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アホな飼い主とアホなインコのエピソード
フォーミュラーに懺悔その2
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インコが食べることの出来る形状を呈していない、インコの餌なんて、レストランの入り口の食えないサンプルといっしょじゃねぇか!と私は毒づいた(重ねて言っておくが、これは全部私の勘違いである)。
確かに品質的には、今までなかった優秀なものであることが伺われるだけに、宝の持ち腐れのような商品に仕上げたメーカーに私は文句を言わねばならぬという、意味不明の任務を遂行する気分になっていたのである。
いや、文句言うだけではだめだ、メーカーが動かざるを得ないだけのものを、つきつけてねばならない!
私はフォーミュラーをいんこの食える形にしてみせる!といきなり決意したのである。
サンプルをただでもらっておいて、勘違いのあげく斜め上の思考でぶっちぎった自分が怖いw。しかし暴走は止まらない。
フォーミュラーの粉を抱え、私の視線は何も知らず遊びまくっているセキセイインコ達をガシッと捉え、つぶやい
た。
「実験台確保……(ニヤリ)」
とりあえず。メーカーの言うとおり、やってみようではないか。
飲み水にいれて、メ―カーの説明を反証しようと私は考えた。結果は、ほぼ予想通りであった。フォーミュラーは
30分で沈殿してしまった。
あげくに、この水で平気で水浴び始めるインコまでいて、ここまで予想が的中するとは流石、私ってインコをよくわかっている飼い主じゃんと自画自賛。
ただ1つ、予想外だったのは、水浴びがまったく通常と変わらず行われ、気持ちよさそうにインコが毛繕いを始めたことだ。
「毛繕いでフォーミュラー摂取してるかもしれない」
するどい?観察眼で分析するも、何か違う、と私は思わずにいられなかった。
飲み水に不本意な状態でつっこまれ、あげく水浴びまでされたかわいそうなフォーミュラーが、不満を口に出来ず、捨てられた……。
この、いんこのえさに欠けているものは何だろう? それは、食感に他ならぬ。
いんこを見てみろ。えさを パリポリゆわせながら食べている様ほど幸せそうな時はないではないか。
そうだ、えさはパリポリゆわねばならぬのだ!パリポリゆうものといえば……そうだっ!煎餅だっ!
フォーミュラー煎餅を作るのだっ!この時、私の頭に南部煎餅+水あめの組み合わせがこびりついていたのだ、と思う。
フォーミュラー粉を煎餅状態にする「つなぎ」に蜂蜜を使おう、などと思いついたのは絶対その影響だな。
完全バランス栄養食に蜂蜜を足して何の意味があるというのか?
というより。バランスしているものに食材を加えて、わざわざバランスを崩している冒涜的行為でさえある。
が。思い込んだらつきすすむべし、べしっ、べしっ!!
煎餅にされるべく、次のフォーミュラーの犠牲粉がボウルにそそがれ、蜂蜜をぶっこまれ捏ね上げられていった。
蜂蜜の黄色さが、もともと精製されてない片栗粉のようなフォーミュラーの色と混ざり合い、なんともまずそうに練りあがった。
さすがの私も一瞬、手がとまりそうになったが、きっと鳥と人間じゃ味覚に対する認識は違うのだから、問題
ない、と決めつけた。
既に、この時点で、食えない粉餌作ったと腹をたてまくったメーカーと同じレベルになってることに私は気づいてないアホである。
練りあがったフォーミュラーは煎餅の形にひらぺったくされ、乾けば出来あがり。
こうして(何の根拠もないが)自信作蜂蜜入りフォーミュラー煎餅(見た目:不味そう付き)が、インコ達にお披露目された。
しかし。食べ物の認識さえされず、インコたちに拒否られて、蜂蜜入りフォーミュラーは廃棄された。
実験に失敗はつきものである。粉まみれになって私は考えた。そうだ、敗因はきっと蜂蜜だ、と私は分析した。
バランス栄養食なんだから、シンプルに行けばいいのだと、ようやく思い至ったんである。
というわけで、つなぎを水に変更し、「フォーミュラー煎餅シンプル イズ ベスト」が完成。
早速、インコ達にふるまわれた。
が。やっぱり敗北。「フォーミュラー煎餅シンプル イズ ベスト」も廃棄された。
私の分析は続いた。もしかして、煎餅という発想自体が間違っていたのかも知れない。
そういえば、インコの食べている餌って粒粒だよね、つまり形状が、食べ物としての認知度が高まる要因かもしれない。
そうかっ! 餌は粒粒に限るのだっ! わはは、当たり前じゃん。やはり基本に忠実にいかなくてはね
さっそく粒粒にしてみよう。
ん? んんん? フォーミュラーが、足りない?
