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3年1学期
69話:体育祭準備③
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「ほらそこ!脚もっと伸ばして!」
開始早々マリアの檄が飛び交う体育館での顔合わせ兼チア練習初回。
女の子が大半だけど俺の他にも何人か男の子がいるこの空間の中で、正直俺が1番下手かもしれない。踊るのは好きだけど、パフォーマンスの為にやった事はないし、何より振り付けの数が多いのが鬼門だった。これは動画を見て寮で自主練するしかなさそうだ。
「お前結局チ……チア、やんのかよ?」
そんな焦燥感を抱えて体育館から帰ってきた俺が放課後の教室で携帯を眺めていたら、カイに声をかけられた。
「うん、衣装露出ないしね。カイは競技どれに出るの?」
「俺は1キロリレー。走るだけでいいから練習いらねぇし」
1キロリレー、このリレーはシンプルに脚の速さを競うものだけど、1人1キロという距離がとにかく長い。その上でこの長距離をトップスピードを維持しながら走る必要があるという地味に難易度の高い競技だ。俺には絶対無理だけど、三日三晩戦い続けられるというワーウルフのカイにはぴったりだと思う。
「わー!すごい!沢山応援したげるから絶対勝ってね?」
「ばっ馬鹿!急に抱きつくんじゃねぇよ」
「えー?本当は嬉しいくせに!」
応援も兼ねて軽く腕に抱きついただけなのにカイが慌てた様に大きな声を出すから俺は仕方なく手を離した。
「俺、やるなら全力で応援するから、カイもサボっちゃダメだからね!」
「……っ、わーったよ」
俺は勝負事は苦手で、あんまりシリアスなのは好きじゃない。だけどどうせ応援するなら勝ってほしいとは思うから、俺はカイにそう釘を刺した。やっぱり最後の体育祭だし、良い思い出にしたいしね。
(その為にはまずは練習、だよね!)
明日のチア練習に向けて、今日できなかったところを見返そう。俺はそう思いながら少しでも上手くなれるように練習計画を立てて心の中でガッツポーズをした。
◇
「今の結構良かったね!後一回通したら休憩しよ!」
寮での自主練習と、学校での猛特訓の成果もあって、1週間もするとだいぶチアも板についてきた。最初は檄を飛ばすことの多かったリーダーのマリアの笑顔も増えてきて俺は安心する。
「そろそろセンター決めないとね。皆誰がいいとかある?」
そう言ってマリアが集合をかけてセンター決めの話し合いが始まる。俺は、こういうのってリーダーがやるものだと思ってたけどどうやら違うらしい。
「やっぱさ、1番華がある子がよくない?目立ってなんぼでしょ」
「でもさー、チアが上手い子の方が見応えあると思う」
「魔法も得意な子がいいんじゃない?ああでもサポート魔術でどうにかできるから必須じゃないかぁ」
話し合いでは様々な意見が飛び交い、どれも一理ある気がする。俺は誘われたからチアをやってるけど、自分からチアチームに立候補した子達は熱意が段違いだ。
「フレンは誰がいいと思う?」
どの意見も真っ当で、俺がその勢いに圧倒されていたらマリアから話を振られる。俺にはチアの定石とかわからないから、聞いていて思ったことを口にした。
「俺は1番頑張ってた人がいいと思う。そういうのって伝わると思うし」
体育祭が始まる前からリーダーとして動いていたマリア、自主的に立候補して意見を出し合う女の子達、数少ない男子として一生懸命練習するメンバー、彼ら一人一人の姿を見て出した結論だ。
その後も話し合いでは様々な意見が出てきて、結局マリアが一回持ち帰って検討することになった。
(誰がセンターでもうまくいくといいなぁ)
最初は誘われたから参加したチアだったけど、みんなの頑張ってる姿を見ると成功を祈らずにはいられない。みんなの努力が実るように、いい応援合戦ができるように、俺は今日も自主練の予定を決めたのだった。
開始早々マリアの檄が飛び交う体育館での顔合わせ兼チア練習初回。
女の子が大半だけど俺の他にも何人か男の子がいるこの空間の中で、正直俺が1番下手かもしれない。踊るのは好きだけど、パフォーマンスの為にやった事はないし、何より振り付けの数が多いのが鬼門だった。これは動画を見て寮で自主練するしかなさそうだ。
「お前結局チ……チア、やんのかよ?」
そんな焦燥感を抱えて体育館から帰ってきた俺が放課後の教室で携帯を眺めていたら、カイに声をかけられた。
「うん、衣装露出ないしね。カイは競技どれに出るの?」
「俺は1キロリレー。走るだけでいいから練習いらねぇし」
1キロリレー、このリレーはシンプルに脚の速さを競うものだけど、1人1キロという距離がとにかく長い。その上でこの長距離をトップスピードを維持しながら走る必要があるという地味に難易度の高い競技だ。俺には絶対無理だけど、三日三晩戦い続けられるというワーウルフのカイにはぴったりだと思う。
「わー!すごい!沢山応援したげるから絶対勝ってね?」
「ばっ馬鹿!急に抱きつくんじゃねぇよ」
「えー?本当は嬉しいくせに!」
応援も兼ねて軽く腕に抱きついただけなのにカイが慌てた様に大きな声を出すから俺は仕方なく手を離した。
「俺、やるなら全力で応援するから、カイもサボっちゃダメだからね!」
「……っ、わーったよ」
俺は勝負事は苦手で、あんまりシリアスなのは好きじゃない。だけどどうせ応援するなら勝ってほしいとは思うから、俺はカイにそう釘を刺した。やっぱり最後の体育祭だし、良い思い出にしたいしね。
(その為にはまずは練習、だよね!)
明日のチア練習に向けて、今日できなかったところを見返そう。俺はそう思いながら少しでも上手くなれるように練習計画を立てて心の中でガッツポーズをした。
◇
「今の結構良かったね!後一回通したら休憩しよ!」
寮での自主練習と、学校での猛特訓の成果もあって、1週間もするとだいぶチアも板についてきた。最初は檄を飛ばすことの多かったリーダーのマリアの笑顔も増えてきて俺は安心する。
「そろそろセンター決めないとね。皆誰がいいとかある?」
そう言ってマリアが集合をかけてセンター決めの話し合いが始まる。俺は、こういうのってリーダーがやるものだと思ってたけどどうやら違うらしい。
「やっぱさ、1番華がある子がよくない?目立ってなんぼでしょ」
「でもさー、チアが上手い子の方が見応えあると思う」
「魔法も得意な子がいいんじゃない?ああでもサポート魔術でどうにかできるから必須じゃないかぁ」
話し合いでは様々な意見が飛び交い、どれも一理ある気がする。俺は誘われたからチアをやってるけど、自分からチアチームに立候補した子達は熱意が段違いだ。
「フレンは誰がいいと思う?」
どの意見も真っ当で、俺がその勢いに圧倒されていたらマリアから話を振られる。俺にはチアの定石とかわからないから、聞いていて思ったことを口にした。
「俺は1番頑張ってた人がいいと思う。そういうのって伝わると思うし」
体育祭が始まる前からリーダーとして動いていたマリア、自主的に立候補して意見を出し合う女の子達、数少ない男子として一生懸命練習するメンバー、彼ら一人一人の姿を見て出した結論だ。
その後も話し合いでは様々な意見が出てきて、結局マリアが一回持ち帰って検討することになった。
(誰がセンターでもうまくいくといいなぁ)
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