20 / 84
改稿シリーズ・第一章
第19話 鬼ごっこと極限スキルの話
しおりを挟む
ユキとの、無事に修業を終える。
今度は、シルクさんと修業する事になったのだが・・・。
「うぅーん!僕と鬼ごっこしましょう!」
「はい?」
背中のビシィっと効果音がなりそうなぐらいに伸ばし、シルクは準備体操を始める。
そのまま、シャドウボクシングを始める。
修業に、何か意味があるのか?
たしかに、成長スキルで素早さを上げるのに、問題はないけども、他にはなかったものだろうか?
「正直に言うと、僕が遊びたいだけですけどね!」
でしょうね!?
だって、そんな感じがしますからね!
「あ、でも!!よーくんには、ハンデはあげます!」
「ハンデ?」
そう言って、シルクは大剣を取り出す。
そのまま、立っている場所に、地面に円を描くように、大剣で削る。
綺麗に、描けたのか嬉しいのか、その場をぴょんぴょんと跳ねる。
「ウヒャアアア!見てください!綺麗に削れました!」
「お、おう、良かったですね」
褒められたことで、更に興奮し、胸を張って、自慢げに鼻息を鳴らす。
いや、確かに、綺麗に円状に削れてるけど、そこまで喜ぶことなのか?
そして、大剣を納めて、仁王立ちで、今回の修業という、遊びを説明しはじめる。
「僕は、この丸の中でしか動きません!あ、もちろん!よーくん達は、武器も投擲物も、何でも使っても良いですよ!」
「はい?本当に言ってますか?」
「もちろんですよ!後輩には優しくしろって、うーさんに言われてますからね!」
そう言って、自分の不利な条件ばかりを、次々と付け足していく。
他にも、「別に爆発させても良いですからね!ウヒャアア!芸術だああ!」とまで言う。
あの円の中で、どうやって避けるんだ。
「勝利条件は、僕にタッチしたら、勝ちでふ!」
「後悔しないでくださいね」
「むっふー!もちろんですよ!」
俺は【加速】【スピードアップ】を発動して、手を伸ばして、シルクさんを捕まえようとするが、その場からいなくなる。
「僕はここですよー」
いつの間にか、後ろに回り込まれる。
後ろを振り向くと、シルクは片足を、トントンと鳴らしながら待ってる。
「このッ・・・!」
ムキになって、掴もうとすると、またしても、その場から消える。
「な!?」
「むっふー!よーくんはまだまだですねぇ!」
いつの間にか後ろに回り込まれた。
今、思え返せば、あの時、助けてもらった時も、動きが全然見えなかった。
この範囲なら、すぐに捕まえられると思ったけど、簡単にはクリアできないようだ。
「い、いつのまに・・・」
「僕は移動しただけですよー」
「移動だと?アイリス魔力を使った形跡はあるか?」
瞬間移動の間違いじゃないのか?
