初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

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改稿シリーズ・第一章

第23話 激突!VSシルク!(上)の話

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訓練所のど真ん中に、変身姿のシルクが構える。

「さあ、やりますよ!!・・・むむっ!?」

シルクは、クレナに気づいたようだ。
怖がらせないようにか、変身を解いて歩いて近づく。
クレナの前まで行くと、笑顔で向かい入れるように、自己紹介を始めた。

「初めまして!僕はシルクって言います!」
「は、はじめまして・・・」

そう言うと、手を差し出して、握手をしようする。
シルクさんは相変わらず、フレンドリーな方だ。
クレナは、それを応じるように、渋々握り返すと、何かに驚いたような表情をして、猫耳帽子をぴこぴこと、高速で動く。
そして、いつも通りに「ウヒャアアア!?」と叫びながら、俺の顔を見て話しかける。

「こ、この子は何者なんですか!?」
「俺の武器なんだが・・・」
「えぇ!?」

シルクの問いに、ストレートに答えた。
勿論、シルクは驚いてた、武器に変身する人間なんていないからな。
シルクは怒った様子で、俺を見つめる。

「こ、こんな、少女に戦わせるんですか!?」
「はい?」

何か勘違いしてるようだ。
いや、俺がストレートに伝え過ぎたってのもあるかもしれないが・・・。
俺は誤解を解く為に詳しく話す。

「シ、シルクさん!待ってなんか誤解していないか!?」
「ご、誤解ってなんですか!」
「取り合えず、これを見てくれ!クレナ!」

クレナは頷いて、徐々に人の形から黒い短刀に変化する。
そのまま、手に吸い込まれるように、短刀を持つ。
それを目の前で見たシルクは、興奮と驚きが隠せないようだ。
目を輝かせながら、短刀状態のクレナを、まじまじと見つめる。

「うひゃー!!よーくん!これなんですか!?クレナさんが短刀になりました!?どうなってるんですか!?しかも、この黒いフォルム・・・すごいかっこいいじゃないですか!うひゃあああ!!」

シルクは、ぴょんぴょん跳ねる。よく分かってらっしゃる。
どうやら、シルクさんも同じロマンを感じる者同士のようだ。

クレナは恥ずかしくなったのか、人間の姿に戻る。
そのまま、俺の背中の後ろに隠れた。意外と、人見知りなんだな。

シルクは隠れるクレナを見て、猫耳帽子の耳が落ち込むようにペタリと下がった。
だから、どうなってんだ、その帽子は・・・。

「あう、ごめんなさい・・・!でも、クレナさんと仲良くなりたくて!」
「・・・本当?」

シルクが伝えると、クレナは安心して出てくる。
クレナが、隣に移動した後、シルクはいつも通りの口調で話し始める。

「しかし、すごいですね!クレナさんを触った時にピリピリと痺れるような感じがしました!見た目は少女だったので、びっくりしましたけど!」
「だから、驚いていたのか」
「はい!膨大な魔力を感じましたので、びっくりしました!武器だと分かれば納得ですね!」

シルクは、クレナの膨大なエネルギーを感じて驚いたようだった。
たしかに、伝説級の武器なんだけどさ、俺には普通の少女で、魔力も感じなかった。
シルクの能力であろうか?それとも強者だから分かる事かもしれない。
考えているとシルクは変身状態に戻った。

「変身!キャットうーにゃん!」
「「おー!!」」

アイリスとクレナは拍手する。それに照れるシルク。
何とも微笑ましい光景であった。

シルクは決めポーズをしたあと、連続後転飛びした後に、最後に大きく跳んで、バク宙して身体を捻り、円の中に着地し、再び決めポーズをする。
まるで、頭に思い描いた、スタイリッシュにそのまま、具現化させた物だった。
・・・・っく!かっこいい!!

「さあ!自己紹介が終わりました!始めましょう!よーくんが、どれぐらい強くなったのか、僕が見て上げます!」」

そう言うと、シルクは準備運動しながら、待っている。
俺は、クレナに武器状態になるように言う。
そして、短刀を持って、シルクに突っ込む。

「余裕でいられるのは、今のうちですからね!」
「お!僕に近接に挑むんですね!良いでしょう、受けて立ちます!」

シルクは構えた、俺はスキルを発動する。

「前の俺だと思わないください!『残影』!!」
「なんですとお!?僕が知ってる残影と違う!?」

この一週間、今まで使ってない、魔法以外のスキルを試し、使ってみた。
何故なら、【村人(無能力)】である俺は、【超人(ヒーロー)】のシルクさんに、身体能力には絶対に、勝てないからだ。
だから、勝っている物があるとすれば、それは"技術(スキル)"の量だ。
シルクさんは、そこまで覚えているスキルがあまり無い。相手が質なら、こっちは物量で勝負ってなわけだ。
そして、この一週間の間、俺は大量のスキルを調べて、シルクさん相手に通用しそうなものを厳選して、それを重点的にスキル熟練度を最大にして、開花させた。

