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七話 仲良きことは美しき哉
三 挿し絵あり
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「ココロちゃーん!」
凛々華が住むマンションの近くの公園。そこがいつも遊ぶ公園で待ち合わせの定番場所となっている。
既に凛々華は到着していたようで、ベンチに座って手を振っている。ココロも手を振り返してベンチの前へやって来る。
「おまたせ」
「えへへ、たのしみで早く来ちゃったの」
そう言って無邪気に笑う凛々華。そばかすのある顔に自然な笑い皺が刻まれる。その笑顔は名前にある通り華がある。
「あっピヨさん」
凛々華の隣に座ろうかとベンチに視線を移すと、丸々とした体型の進化済のピヨがいた。
顔、胴体の色は白く、翼と尾は茶色。首周りは葉っぱのような飾り羽が生えている。大きさは通常型と同じくらいだろう。この進化形態はぽっちゃり型と言われている。
「この子がオモチだよ」
学校にいる間、お互いが飼っているピヨの話をしていた。凛々華の家では【オモチ】という名前の進化済ピヨがいると聞いて楽しみにしていた。もちろんココロもクックの話をして盛り上がり、会わせてみようということになったのだ。
「よろしく、オモチちゃん」
「グワッ……?」
寝こけていたオモチに声をかけるとパチリと開眼し、寝ぼけ眼で見上げてくる。ココロに興味がないのか再び目を閉じて丸々とした羽毛に顔を引っ込め埋めた。
そんな姿を見て凛々華は苦笑いをする。
「オモチは食べるのが大すきでね、食べものがないとぜんぜんうごいてくれないんだよ」
「食いしんぼなんだね」
見た目からしてよく食べそうだ。名前も相まってミカンでも頭に乗せたら似合うかもしれない。
「わたしもクックさんつれてきたよ」
「見せてみせて!」
持ってきたカゴを前へ突き出し、フタを開いて凛々華へ見せた。
「ピギョッピギョー」
「わあーっかわいい! 小ビナだぁ! さわっていい?」
「いいよ」
許可を得た凛々華はカゴの中へ手を入れてみた。
するとクックはカゴ内を走り逃げ回る。
「こわいのかな?」
「うーん……かぞくじゃない人と話したことないから、もしかしたらそうかも」
「だいじょうぶ、こわくないよー」
手のひらをカゴの底につけて待ってみる。暫く動かさないでいると、クックの方からやってきて指を痛くない程度につつき、それから手のひらに乗ってきた。
凛々華は乗ってくれたクックに満面の笑みを向けて、クックを乗せたまま手をカゴから出して自分の膝の上へ移動させる。
「いたくなかった?」
「いたくなかったよ。クックさん、とってもやさしいせいかくなんだと思う」
ケガがないか心配したが、凛々華からクックのことをそんな風に言ってもらえて誇らしく思う。もしも怪我をさせてしまったのなら怒らないといけないと考えていたから予想外で嬉しかった。
ーークックさんはホントにやさしい。いつもわたしを元気にしてくれるから。リリカちゃんにもわかってもらえてよかった
「オモチ、クックさんだよ」
オモチとクックが互いに見えるように、同じ目線の高さに手を移動させてやる。
声を掛ければ一応目をうっすらと開けるオモチ。
「ピギョ、ピギョ」
「…………クワァ~~……」
クックから鳴いてはいるがオモチは欠伸をするだけで、あまり関心はなさそうだ。
「もう~なかよくなれると思ったんだけどな」
「オモチちゃんはのんびりやさんなんだね」
「そうなの。うぅ~……じゃあいっしょにうんどうしようよ。いっしょにやったらなかよしになれるかも!」
「うん。でも、ここだとできないかもね」
ここには遊具はあるが狭い公園だ。遊具は他の子供が使って埋まっている。もしも子供が走ってきてピヨ達が踏まれたり蹴飛ばされたりしてしまったらたまったものではない。
「あっちの広場にいこうよ」
「大介くんたちまだサッカーしてないかな?」
「しててもすみっこの方でうんどうしてればじゃまにならないよ」