アイリスに魔眼で調べてもらうと、すぐに返答が来る。
「ヨウイチ・・・シルクが言ってる事は本当・・・しいて言うなら魔力で身体能力を向上させてるだけ・・・」
アイリスはそう断言する。
シルクは、魔力で身体能力を上げただけだった。
「むっふふー、アイリスさん!流石ですね!その通りです!僕は魔力で身体能力を向上させてるのですよ!」
「魔素はつけないのか?」
「ダメですよ!?そんな事したら、よーくんがバラバラになって、死んじゃいます!!」
「はい!?」
シルクさんが言うには、魔素に纏ってる状態になると、魔素と魔素がぶつかり合って、その圧力によって、衝撃波が発生しやすくなるらしい。
つまり、さっきみたいに移動するだけで、弾け飛ぶとか・・・。
流石に、ここで死にたくないから、今まで通りにしてもらうことにした。
「むっふー!では!続けて行きましょうか!」
「わかりました」
その後、6時間程、鬼ごっこを続けたのだが・・・一度も捕まることはなかった。
「くっそー・・・!捕まんねぇ・・・!」
「まだまだですねー!」
既に、俺の魔力は空っぽで、捕まえるどころか、掠りもしない。
そして、シルクさんの魔力量が桁違い過ぎる。
あれだけ、鬼ごっこしても、息切れするどころか、疲れる様子もなく、その場でスクワットした後に、いつもの奇妙な踊りをしていた。
「僕は思うんですけどー」
「なんでしょうか?」
「せっかく、転職の加護があるのに、なぜ有効活用しないのでふか?」
変な踊りをしながら言われる。
シルクに、言われてから、初めて気づく。
ただ、捕まえることしたか、考えてなかった為、スキルも何も使っていなかったのだ。
「僕は、これが本当に殺し合いでしたら、使えるものは全部使いますけどねー」
シルクは物騒なこと言いながら、笑顔で言う。そのまま、隣に座る。
でも言ってる事は正しい、もしもこれが、殺し合いなら俺も使えるものは全部使う。
「どうでしょうか?ヒントにはなりましたかね?」
「はい、むしろ答えなのでは?」
「むっふー!そこは気にしない!」
そうだ、これは殺し合いだ・・・俺はシルクさんを殺さなきゃいけない。
だけど、対象が対象でやりにくい。
だから、復讐の対象でもある、”アイツ”をシルクさんと置き換える。
黒い何かが蝕む、久しぶりの感覚。
今、目の前にいるのは、アイツ・・・シルクさん何かじゃない。
俺の復讐対象、殺害対象、殺人対象、抹殺対象、処刑対象。
殺す・・・殺す殺す殺すッ!絶対、殺さなければならない!
今なら油断してる。何処を狙えば、確実に殺せるのか?
人の反応速度の限界は0.2秒、それ以内に攻撃すれば、何処だって良いのか?
黒杉はズボンに隠してあった、短刀を取り出し、シルクの首に向けて短刀を振る。
しかし、隣に座っていたシルクは、その場に消えた。
「ウッヒャアア!今の惜しかったですね!」
「ッチィ・・・これも当たらなかったか」
「ですねー!ナイフどころか、よーくんから殺意が、ビンビンに反応しましたからね!」
そのまま、顔に目掛けて【石投げ】【ピンポイント】【ショット】のスキル発動させて、短刀を投げる。
音速を超える投擲物を、シルクは少ない動きで避ける。
「よーくん!さっきよりいい感じです!」
「ありがとうございます」
そうだ、使える物は全部使う、俺にはスキルがあるんだ何も、体一つで戦えなんて言っていない、というか、絶対に無理な話だ。
俺は修業したつもりで、強くなったつもりだ。
しかし、現実はそうでもない。
相手は"超人(ヒーロー)"で、俺は"村人"なんだから。
なら、そんな超人に上回る事は何か?
力か?
───違う。
魔力か?
───それも違う。
それともスピードか?
───どれも違う。
答えは全部”NO”しかなかった。
だが、俺が唯一、上回る事ができるのはすれば・・・そう"量"と"数"だ。
俺はアイリスに命令した。
「アイリス!地面を抉らないぐらいに!魔法をどんどん撃て!俺を巻き込まない程度でな!できるか?」
「了解・・・楽勝」
「え、え!?ちょっとまって!?」
シルクは動揺し始める。
「さっき、シルクさん言いましたよね。"殺し合いなら使えるものは全部使えるって"」
「た、たしかに言いましたけども・・・!わわ!?」
シルクに向って、無数の火球が飛んでくる。
アイリスの魔法だ。
今度は、奇妙な踊りから、プロ顔負けのブレイクダンスを踊り始める。
「・・・・クックック。」
「ヨウイチ・・・すごい悪い顔してる。【過炎】・・・」
アイリスは両手で、【高速執唱】を発動させて、魔術執印を速度をあげる。そして、シルクに向けて、【過炎】を連続発動する。
その間に、俺は【収納】から霊水取り出してを飲み、魔力が元に戻ることを確認する。
「あ!ずるいです!」
「うっせ!使えるものは全部使ってやるわ!!錬成錬成錬成ィ!!」
スキル【鍛冶】【錬成】で大量に短刀を作るが、形が歪んでいる。
それも仕方ない、ナイフの構造なんて知るわけが無いんだから。
その短刀を【収納】にありったけを詰め込む
おれは収納から取り出したは投げて、取り出しては投げる!
