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改稿シリーズ・第一章

第29話 料理がさらに美味しくなりましたと腐っても剣聖だった。の話

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あれから、一週間が経ち、俺とクレナは何とかあの規格外悪魔3姉妹から逃れる事ができた。
この訓練所に1週間分かったこと。
このフィールドには、森、湖、谷、砂漠の五つの地域がある、
一体、どうやって作っているんだか・・・。

そして、この自給自足の訓練のステージに、普通に毒キノコとか生えていた。
千里眼を使うまで、分からず、クレナがそこらへんに落ちているキノコを食べようとしたから、慌てて止めたのが思い出だ。
そこら辺に普通に、ワライダケ、マヒダケとかその他諸々と落ちてんぞ・・・。

次に、野生の魔物や動物もいる。
魔物は色々が、英雄級の魔物が何体か存在している
その中で、ヤバイやつがいてだな。

「ギャオオオオオオオオオ!!!!」

そこには、翼が蒼く燃え、空高く飛ぶ漆黒の竜だった。
どうやって、隔離してんだ・・・。
明らかに、相手にしてはいけない魔物だと分かる。

この地下室はいったいどうなっているんだか、ホログラムだと思うんだけど、太陽と月とか妙にリアル過ぎる。
そして、他にも山の頂上には、お寺らしきものが見える。
千里眼で見ようとすれば、眼に激痛が走る。
その時、一瞬だけ、化け狐みたいなものが見えた。
あそこだけは、絶対に近づいてはならないと、一瞬分かった。

かくして、俺はこの環境下の中で、スキルが成長して、新しいスキル覚えた。


───対象となった、全てのスキルが極限に達した為、以下のスキルが統一されて、新しいスキルが習得しました。

対象のスキル:釣りEX、料理EX、木こりEX、鍛冶EX

『万能』
・家事スキルが大幅強化
・料理を作るとしばらくバフ効果が付きます。
・鍛冶能力で作った、武器のバフ効果が付きます。
・釣った魚は質が良くなります。
・伐採した木の質が良くなります。
・掘られた鉱石の質が良くなります。

バフ効果が付くのか、キノコ炒めを作って食べてみる。
すると、体の奥の方から力が湧いてきた。


一方、クレナはというと。

「ヨウイチの料理がさらに美味しくなるの!?やったあ!!」

どうやら、森の恵みで作った料理はクレナは気に入ってくれたようで、体が小さい割にものすごい量を食べてる。
アイリスと同じ、大食いのようだ。そもそも、武器にご飯は必要なのか?いや、必要はないけど、アイリスみたいに食事は娯楽みたいなものなんだろう。

「ご主人様!お代わり!」
「は?もうないぞ?というか、結構の量あったんだけど、もう食ったのか?」
「えー・・・じゃあ、我慢する」

明らかに、10人前の量を、クレナは一人で全部食べてしまう。
このまま食べさせ続けると、森の生態系が崩れてしまいそうだから、今度から適量にあげることにした。
この盛りに様々な薬草に、新しいスキルにバフ効果で付くなら、ある事を思いついた。
俺は久しぶりに転職して、『薬剤師』の初期スキルを覚えた。

薬剤師に転職した為、以下のスキルを覚えました。
・『調合』『薬草』

俺は早速、3姉妹に見つかりにくい所を探し、実験に取り掛かる
運が良く、滝の裏には洞窟があり、その中で、丸一週間を費やし、調合と薬草の練度を最大限にした。

「できた・・・」

そう言って、平の岩に、赤とか青など、玉が置かれていた。
その正体は、丸薬。
今回、作ったのは、自分のステータスを、一時的に上げる丸薬だ。
ここの世界の薬剤師は回復と病気と状態異常を直す為の存在であり、普通の薬剤師ではバフ効果がある薬は作れないのだ。
勿論、例外はいるらしいが、そんなの世界に手に数えるられるぐらいの人ぐらいしか、いないとのこと。
フヴェルングはその一人がいるらしい。

「たしか、アバダギさんだっけな・・・人は見た目によらないと、いいますか・・・」

彼は研究者でもあるが、様々な薬を作っているらしい、若返り薬もあるとか、なんとか。
結局、バフ効果がある、薬が売られても高額で、とても手に付けられないらしい。

「さて、試しに・・・」

ステータスの低い自分にはにはありがたい物だった、実際に服用してみる事にした。
すると、あの時と同じ体から力が漲るようだった。

「成功だ・・・!」

効果は10分程度
初めて作った物にしては上出来だった。
今回作ったものは、赤、青、黄、緑、白の5種類。
赤は攻撃、青は防御、黄色は素早さ、緑はHP回復、白がMP回復
丸薬にした事によって、一口サイズになり、食べれば強化ができるのありがたい。
ただし、服用しすぎると体に負担掛かる。気を付けて服用するには変わりなかった。

「さて・・・」

─────ドゴォオオオオオ!!

