな二人の姿を見るとなぜか視界が何故か滲んでくる。
困惑した、なんでだろうと思って私は目を擦った。
それは自分が流した涙だった。
(はは・・・、私、泣いてるのか・・・ださいなぁ)
苦しかった、ここまで苦しくなるのは初めてだった。
そして私はここで自覚する。
(あぁ、本当に好きだったんだな)
そう、最初にして最後の恋だった。
最初はこの感情はなんだったのかが分からなかった、ファンとしての好きだと思っていたのだ。
だけど私はこの出来事で知ってしまった"恋"だった。
しばらくして、美空さんの声が聞こえる。
「私は・・・」
(ッ・・・)
私は聞きたくなくて、その場を逃げるように走り出した。
視界が揺らぐ中、私は自分の部屋にもどった。
「お?御剣じゃな・・・」
「ごめん・・・」
私は下を向いて走った為、誰だか分からなかった。
声すら誰かもわからないぐらいに自分を動揺していた。
その夜、私は枕を濡らして寝たのだった。
――――――
「・・・なんだったんだ?」
今の御剣だったよな?なんで泣いてるんだ?
「あれ、一樹こんなところで何してるんだ?」
「あぁ、帰りが遅かったからさ、板野に絡まれてるんじゃないかって思って探しに来たんだ」
「あぁ、ごめんごめん!丁度帰る所だったから一緒に戻ろう」
ふむ、何もなかったようだ。
まぁ、何もなければよかった
「そういや、さっき御剣に出会ったけど何かあったのか?」
「いや?僕は合ってないよ?」
「そうか・・・」
じゃあ、なんで泣いてたんだ?
ふむ、どうやら楊一には関係なさそうだし、別の事かな?
まぁ部屋に戻るか・・・。
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追記:2025/09/20
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