そのうちの一つの初級スキルの『残影・EX』を発動させる。
残影は、自分の幻影を見せるスキルだ。本来は1体までの筈だが、極限状態になった事で、4体まで増やすことが、できるようになった。
しかし、あくまで幻影であって、物体があるわけじゃないので、代わりに攻撃することは出来ない。
つまり、相手を惑わすだけのスキルだ。
それでも効果はある、現にシルクさんの戸惑っているのだから。

黒杉は、戸惑っている、シルクを隙を見て、後ろに回り込んだ。

「もらった!!」
「あまいです!!」

それでも、あと少しの所で、シルクは捕まらない。
すぐに察知して、まっすぐ伸びる腕を掴み、その勢いをつかって、空中で片手側転したあとに、翻す。
そして、今まで以上に、尋常じゃない速度で動いてる為、捕まれた腕は、一瞬だったため、触ろうとした時には、既にその場にはいなかった。

「ウッヒャアア!!よーくん!やっぱり面白いですね!少し見ない間に、強くなってます!」
「別に、本人自体は強くなってる訳じゃないですけどね!」

俺のステータスは前の戦闘から、あまり変わっていない。強いて言えば、MPが少し増えたぐらい。
その代わり、スキルや武器など、色々手に入れたのだ。
シルクが、円の少し端っこ側に寄った所で、アイリスに合図をする。

「アイリス!今だ!」
「まかせて・・・!」

アイリスは走って向う、ページの一枚を切り取って。
上に向って投げると、その瞬間に紙からシルクに向って整えられた炎が、勢いよく一直線に飛ぶ。

「・・・【炎ノ砲(イン・メディアーテ・フラン・デ・シェリン)】」
「ちょちょちょちょ!?」

シルクは間一髪避ける、腕の所が少し焦げてた。
しかし、焦げた部分はすぐに再生した。
あのパワードスーツは再生機能もついているようだ。

「あ、あぶなかったぁ・・・!?何さりげなく無詠唱で魔法使っているんですか!?」
「私の新しい・・・、武器・・・ハグレに貰った。」
「ちょっとハグレさぁん!?」

しかし、この場にはハグレはいないのだった。
シルクは嘆くも避け続ける。
そうしていると、アイリスは三枚の紙を持って空中に投げ、次々と炎を飛ばす。
そして、黒杉は次に現れる場所を予測してシルクさんを待ち伏せする。
目の前に現れた、その瞬間を見逃さなかった。
手を伸ばし、シルクさんを触れる。

「よし!!・・・って、あれ?」

だが、シルクさんの体はすり抜ける。
俺は何が起こったのか分からなかった。
しかし、後ろを振り向くとシルクさんがいた、触れようとすると、ほんの僅か、光ったような気がした。
そして、目の前にいるのに触れられない。どういうことだ?
すると、今度は後ろに声が聞こえる。

「よーくん!こっちですよ!」

シルクの声に気づいたら、目の前にいるシルクはゆらりと消えた。
シルクは無い胸を張って、話はじめた。

「よーくん!残影を見て思いつきました!残像です!!えっへん!」

俺は戸惑うしかなかった、何故なら"スキル"なんて使っていなかったからだ。
そして、考える。なぜ、残影・・・いや、残像を。
だが、残念ながら、理系じゃないから、分からない。ただ一つ分かるとしたら。

シルクさんは、戦いの中で、無意識で残像の原理を理解した。その証拠が、触れようとした時に、今まで、身体が光ってないのに、急に発光したのだから。

改めて、デカい壁にぶつかっていることに、思い知らされる。
なぜなら、ステータスや身体能力もあるが、無意識で開発する【模倣技能】。
そして、直感で行われる"戦闘美学(バトルセンス)"だということを思い知らされる。

そして、俺は立ち上がる。
まだ"切り札"は沢山あるんだ。
それを全て使い切る前に終わらせなければならない。

そして、黒杉は黒姫ノ紅を握ったまま、シルクに再度攻撃を仕掛ける。
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