【ショット】【ピンポイント】【スローイングダガー】【石投げEX】を常時発動させて投げる。
「うおぉおおお!オラオラオラオラオラオラッ!!」
「ま、まって!むっひゃああああ!?」
シルクは、攻撃を避けたり捌いていくが、少しずつ追い詰められていく。
更に5時間後経過し、辺りにはナイフが散らばっている。
砕けたものがあれば、地面に刺さっているのもあった。
「くっそおおお!魔力お化けぇ!!!」
「よーくん!?僕はお化けじゃないですよ!?」
俺は魔力が切れて、霊水をまた飲み始める。
すると、軌光石から、ピロリンと音が鳴る。
───霊水を極限まで飲み続けたことによって、以下の能力を習得する。
・MP自動回復
───対象となった、全てのスキルが極限に達した為、以下のスキルが統一でき、新しいスキルが習得しました。
対象スキル:石投げEX、ショットEX、スロイーングダガーEX、ピンポントEX
・極限砲撃(マキシマム・キャノン)
・極限投擲(マキシマム・ショット)
新しいスキルか!好都合だ!そりゃあ・・・使うしかないよな!
「極限砲撃(マキシマム・キャノン)!」
黒杉はそこら辺に落ちている石を拾って、シルクに向って投げる。
その石が膨大なエネルギーに変化し、一直線の極太レーザーとなってシルクを襲う。
「ちょちょyとつおtっと!?そんなの聞いてない!」
「そりゃあ!!今覚えたからな!!!」
シルクは空中へと跳ぶ、黒杉はその隙を見逃さなかった。
今度は、短刀を取り出して投げる、その短刀は光の速さでシルクに飛んでくる。
「まだだ!極限投擲(マキシマム・ショット)!!」
「ぐうう・・・!?今度は光速!?ちょっと進化しすぎじゃないですかあ!?」
無数に飛んでくる、光速の刃が、一閃の光となって、視界を邪魔をする。
視界を確保しようと、シルクは体を捻って、辛うじて避ける。
しかし、気づけば、目の前には・・・黒杉が飛んでいた。
「そこだぁああ!!!」
「しまっ・・・!」
黒杉は、シルクの視界確保の行動を見逃さなかった。
そのまま、【跳躍】【加速】で、一気に距離を詰めて、シルクに触れようとする。
───残り5cm。
あと少し!
───残り4cm。
あと少し!!
───残り3cm
あともう少しで届くんだ!!!
───残り2㎝。
届けえええええええ!!
───残り1・・・。
あと少しのところで、突如、シルクが光り出す。
それと同時に、何かの衝撃で吹き飛ばされた。まるで、ダンプカーにぶち当たったように。
吹き飛ばされた黒杉は、そのまま壁に向かって、一直線に背中から叩きつけられた。
「むっふうー!流石に危なかったです!よーくんは成長が早すぎます!」
そこには変身した、シルクさんがいた。
「僕を変身させたのは、褒める所です!」
「ぐ、ぐう・・・・!!」
う、動けない・・・今までの疲労がここに来て、一気にきたか・・・。
「あ、無理はしないでください!多分先ほどの吹き飛ばされたダメージがでかいと思いますので・・・って聞いてまふか!?もし、もしもーし!!?」
シルクの声は届いていなかった。
ダメージが大き過ぎる。
ここまで頑張ったんだけど、振出しに戻ってしまった。
「ヨウイチ!」
アイリスか・・・しばらく寝かせてくれ・・・。
そうして、俺は何かに抱かれるように暖かい闇に落ちて気を失った。
今度は、シルクさんと修業する事になったのだが・・・。
「うぅーん!僕と鬼ごっこしましょう!」
「はい?」
背中のビシィっと効果音がなりそうなぐらいに伸ばし、シルクは準備体操を始める。
そのまま、シャドウボクシングを始める。
修業に、何か意味があるのか?