立ち上がろうとした時だった。
洞窟の外から、爆発音が聞こえた。
俺は、振り向くとパラパラと舞う砂煙から、一人の少女の姿あった。
砂煙は止み、そこには紅嘉がいた。
紅嘉は口角を揚げて、ニタニタとしながら言う。

「みぃーつけたー」

口から煙をフシューと音を出し、飢えた獣のような、眼と歯がぎらつく。
気のせいだが、一瞬だけ、こっちを見た時、眼が光ったような気がする。
ハッキリ言って、その顔は怖いぞ。
さっそく作ったばかりの、赤い丸薬と青い丸薬を齧り、身体強化を向上させる。
紅嘉の眉がぴくりと動き、何かに気づく。

「うん?今なにしたんだ?お前一気に力が漲ってないか?」
「魔力感知できないのにわかるのか?」
「いや、魔力というよりもっと別の何かじゃないか?わからないけど」

そう言って、右手に紅嘉と同じぐらいの大きさの大剣、左手に歪なナイフを持って近づいてくる。
大剣は普通そうなんだが、あのナイフは絶対に当たってはいけないような気がする。それに一度刺されたら、肉に食い込んで、中々抜けなさそうな見た目をしている。
そして、紅嘉がちゃんとした剣を持った所を初めて見た気がする。すると、大剣を担ぐように少しずつ近づいてくる。

「オレは一週間ずーっと、探してて、飽きてた所なんだ。だから、簡単にくたばるなよ!!!」
「早いッ!?」

そのまま、歩くのをやめて、一直線に走ってくる。
右手の大剣で地面を削り、火花が散らし、溝ができる。
シルクさん程ではないが、紅嘉も十分早かった。

「クレナッ!!!」
「あいよッ!!」

紅嘉は右手に剣で俺を叩き切ろうとする。だが、クレナの名前を呼んで、右手に吸い込まれるように短刀状態のクレナを持つ、そのまま、正面からくる紅嘉の攻撃を受け止める。
しかし、紅嘉の攻撃が続く、左手の歪なナイフで、俺の左腕を刺す。

「いってえええええええ!!?これ絶対に骨までいってんだけど!?」
「ヒャッハアアア!滾る滾るぜえええ!!!血を絶ち、肉を断つぜええ!!」
「それを言うなら、肉を切らせて骨を断つだろうが!!!」

俺の左腕が熱くなっていくのが分かる。
次第にガードする腕が弱まっていくのが分かる。
俺は後退して、収納から短刀を投げたが、そのナイフを剣で全て"斬った"のだ。

「なに!?」
「どうした、どうした!そんなものかぁ!」

荒々しく、振ってるように見えるが、そこらへんに半分に切れているナイフをみると、全て均等に切られているのがわかる。
流石、腐っても剣聖だというのが分かる。。
そして、攻撃してこないシルクさんと違って、相手は本気で殺しかかってきてる。
俺はシルクさんの言葉を思い出しながら、戦う決意をする。

そう、今回の相手は"殺し"に来てるんだと。

―――――――――――
【黒杉 陽一】
職業 村人
LV30
HP3000
MP5000
SP2700

攻撃 700
防御 500
魔力 4000
精神 2700
素早さ 600
器用さ 3000
運  15

・「極限砲撃(マキシマム・キャノン)」
・「極限投擲(マキシマム・ショット)」
・「探求の千里眼」
・「万能」
「収納・EX」・「錬成・EX」・「調合」・「薬草」
「十文字切り」、「スラッシュ」、「跳躍」、「改竄」
「連打撃」、「乱舞」、「ヒール」、「シールドバッシュ」、「ガード・アップ」
「剛力」、「金剛」、「加速」
「一刀両断」、「残影」、「魔力感知」
初級魔法・炎、水、火、雷、土、風、闇、光
初級呪術「呪」「恨」「影」

『黒姫ノ紅』装備時
・黒姫ノ炎
・黒姫ノ刃
・黒姫ノ罪
・黒姫『蒼炎ノ刻』
・黒姫ノ影
・黒姫ノ契

パッシブ
成長・Ⅱ
転職の加護
自動回復・Ⅰ
MP自動回復・Ⅰ
千手(せんじゅ)
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