もともと、意味不明な粉餌という認識しか私はフォーミュラーに持ってなかったわけで。
しかもサンプル、ということでタダの代物なわけで。
私の中に、フォーミュラーがもったいない、とか ありがたいとか、そういう感情が一切芽生えていなかったのは事実だ。1Kgももらってきたフォーミュラーはあっという間に底をついてしまったのであった。
今考えるともったいなさすぎて、当時の自分に怒鳴りこみたい気分だ。
確かに品質的には、今までなかった優秀なものであることが伺われるだけに、宝の持ち腐れのような商品に仕上げたメーカーに私は文句を言わねばならぬという、意味不明の任務を遂行する気分になっていたのである。
いや、文句言うだけではだめだ、メーカーが動かざるを得ないだけのものを、つきつけてねばならない!
私はフォーミュラーをいんこの食える形にしてみせる!といきなり決意したのである。
サンプルをただでもらっておいて、勘違いのあげく斜め上の思考でぶっちぎった自分が怖いw。しかし暴走は止まらない。
フォーミュラーの粉を抱え、私の視線は何も知らず遊びまくっているセキセイインコ達をガシッと捉え、つぶやい
た。
「実験台確保……(ニヤリ)」
とりあえず。メーカーの言うとおり、やってみようではないか。
飲み水にいれて、メ―カーの説明を反証しようと私は考えた。結果は、ほぼ予想通りであった。フォーミュラーは
30分で沈殿してしまった。
あげくに、この水で平気で水浴び始めるインコまでいて、ここまで予想が的中するとは流石、私ってインコをよくわかっている飼い主じゃんと自画自賛。
ただ1つ、予想外だったのは、水浴びがまったく通常と変わらず行われ、気持ちよさそうにインコが毛繕いを始めたことだ。
「毛繕いでフォーミュラー摂取してるかもしれない」
するどい?観察眼で分析するも、何か違う、と私は思わずにいられなかった。
飲み水に不本意な状態でつっこまれ、あげく水浴びまでされたかわいそうなフォーミュラーが、不満を口に出来ず、捨てられた……。
この、いんこのえさに欠けているものは何だろう? それは、食感に他ならぬ。
いんこを見てみろ。えさを パリポリゆわせながら食べている様ほど幸せそうな時はないではないか。
そうだ、えさはパリポリゆわねばならぬのだ!パリポリゆうものといえば……そうだっ!煎餅だっ!
フォーミュラー煎餅を作るのだっ!この時、私の頭に南部煎餅+水あめの組み合わせがこびりついていたのだ、と思う。
フォーミュラー粉を煎餅状態にする「つなぎ」に蜂蜜を使おう、などと思いついたのは絶対その影響だな。
完全バランス栄養食に蜂蜜を足して何の意味があるというのか?
というより。バランスしているものに食材を加えて、わざわざバランスを崩している冒涜的行為でさえある。
が。思い込んだらつきすすむべし、べしっ、べしっ!!
煎餅にされるべく、次のフォーミュラーの犠牲粉がボウルにそそがれ、蜂蜜をぶっこまれ捏ね上げられていった。
蜂蜜の黄色さが、もともと精製されてない片栗粉のようなフォーミュラーの色と混ざり合い、なんともまずそうに練りあがった。
さすがの私も一瞬、手がとまりそうになったが、きっと鳥と人間じゃ味覚に対する認識は違うのだから、問題
ない、と決めつけた。
既に、この時点で、食えない粉餌作ったと腹をたてまくったメーカーと同じレベルになってることに私は気づいてないアホである。
練りあがったフォーミュラーは煎餅の形にひらぺったくされ、乾けば出来あがり。
こうして(何の根拠もないが)自信作蜂蜜入りフォーミュラー煎餅(見た目:不味そう付き)が、インコ達にお披露目された。
しかし。食べ物の認識さえされず、インコたちに拒否られて、蜂蜜入りフォーミュラーは廃棄された。
実験に失敗はつきものである。粉まみれになって私は考えた。そうだ、敗因はきっと蜂蜜だ、と私は分析した。
バランス栄養食なんだから、シンプルに行けばいいのだと、ようやく思い至ったんである。
というわけで、つなぎを水に変更し、「フォーミュラー煎餅シンプル イズ ベスト」が完成。
早速、インコ達にふるまわれた。
が。やっぱり敗北。「フォーミュラー煎餅シンプル イズ ベスト」も廃棄された。
私の分析は続いた。もしかして、煎餅という発想自体が間違っていたのかも知れない。
そういえば、インコの食べている餌って粒粒だよね、つまり形状が、食べ物としての認知度が高まる要因かもしれない。
そうかっ! 餌は粒粒に限るのだっ! わはは、当たり前じゃん。やはり基本に忠実にいかなくてはね
さっそく粒粒にしてみよう。
ん? んんん? フォーミュラーが、足りない?
もともと、意味不明な粉餌という認識しか私はフォーミュラーに持ってなかったわけで。
しかもサンプル、ということでタダの代物なわけで。
私の中に、フォーミュラーがもったいない、とか ありがたいとか、そういう感情が一切芽生えていなかったのは事実だ。1Kgももらってきたフォーミュラーはあっという間に底をついてしまったのであった。
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