たしかに、成長スキルで素早さを上げるのに、問題はないけども、他にはなかったものだろうか?
「正直に言うと、僕が遊びたいだけですけどね!」
でしょうね!?
だって、そんな感じがしますからね!
「あ、でも!!よーくんには、ハンデはあげます!」
「ハンデ?」
そう言って、シルクは大剣を取り出す。
そのまま、立っている場所に、地面に円を描くように、大剣で削る。
綺麗に、描けたのか嬉しいのか、その場をぴょんぴょんと跳ねる。
「ウヒャアアア!見てください!綺麗に削れました!」
「お、おう、良かったですね」
褒められたことで、更に興奮し、胸を張って、自慢げに鼻息を鳴らす。
いや、確かに、綺麗に円状に削れてるけど、そこまで喜ぶことなのか?
そして、大剣を納めて、仁王立ちで、今回の修業という、遊びを説明しはじめる。
「僕は、この丸の中でしか動きません!あ、もちろん!よーくん達は、武器も投擲物も、何でも使っても良いですよ!」
「はい?本当に言ってますか?」
「もちろんですよ!後輩には優しくしろって、うーさんに言われてますからね!」
そう言って、自分の不利な条件ばかりを、次々と付け足していく。
他にも、「別に爆発させても良いですからね!ウヒャアア!芸術だああ!」とまで言う。
あの円の中で、どうやって避けるんだ。
「勝利条件は、僕にタッチしたら、勝ちでふ!」
「後悔しないでくださいね」
「むっふー!もちろんですよ!」
俺は【加速】【スピードアップ】を発動して、手を伸ばして、シルクさんを捕まえようとするが、その場からいなくなる。
「僕はここですよー」
いつの間にか、後ろに回り込まれる。
後ろを振り向くと、シルクは片足を、トントンと鳴らしながら待ってる。
「このッ・・・!」
ムキになって、掴もうとすると、またしても、その場から消える。
「な!?」
「むっふー!よーくんはまだまだですねぇ!」
いつの間にか後ろに回り込まれた。
今、思え返せば、あの時、助けてもらった時も、動きが全然見えなかった。
この範囲なら、すぐに捕まえられると思ったけど、簡単にはクリアできないようだ。
「い、いつのまに・・・」
「僕は移動しただけですよー」
「移動だと?アイリス魔力を使った形跡はあるか?」
瞬間移動の間違いじゃないのか?
