99%興味【打ち切り】

朝陽ヨル(月嶺)

文字の大きさ
22 / 73
一章〈sports〉~仲直りのお手伝い~

一 拓視点

 屋上で俺たちは喧嘩した。あれは多分、世の中で言うところの喧嘩なんだと思う。今まで生きてきた中で片手で数えられるくらいしか喧嘩をしたことがなかった。経験が少なくてこれからどうしたらいいかと悩んでいるところだ。
 そもそも何でああなった?
 順を追って屋上でのことを思い返してみる。
 触れられる練習をしてて、有馬が直に触ってきて、その後すぐにやめるとか言い出して、それから俺が引き留めて。……キス、して。その後はゴチャゴチャ喋ってたらなんでか喧嘩になってた。ああそうだ、恋人じゃねぇのに恋人になってることにされてたんだった。キスしたら恋人になるのが普通なことなのか? 誰とでもキスするのかって、そんなわけねぇだろうがよ。ーーじゃあ

「有馬と……」

 唇を触ってみたら、キスした時のことが頭の中で甦ってきて急に恥ずかしくなる。顔が集中的に暑い。
 有馬とキスしたのは、鎌倉の帰りと、有馬がクラスメートのヤツらに悪口言われてその後屋上で何回か。それでこの前の……。
 考えてみりゃ有馬は俺と付き合ってると思っててキスしてたんだよな。俺はしたくてしたわけじゃ……でも初めて生の有馬とした時は出来心でしたくなっちまったし……結局俺は有馬とどうなりたいんだ? 有馬とはキスしたいのか? ただ出来心でキスしてみたかったのか?
 こうやって考える時間が欲しかった。恋愛なんてしたことが無くて、そんな余裕も無かった俺に付き合って欲しいと言われて、それも男に。俺が誰かと付き合えるわけがない。付き合ったら絶対に相手を傷つけるのだから。
 じゃあ何で迷ってる?
 こうして考えているのは有馬と仲直りしたいと少なからず思ってるからだ。
 つか有馬は結果を急ぎ過ぎなんだよ。俺と付き合いたいって最初に言われた時も急だったし、鎌倉の後もキスしたのをこじつけて言ってきたし強引なんだよ。そんなに早く付き合いたいってか。アイツホモだし、この学校そういうヤツが多いとか言ってたし他に付き合えそうなヤツいたんじゃねえの。アイツ人気者だし、何で俺だよ……。俺がもしもこんな体質じゃなかったら付き合ったのか。でも男同士だぞ……俺の体質を抜きにしても他に色々と問題ある気がするし

「んあ~~~~っ」

 席の机に肘を着いて頭をバリバリとかく。すると机に置いてあったプリントがクシャッとよれてしまった。それを見てなんとなく残念になり、席から立ち上がって窓から外を眺めることにした。
 今は本来体育の時間だが、俺は体質の関係で学校に許可を得て体育を免除されている。体育の時間は補習用のプリントや別のことやって時間を潰している。ある意味教室には誰もいないから安息の一時でもある。

「…………いねぇな」

 外で動き回る生徒を目で追っていたが、有馬の姿が見当たらなかった。

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話