初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

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第2章 荒れ狂う極寒の都市『スノーガーデン』編

第52話 逃走と壁殴り代行人の話

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スカラ女王は手を上げて、城内に響き渡る程の声でパーティー会場にいる人達に一喝するように話す。

「皆の者!!落ち着け!」

迫力のある声は会場を静まり返らせる
その一言は重さを感じる
スカラ女王の威圧だろうか?

とてつもないプレッシャーが襲い掛かる
俺にも分かる、分かってしまった
このプレッシャーは"俺達に向けて"のものだった。


スカラ女王は分かっていたんだ。
俺達がここに来ることを、知っていたんだ。
その事を思うと、頬から冷たい冷や汗が顎に向って落ちてゆく

「ヨウイチ・・・」

すると、俺の表情で察したのかアイリスが近づいてくる。

「バレてるね・・・、しかも位置まで把握している・・・」

アイリスは魔眼を発動させていた、スカラ女王は無数の魔力の眼は俺達を見ているようだ
それは嘲笑うかのように
俺はその事を聞くと更に警戒を強める

「この中に侵入者がいるそうだ!、先ほど私の王室で何者かが入ったそうだ」

会場は騒めく、だがスカラ女王の赤子をあやすような声で周りの人達を落ち着かせる。

「私が何とかしてあげたいのだが、私も一人の人間でしかない
だが、私は一人ではない!皆がいる!民がいる!人は団結して真の力を発揮する、その皆の力とその小さな勇気が必要だ!」

スカラ女王の言葉を聞いた、周りの人達は目の色を変えた

そうだ!ここは俺達の国だ!皆の国だ!!相手は誰であろうと、この誇り高きスノーガーデンは屈してはならないのだ!!

スカラ女王!!スカラ女王!!スカラ女王!!

我が主!!我が王!!我が女王!!!

さぁ!剣を持たぬものは棒を持て!!棒もなければそこら辺の雪を掴んで投げろ!!

国に攻撃した者は!反逆!!女王に反逆した者は死刑!!!

「「「うおおおおおおおお!女王!!スカラ女王!!」」」

周りの人達はボルテージは最高潮に達していた。
スカラ女王の身体から、甘い芳香剤のような匂いを桃色の煙をだしながら、会場を瞬く間に充満させていく。
周りの人達のその匂いを嗅いだせいなのか、更に興奮する。
その目はもはや、人間ではなく、獲物を捕らえる獣のような鋭い野獣のような目だった。

さぁ、本格的にやばくなってきたな・・・。

「さぁ!敵の目星は既についておる!!」

そう言って、スカラ女王は俺とアイリスに向って、指を差す。
同時に騎士や貴族達の眼が俺達に集中する

「さぁ!捕まえろ!!

スカラ女王の号令と同時に雄たけびを上げながらこちら方に走って捕まえようとする。

「くっそ・・・!アイリス逃げるぞ!クレナ!!」
「あいお!」

そう言って、俺は短刀状態になったクレナを握る、スキルを発動させようとしたが、扉の方は締まっており逃げれない状態だった。
俺はとっさの判断で窓から出て行こうとするが、窓が壊れない・・・!
どうやら、特殊な魔力でコーティングされて生半可の攻撃じゃ壊れないようになっているようだ。

「くそ、どうしたら・・・!」
「ヨウイチ落ち着いて・・!」

実際、この状況になれば落ち着けるわけがなかった。
自分達は捕まえられそうになっているのだから、捕まれば確実に殺される、俺には分かる
あの目は生かすような目をしていない。

「ヨウイチさ~~~~ん!どいてくださあああああい!!」

そう言って遠くから、フェレシアの声が聞こえた。
すると、顔を上げると・・・、フェレシアを投げようとするカマさんがいた。

「あぁんらー!フェレちゃん!!イクワヨォオオオオオオ!!!!!」
「はい!お願いします!!」

カマさんの筋肉が膨れ上がり、ドレスがビチビチと破ける。
ただえさえ、デカい巨体のに筋肉の膨張したせいで更にでかく見える。

そのデカい手はフェレシアを包み込むように掴み、そのままボールを投げる構えをとって・・・
フェレシアを投げた・・・・!