アイリスに魔眼で調べてもらうと、すぐに返答が来る。
「ヨウイチ・・・シルクが言ってる事は本当・・・しいて言うなら魔力で身体能力を向上させてるだけ・・・」
アイリスはそう断言する。
シルクは、魔力で身体能力を上げただけだった。
「むっふふー、アイリスさん!流石ですね!その通りです!僕は魔力で身体能力を向上させてるのですよ!」
「魔素はつけないのか?」
「ダメですよ!?そんな事したら、よーくんがバラバラになって、死んじゃいます!!」
「はい!?」
シルクさんが言うには、魔素に纏ってる状態になると、魔素と魔素がぶつかり合って、その圧力によって、衝撃波が発生しやすくなるらしい。
つまり、さっきみたいに移動するだけで、弾け飛ぶとか・・・。
流石に、ここで死にたくないから、今まで通りにしてもらうことにした。
「むっふー!では!続けて行きましょうか!」
「わかりました」
その後、6時間程、鬼ごっこを続けたのだが・・・一度も捕まることはなかった。
「くっそー・・・!捕まんねぇ・・・!」
「まだまだですねー!」
既に、俺の魔力は空っぽで、捕まえるどころか、掠りもしない。
そして、シルクさんの魔力量が桁違い過ぎる。
あれだけ、鬼ごっこしても、息切れするどころか、疲れる様子もなく、その場でスクワットした後に、いつもの奇妙な踊りをしていた。
「僕は思うんですけどー」
「なんでしょうか?」
「せっかく、転職の加護があるのに、なぜ有効活用しないのでふか?」
変な踊りをしながら言われる。
シルクに、言われてから、初めて気づく。
ただ、捕まえることしたか、考えてなかった為、スキルも何も使っていなかったのだ。
「僕は、これが本当に殺し合いでしたら、使えるものは全部使いますけどねー」
シルクは物騒なこと言いながら、笑顔で言う。そのまま、隣に座る。
でも言ってる事は正しい、もしもこれが、殺し合いなら俺も使えるものは全部使う。
「どうでしょうか?ヒントにはなりましたかね?」
「はい、むしろ答えなのでは?」
「むっふー!そこは気にしない!」
そうだ、これは殺し合いだ・・・俺はシルクさんを殺さなきゃいけない。
だけど、対象が対象でやりにくい。
だから、復讐の対象でもある、”アイツ”をシルクさんと置き換える。
黒い何かが蝕む、久しぶりの感覚。
今、目の前にいるのは、アイツ・・・シルクさん何かじゃない。
俺の復讐対象、殺害対象、殺人対象、抹殺対象、処刑対象。
殺す・・・殺す殺す殺すッ!絶対、殺さなければならない!
今なら油断してる。何処を狙えば、確実に殺せるのか?
人の反応速度の限界は0.2秒、それ以内に攻撃すれば、何処だって良いのか?
黒杉はズボンに隠してあった、短刀を取り出し、シルクの首に向けて短刀を振る。
しかし、隣に座っていたシルクは、その場に消えた。
「ウッヒャアア!今の惜しかったですね!」
「ッチィ・・・これも当たらなかったか」
「ですねー!ナイフどころか、よーくんから殺意が、ビンビンに反応しましたからね!」
そのまま、顔に目掛けて【石投げ】【ピンポイント】【ショット】のスキル発動させて、短刀を投げる。
音速を超える投擲物を、シルクは少ない動きで避ける。
「よーくん!さっきよりいい感じです!」
「ありがとうございます」
そうだ、使える物は全部使う、俺にはスキルがあるんだ何も、体一つで戦えなんて言っていない、というか、絶対に無理な話だ。
俺は修業したつもりで、強くなったつもりだ。
しかし、現実はそうでもない。
相手は"超人(ヒーロー)"で、俺は"村人"なんだから。
なら、そんな超人に上回る事は何か?
力か?
───違う。
魔力か?
───それも違う。
それともスピードか?
───どれも違う。
答えは全部”NO”しかなかった。
だが、俺が唯一、上回る事ができるのはすれば・・・そう"量"と"数"だ。
俺はアイリスに命令した。
「アイリス!地面を抉らないぐらいに!魔法をどんどん撃て!俺を巻き込まない程度でな!できるか?」
「了解・・・楽勝」
「え、え!?ちょっとまって!?」
シルクは動揺し始める。
「さっき、シルクさん言いましたよね。"殺し合いなら使えるものは全部使えるって"」
「た、たしかに言いましたけども・・・!わわ!?」
シルクに向って、無数の火球が飛んでくる。
アイリスの魔法だ。
今度は、奇妙な踊りから、プロ顔負けのブレイクダンスを踊り始める。
「・・・・クックック。」
「ヨウイチ・・・すごい悪い顔してる。【過炎】・・・」
アイリスは両手で、【高速執唱】を発動させて、魔術執印を速度をあげる。そして、シルクに向けて、【過炎】を連続発動する。
その間に、俺は【収納】から霊水取り出してを飲み、魔力が元に戻ることを確認する。
「あ!ずるいです!」
「うっせ!使えるものは全部使ってやるわ!!錬成錬成錬成ィ!!」
スキル【鍛冶】【錬成】で大量に短刀を作るが、形が歪んでいる。
それも仕方ない、ナイフの構造なんて知るわけが無いんだから。
その短刀を【収納】にありったけを詰め込む
おれは収納から取り出したは投げて、取り出しては投げる!