「そっか。じゃあいこっか」
広場へ移動することにした二人はピヨを抱えて公園を出ることにした。
凛々華が住むマンションの近くの公園。そこがいつも遊ぶ公園で待ち合わせの定番場所となっている。
既に凛々華は到着していたようで、ベンチに座って手を振っている。ココロも手を振り返してベンチの前へやって来る。
「おまたせ」
「えへへ、たのしみで早く来ちゃったの」
そう言って無邪気に笑う凛々華。そばかすのある顔に自然な笑い皺が刻まれる。その笑顔は名前にある通り華がある。
「あっピヨさん」
凛々華の隣に座ろうかとベンチに視線を移すと、丸々とした体型の進化済のピヨがいた。
顔、胴体の色は白く、翼と尾は茶色。首周りは葉っぱのような飾り羽が生えている。大きさは通常型と同じくらいだろう。この進化形態はぽっちゃり型と言われている。
「この子がオモチだよ」
学校にいる間、お互いが飼っているピヨの話をしていた。凛々華の家では【オモチ】という名前の進化済ピヨがいると聞いて楽しみにしていた。もちろんココロもクックの話をして盛り上がり、会わせてみようということになったのだ。
「よろしく、オモチちゃん」
「グワッ……?」
寝こけていたオモチに声をかけるとパチリと開眼し、寝ぼけ眼で見上げてくる。ココロに興味がないのか再び目を閉じて丸々とした羽毛に顔を引っ込め埋めた。
そんな姿を見て凛々華は苦笑いをする。
「オモチは食べるのが大すきでね、食べものがないとぜんぜんうごいてくれないんだよ」
「食いしんぼなんだね」
見た目からしてよく食べそうだ。名前も相まってミカンでも頭に乗せたら似合うかもしれない。
「わたしもクックさんつれてきたよ」
「見せてみせて!」
持ってきたカゴを前へ突き出し、フタを開いて凛々華へ見せた。
「ピギョッピギョー」
「わあーっかわいい! 小ビナだぁ! さわっていい?」
「いいよ」
許可を得た凛々華はカゴの中へ手を入れてみた。
するとクックはカゴ内を走り逃げ回る。
「こわいのかな?」
「うーん……かぞくじゃない人と話したことないから、もしかしたらそうかも」
「だいじょうぶ、こわくないよー」
手のひらをカゴの底につけて待ってみる。暫く動かさないでいると、クックの方からやってきて指を痛くない程度につつき、それから手のひらに乗ってきた。
凛々華は乗ってくれたクックに満面の笑みを向けて、クックを乗せたまま手をカゴから出して自分の膝の上へ移動させる。
「いたくなかった?」
「いたくなかったよ。クックさん、とってもやさしいせいかくなんだと思う」
ケガがないか心配したが、凛々華からクックのことをそんな風に言ってもらえて誇らしく思う。もしも怪我をさせてしまったのなら怒らないといけないと考えていたから予想外で嬉しかった。
ーークックさんはホントにやさしい。いつもわたしを元気にしてくれるから。リリカちゃんにもわかってもらえてよかった
「オモチ、クックさんだよ」
オモチとクックが互いに見えるように、同じ目線の高さに手を移動させてやる。
声を掛ければ一応目をうっすらと開けるオモチ。
「ピギョ、ピギョ」
「…………クワァ~~……」
クックから鳴いてはいるがオモチは欠伸をするだけで、あまり関心はなさそうだ。
「もう~なかよくなれると思ったんだけどな」
「オモチちゃんはのんびりやさんなんだね」
「そうなの。うぅ~……じゃあいっしょにうんどうしようよ。いっしょにやったらなかよしになれるかも!」
「うん。でも、ここだとできないかもね」
ここには遊具はあるが狭い公園だ。遊具は他の子供が使って埋まっている。もしも子供が走ってきてピヨ達が踏まれたり蹴飛ばされたりしてしまったらたまったものではない。
「あっちの広場にいこうよ」
「大介くんたちまだサッカーしてないかな?」
「しててもすみっこの方でうんどうしてればじゃまにならないよ」
「そっか。じゃあいこっか」
広場へ移動することにした二人はピヨを抱えて公園を出ることにした。
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