「「(えぇええええ!?)」」

俺とアイリスは何が起きてるんだかさっぱりだった。
すると、空中に飛んでいるフェレシアは体勢を変え、姿勢を安定させる。
手に持った、メイスを構えて、そのまま・・・

ドォオオオオオオン!!

凄まじい轟音を鳴らし、壁に大きな丸い穴ができた

「「うっそーん・・・」」

壁からパラパラと片が落ちて、煙からフェレシアが現れいう。

「これが私のスキル『壁殴り代行人《クラッシャー・オブ・デストロイ》です』

フェレシアは少し茶目っ気に言う
色々、突っ込みたいことはあるが、これで逃げれる・・・!
だが、カマさんが奥の方へ取り残されている。

「カマさん!!」

すると、乙女《漢》らしい声が奥の方から聞こえた。

「さぁ!行くのよ!!アタシなら大丈夫よ!なぁに!私は腐っても凄腕の冒険者なのだから!!」

そう言って、獣の群に襲われるカマさんだが、自慢の筋肉で追い払っていた。
この人、神官じゃなくて、バーサーカーなんじゃないか?
というか、ここの世界の神官は肉体言語しかできないのか?

ふと、四女の水嘉を思い出す。
月ノ城さんとの戦闘の後に水嘉さんと修業していたら

――――――

「ふぇえええええええ、『ホーリー・レイ』ですぅー!」

そう言って、拳に魔力を貯めてそのまま正拳突きを放つ。
水嘉さんとの距離は30m程あったんだけど・・・
水嘉さんの拳から、聖なるビームを放ってきた。

勿論、安定で地面は抉れていた
俺は咄嗟に横へ思いっきりジャンプをした。

――――――――

俺が知ってる、神官のイメージが崩れていく
クラスメイトの佐野も神官だけどあぁならないように祈るばかりだった。


――――――

「ハクチ・・・」

「あら?風邪?」

「うーん?風邪じゃないとおもうんだけどなぁー」

そう言って、鼻をズズズと音をならす。
美空はハンカチで佐野の鼻を拭いてあげた。
すると、隣にいた一樹が言う。

「噂でもしてるんじゃねぇーの?」

「えー、何か噂される事したっけなぁ・・・」

そう言って、3人は修業へとダンジョンへ潜っていた。


――――――――

俺とアイリス、フェレシアと一緒に走って逃げるのだが、後ろからファフニーが走っているのが分かる。

「うあああああああん、主人待ってえええええ!!」

そう言って、人間に追われるファフニーが涙目になりながら全速力で走っていた。

「ファフニー!頑張れ!!」

「むりぃー、人間状態だと疲れやすいのだぁー・・・」

そう言って、ファフニーの走る速度が落ちていくのが分かる、このままだとファフニーが捕まってしまうのは目に見えていた。

「クレナ!この黒姫ノ影は俺以外の奴に効果あるのか?」

すると、クレナは短刀状態で脳に直接語り掛けるように話す

「(もちろん!何処か触れて、意識させればできわよ!)」
「なら・・・!」

俺はスキルを発動させ、ファフニーの所まで移動する

「ほらファフニー!捕まって!!」
「ご、ご主人~!!」

ファフニーは泣きながら抱き着いた。
実際、ファフニー一人でも相手はできるのだが、ファフニーは力加減下手な為、力を開放したときには地獄絵図になりかねないのだった。
指名手配されるのだけは免れようと思い、人の状態で俺が命令しない限りは攻撃をしてはいけないと約束したのだった。

ファフニーは素直で優しい子だ。
いじっぱりな所もあるけど、それも含めて信用できる存在である。

俺は再びスキルを発動させて、元の場所に戻った。
あと、もう少しで救出が遅れていたらファフニーは捕まっていたのだろう。
俺はファフニーをおんぶしながら、走り続けた。

しばらく、走っていると、先ほどの会場りも大きな場所に着いた。

そして、騎士団が俺達を包囲するように囲んでいた。
すると、何やら笑い声が聞こえた。

「ッハッハッハ!!やっと見つけたぞ侵入者共」

「お前は・・・!」

「おん?お前は俺とどっかであったことあるのか?」

たしか、コイツは・・・ラグエイだっけか・・・?
騎士団団長が俺達の前に立っていた。


「さぁ、ここまでだぞ!観念するがいい!!」


俺達は包囲され、脳をフル回転させて、突破口を探すのに専念した。
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