【ショット】【ピンポイント】【スローイングダガー】【石投げEX】を常時発動させて投げる。
「うおぉおおお!オラオラオラオラオラオラッ!!」
「ま、まって!むっひゃああああ!?」
シルクは、攻撃を避けたり捌いていくが、少しずつ追い詰められていく。
更に5時間後経過し、辺りにはナイフが散らばっている。
砕けたものがあれば、地面に刺さっているのもあった。
「くっそおおお!魔力お化けぇ!!!」
「よーくん!?僕はお化けじゃないですよ!?」
俺は魔力が切れて、霊水をまた飲み始める。
すると、軌光石から、ピロリンと音が鳴る。
───霊水を極限まで飲み続けたことによって、以下の能力を習得する。
・MP自動回復
───対象となった、全てのスキルが極限に達した為、以下のスキルが統一でき、新しいスキルが習得しました。
対象スキル:石投げEX、ショットEX、スロイーングダガーEX、ピンポントEX
・極限砲撃(マキシマム・キャノン)
・極限投擲(マキシマム・ショット)
新しいスキルか!好都合だ!そりゃあ・・・使うしかないよな!
「極限砲撃(マキシマム・キャノン)!」
黒杉はそこら辺に落ちている石を拾って、シルクに向って投げる。
その石が膨大なエネルギーに変化し、一直線の極太レーザーとなってシルクを襲う。
「ちょちょyとつおtっと!?そんなの聞いてない!」
「そりゃあ!!今覚えたからな!!!」
シルクは空中へと跳ぶ、黒杉はその隙を見逃さなかった。
今度は、短刀を取り出して投げる、その短刀は光の速さでシルクに飛んでくる。
「まだだ!極限投擲(マキシマム・ショット)!!」
「ぐうう・・・!?今度は光速!?ちょっと進化しすぎじゃないですかあ!?」
無数に飛んでくる、光速の刃が、一閃の光となって、視界を邪魔をする。
視界を確保しようと、シルクは体を捻って、辛うじて避ける。
しかし、気づけば、目の前には・・・黒杉が飛んでいた。
「そこだぁああ!!!」
「しまっ・・・!」
黒杉は、シルクの視界確保の行動を見逃さなかった。
そのまま、【跳躍】【加速】で、一気に距離を詰めて、シルクに触れようとする。
───残り5cm。
あと少し!
───残り4cm。
あと少し!!
───残り3cm
あともう少しで届くんだ!!!
───残り2㎝。
届けえええええええ!!
───残り1・・・。
あと少しのところで、突如、シルクが光り出す。
それと同時に、何かの衝撃で吹き飛ばされた。まるで、ダンプカーにぶち当たったように。
吹き飛ばされた黒杉は、そのまま壁に向かって、一直線に背中から叩きつけられた。
「むっふうー!流石に危なかったです!よーくんは成長が早すぎます!」
そこには変身した、シルクさんがいた。
「僕を変身させたのは、褒める所です!」
「ぐ、ぐう・・・・!!」
う、動けない・・・今までの疲労がここに来て、一気にきたか・・・。
「あ、無理はしないでください!多分先ほどの吹き飛ばされたダメージがでかいと思いますので・・・って聞いてまふか!?もし、もしもーし!!?」
シルクの声は届いていなかった。
ダメージが大き過ぎる。
ここまで頑張ったんだけど、振出しに戻ってしまった。
「ヨウイチ!」
アイリスか・・・しばらく寝かせてくれ・・・。
そうして、俺は何かに抱かれるように暖かい闇に落ちて気を失った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる