73 / 73
番外編
4月2日真実しか話しちゃいけない日
今日は4月2日。春休みで有馬は俺の家に遊びに来ていた。
「チョコは知ってるかい? 昨日はエイプリルフールで、午前中だけ嘘を吐いていい日だって」
「エイプリルフールは知ってっけど、午前だけなのか」
「うん。その嘘を説明する、嘘だったよって……弁解ってことになるのかな?真実しか話しちゃいけない日っていうのがあるんだけど、それが今日なんだよ」
「へえ、そんな日あるのか。よく知ってるよな」
「外国の話だけどね。でも日本人ってそういう文化好きだろう? 例えばバレンタインデーとかさ。女の子が好きな男にチョコを贈る……。チョコレートを贈る」
「何で言い直したし」
何となく察してるが……
「だってチョコは俺のだから! チョコを他の男に渡せるわけないだろう!?」
「あーはいはいそうだな」
「チョコが雑っ!」
分かってて聞いて結局スルーすんなら聞かない方が良かったか? 反射的についツッコミたくなるんだよな……
「んで? バレンタインデーがどうしたよ」
「うう……。えっとね、バレンタインデーは外国だと男からプレゼントを贈るんだってさ。あまり祝福するようなイベントではなくて、日本みたく世間が沸き立つことでもないってこと。日本は何でもイベントは騒ぎ立てるだろう?」
「んまあ……そう、なのか?」
俺がそういうの疎いからかもしれねえけど、有馬はそういう豆知識とか雑学よく知ってるよな
「だからせっかくだし、俺たちもこういう日を楽しもうってことさ」
パチンとウィンクしていつものキラキラ笑顔。こういうのが似合うヤツって何となく得してる気がする
「というわけでチョコ! 俺のことどう思ってる?」
「………。お前は……どうなんだよ」
「好きだよ」
「………お前ホント躊躇いねえよな」
「それはそうさ。チョコが好きってことに偽りなんて無いからね!」
「………」
こういう天然ストレートに言ってくる所とか面食らうけどよ
「チョコは? チョコの言葉が聞きたいんだ」
「………」
「えっ」
シャツの襟を掴んで引き寄せて、有馬の頬に軽くだけど口づけて。戻り際に。
「……好きだ」
そう、か細い声で言ってやった。
有馬はポカンと呆けていて、キスした頬を手で覆うと我に返ったのか顔面をみるみる内に赤くしていく。
「ちっちっチョコ……っ! これはちょっと……ズルイよ……」
照れてる。コイツも俺も。ただまあ、たまにこういうイベントで言ってみたりしてみたりするのもアリかもって思った。ただそれだけだ。コイツの面白い反応見れたし、今日はこれだけで得した気分だな。
END
「チョコは知ってるかい? 昨日はエイプリルフールで、午前中だけ嘘を吐いていい日だって」
「エイプリルフールは知ってっけど、午前だけなのか」
「うん。その嘘を説明する、嘘だったよって……弁解ってことになるのかな?真実しか話しちゃいけない日っていうのがあるんだけど、それが今日なんだよ」
「へえ、そんな日あるのか。よく知ってるよな」
「外国の話だけどね。でも日本人ってそういう文化好きだろう? 例えばバレンタインデーとかさ。女の子が好きな男にチョコを贈る……。チョコレートを贈る」
「何で言い直したし」
何となく察してるが……
「だってチョコは俺のだから! チョコを他の男に渡せるわけないだろう!?」
「あーはいはいそうだな」
「チョコが雑っ!」
分かってて聞いて結局スルーすんなら聞かない方が良かったか? 反射的についツッコミたくなるんだよな……
「んで? バレンタインデーがどうしたよ」
「うう……。えっとね、バレンタインデーは外国だと男からプレゼントを贈るんだってさ。あまり祝福するようなイベントではなくて、日本みたく世間が沸き立つことでもないってこと。日本は何でもイベントは騒ぎ立てるだろう?」
「んまあ……そう、なのか?」
俺がそういうの疎いからかもしれねえけど、有馬はそういう豆知識とか雑学よく知ってるよな
「だからせっかくだし、俺たちもこういう日を楽しもうってことさ」
パチンとウィンクしていつものキラキラ笑顔。こういうのが似合うヤツって何となく得してる気がする
「というわけでチョコ! 俺のことどう思ってる?」
「………。お前は……どうなんだよ」
「好きだよ」
「………お前ホント躊躇いねえよな」
「それはそうさ。チョコが好きってことに偽りなんて無いからね!」
「………」
こういう天然ストレートに言ってくる所とか面食らうけどよ
「チョコは? チョコの言葉が聞きたいんだ」
「………」
「えっ」
シャツの襟を掴んで引き寄せて、有馬の頬に軽くだけど口づけて。戻り際に。
「……好きだ」
そう、か細い声で言ってやった。
有馬はポカンと呆けていて、キスした頬を手で覆うと我に返ったのか顔面をみるみる内に赤くしていく。
「ちっちっチョコ……っ! これはちょっと……ズルイよ……」
照れてる。コイツも俺も。ただまあ、たまにこういうイベントで言ってみたりしてみたりするのもアリかもって思った。ただそれだけだ。コイツの面白い反応見れたし、今日はこれだけで得した気分だな。
END
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話