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記憶の森
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『…!』ハッ!また同じ夢…何なのかしらこの夢…喉乾いちゃった「ねぇ…誰か!誰もいないの?」…変なのリアルに誰もいないの?まさかね…ジリリリ…「!?」ジリリリ…ジリリリ…やだどうしよう…誰?「…はい…?」ゾクッ…真っ黒な死神「あの…今、家の者が誰も…」「…構わないよ、僕が会いたかったのは朝吹茅弥、君だから」どうして私の名前…「他に用はない」「ちょっ…待って!!」鈴の…音?「…あなたは…誰なの…!?」「賢木志季」どうしよう…家にあげたりして良かったのかしら「あの…」「人の気配がしない…こんなに大きな屋敷なのになんだか不思議だね」何…?この人に言われるとなんだか気味が悪い「今たまたま人がいないだけで…」「そうかな?僕にはもう誰もいないように感じられるんだけど…誰一人もういないように…みな死に絶えたように…例えばもうとっくにみな死んでしまってるとしたら?」「何を…言ってるの?」「確かめてくればいいよ…自分の目で」ゾクッ…バンッ!「誰か!…いやあっ!!」何…!?どゆこと!?チリ…「!?」ダッ!(こわたん…何なのあの人!?)バンッ!「あ…お母様!ねぇ…大変なの…!イヤアッ!!」(嘘!これがお母様な訳がないわ!!)「…まだこれで全部じゃないよ」(志季!)「まだ見なくちゃならないものがある」「何…言ってるのよ…!」「書斎へ行けば分かる」書斎…(お父様!?)キイッ…夢だ…悪い夢!誰かが私に見せてる幻…誰かが私に…チリ…「!?」体の力が…ガクッ…ドンッ!「…茅弥!茅弥!」何故…名前を呼ぶの?何故…名前を呼ばれただけで捕らえられた気持ちになるの「…」「私を…殺すんじゃないの?」賢…木?「違う…助けに来た」助けに…?「あなた…誰なの?」「僕はこの悪夢を終わらせにここに来た」「リアルに…終わるの…?」「終わらせるよ」…あなたが誰でもいいなんでもいい「昔、この辺りで事件があったの知ってる?」「知らない…」「洋館で起こった事件なんだ…ちょうどここみてぇな感じのね…その家の一人娘の誕生日に事件は起こった」すうっ…何?「手配中の強盗達が迷い混んできて…顔を見られたと言う理由だけでその屋敷の人間一人残らず殺された」いけない…この先は思い出しては「…やめて…」「君も殺された」「いやーッ!!子供の頃祖父に何度も聞かされた」『とても美しいお嬢さんだったんだが可哀想に…あの洋館には行ってはならんぞ志季!お前には見えてしまうだろうから…今もあの地に残る美しさと恐ろしさが…』「だけど僕は気になって…」『…なんだか同じところを回ってる希ガス…』ザッ!『今はここに来ても夢しか見えないわ…もう一度来れば今度は現実に会える…大丈夫…無くならないわ…じゃあ』「だからここに来たんだ…そしたら今も美しいままの君がいた…もう眠っても大丈夫…怖い夢は見ないから…」グラッ「お願い…消さないで!私生きてぇ!」「ここにはもう君の居場所はないんだよ」「…あるわ!あなたが私を想ってくれれば…考えてくれればそれが私の居場所よ!」「このままここにいれば苦しいだけなんだ…眠るのと同じだから…怖くないから」「…私…寂しいの…苦しい…こわたん…」悲しみが時を止めた場所で一人ぼっちだった君…これだけが君のために出来ること…「…」寂しいの苦しい…霊を鎮めるのは初めてじゃないのにかのぴっぴを悪夢から救いたかった…だからそうした…なのにどうしてこんな気分になる?「…茅弥…」スッ…チリ…「…志季…」コトッ「私の居場所」「…知ってたよ…」待ってたあなたを記憶の森で
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