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3年2学期
107話: 文化祭準備、大型新人襲来!?②
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怒涛の出演依頼が終わり、今日から学園演劇の準備が始まる。
俺は今回、劇には本当に出ないから裏方として緩く手伝いをする予定。ガネマルから頼まれたからとはいえ、ルカとエリオ君を誘ったわけだし何もしないわけにはいかないかなって思ってさ。そして今日、キャストの顔合わせということで、俺も練習場所である講堂に来てるんだけど――
「あなたがフレン先輩ですかぁ?」
「えっ、俺?」
見知らぬ女の子から突然の名指しを受けて俺は首を傾げていた。
(知り合いじゃないよね?けどこの子どこかで見たことあるような……)
制服のリボンの色から彼女が一年生だってことはわかる。ということはペア授業監督の時に話した事あるとかかな?なんて呑気な事を考えていた俺は続く彼女の言葉で思わず固まることとなった。
「凄い可愛いって聞いてたから興味あったんですけど……結構普通ですね?」
「……え?」
彼女の大きくてぱっちりしたピンク色の瞳が、突然の発言に驚いて固まったままの俺を映して細くなる。
「これなら去年を超えるのも簡単そうです♡あ、知ってるかもですが私一年のミカエラです!よろしくお願いしますね、先輩♡」
そう言って、ダークレッドのハーフツインを揺らして微笑む彼女の姿を見て俺は気がつく。
(そうだ、思い出した!ミカエラって……)
今年のペア決めの時、俺はルカとエリオ君のトラブル対処で精一杯すぎて他の噂についてはあまり関わることがなかった。それでも一つだけ知っている噂がある。それは今年の一年生に小悪魔族の人気アイドルが入学してきてペア人気がすごかったって事。芸能活動が忙しくてあまり学校に来てないらしくて、今まで学校で会ったことはなかったけど、どうやら彼女がその本人らしい。小悪魔族の天使と称される大人気アイドルらしく華やかな顔立ちで笑う彼女は確かにテレビで見た事がある顔だ。
「お!みんなもう集まっていたんだな!!それじゃあ早速劇の説明を始めるぞ!!」
固まった空気を壊す勢いでガネマルが講堂の扉を開けて入ってくる。その勢いに圧倒されて、俺たちは取り敢えず講堂の席について、彼の説明を聞くことになった。
「今年の劇は建国の王の厄災退治が題材だ!建国の偉人と王を中心として魔法で厄災を再現したものにしようと考えている!今日はキャストの顔合わせでもあるから順番に自己紹介してくれ!!」
(今年も建国の偉人伝説なんだ……)
建国の王の厄災退治は、その名の通り建国の王による国の厄災の討伐伝説だ。のちに王となる勇者が各地にいた厄災の魔物と呼ばれる伝説級の魔物を全て退治して封印した事でこの国ができたという、国の歴史と切っても切れない関係の話。ちなみに厄災の魔物の封印地は今では観光スポットになってるところも多くて知らない人はいない伝説だ。
「建国の姫役のミカエラです!今年は演技力も必要な役なので精一杯頑張りますね♡」
「ミカエラ君は率先して立候補してくれたんだ!芸能活動で時間が取れない中練習に参加してくれるとのことで練習シフトが変則的になっているから気をつけてくれ!」
そして、さっき強烈な挨拶をしてくれた彼女は今年の建国の姫役らしい。自己紹介の内容からも、去年立ってるだけの役だった俺に向けたチクリとした何かを感じる。だけどガネマルの言葉通りなら彼女が立候補してくれたおかげで俺は今年女装せずに済んだわけだからその点においては感謝しないといけないかもしれない。
◇
なかなか衝撃的な体験もしたけど、自己紹介も無事に終わりキャストの人は配られた台本に目を通し始めている。俺はというと、今日はまだ裏方仕事もそんなにないということで早めの解散になった。
思ったより早く終わったから、そのまま寮に帰ろうかなと思って歩いていると後ろから声をかけられる。
「やっと見つかったー!フレン、今時間いい?」
「マリア?どうしたの、まあ暇だけど」
声の主は体育祭の時に一緒にチアをやったマリアだった。マリアは隣のクラスだから普段はそこまで話す機会がないんだけど、今でもチアチームで集まってご飯食べることもあるくらいには仲がいい。
「あのさ、今年の文化祭もう出るやつ決めた?」
「学園演劇の裏方やろうと思ってるけど、どうして?」
「裏方なら掛け持ちオッケーだよね?あのさ、フレン私たちと一緒にチアライブしない?」
「チアライブ??」
初めて聞く単語に俺は首を傾げる。
「チアパフォーマンスしながらのライブ!今ね、チアチームの子に声かけて回ってるの!それでどう?やらない??」
マリアが身振りを加えて説明してくれて概要はなんとなく掴めたかも。けどまだちょっとイメージがつかない。
「マリア去年はやってなかったよね?なんで今年はやる事にしたの?」
「今年さ、体育祭の事件で文化祭1日だけになったじゃん?まだ事件の話で暗くなる子とかいるし、なんとか盛り上げられないかなーって思って!イメージは応援合戦!」
不審者による通り魔事件で、途中で終わってしまった今年の体育祭。その影響で警備を厳重にする関係で今年の文化祭は学生以外の外部客を無くした他校交流日1日だけになったんだよね。
普段は忘れててもその爪痕があると、ふとした事で心に影を落とす事があるのは俺にも理解できる。
「フレンとのダブルセンターまたやりたいし、もし裏方と両立できそうだったらお願い!」
そう言って手を合わせるマリアを見るのもなんとなくデジャヴ。マリアのアイデアはとてもいいものだし、俺にとっても応援合戦は大事な思い出だ。その経験を活かせるこのライブは頼まれなくても出たいものだと思った。せっかくの文化祭だし、何かに出た方が楽しめるしね。
「チアライブやりたい!俺、楽器とかできないけど良いかな?」
「ありがとー!!フレン!チアできたら大丈夫だから心配しないで!また後でメンバー集めて連絡するね」
笑顔で手を振るマリアを見送って、俺はライブのイメージをする。体育祭みたいに多くの人が笑顔になる、そんなパフォーマンスができるようにまた自主練頑張ろう。今年の文化祭は忙しくなりそうだ。
俺は今回、劇には本当に出ないから裏方として緩く手伝いをする予定。ガネマルから頼まれたからとはいえ、ルカとエリオ君を誘ったわけだし何もしないわけにはいかないかなって思ってさ。そして今日、キャストの顔合わせということで、俺も練習場所である講堂に来てるんだけど――
「あなたがフレン先輩ですかぁ?」
「えっ、俺?」
見知らぬ女の子から突然の名指しを受けて俺は首を傾げていた。
(知り合いじゃないよね?けどこの子どこかで見たことあるような……)
制服のリボンの色から彼女が一年生だってことはわかる。ということはペア授業監督の時に話した事あるとかかな?なんて呑気な事を考えていた俺は続く彼女の言葉で思わず固まることとなった。
「凄い可愛いって聞いてたから興味あったんですけど……結構普通ですね?」
「……え?」
彼女の大きくてぱっちりしたピンク色の瞳が、突然の発言に驚いて固まったままの俺を映して細くなる。
「これなら去年を超えるのも簡単そうです♡あ、知ってるかもですが私一年のミカエラです!よろしくお願いしますね、先輩♡」
そう言って、ダークレッドのハーフツインを揺らして微笑む彼女の姿を見て俺は気がつく。
(そうだ、思い出した!ミカエラって……)
今年のペア決めの時、俺はルカとエリオ君のトラブル対処で精一杯すぎて他の噂についてはあまり関わることがなかった。それでも一つだけ知っている噂がある。それは今年の一年生に小悪魔族の人気アイドルが入学してきてペア人気がすごかったって事。芸能活動が忙しくてあまり学校に来てないらしくて、今まで学校で会ったことはなかったけど、どうやら彼女がその本人らしい。小悪魔族の天使と称される大人気アイドルらしく華やかな顔立ちで笑う彼女は確かにテレビで見た事がある顔だ。
「お!みんなもう集まっていたんだな!!それじゃあ早速劇の説明を始めるぞ!!」
固まった空気を壊す勢いでガネマルが講堂の扉を開けて入ってくる。その勢いに圧倒されて、俺たちは取り敢えず講堂の席について、彼の説明を聞くことになった。
「今年の劇は建国の王の厄災退治が題材だ!建国の偉人と王を中心として魔法で厄災を再現したものにしようと考えている!今日はキャストの顔合わせでもあるから順番に自己紹介してくれ!!」
(今年も建国の偉人伝説なんだ……)
建国の王の厄災退治は、その名の通り建国の王による国の厄災の討伐伝説だ。のちに王となる勇者が各地にいた厄災の魔物と呼ばれる伝説級の魔物を全て退治して封印した事でこの国ができたという、国の歴史と切っても切れない関係の話。ちなみに厄災の魔物の封印地は今では観光スポットになってるところも多くて知らない人はいない伝説だ。
「建国の姫役のミカエラです!今年は演技力も必要な役なので精一杯頑張りますね♡」
「ミカエラ君は率先して立候補してくれたんだ!芸能活動で時間が取れない中練習に参加してくれるとのことで練習シフトが変則的になっているから気をつけてくれ!」
そして、さっき強烈な挨拶をしてくれた彼女は今年の建国の姫役らしい。自己紹介の内容からも、去年立ってるだけの役だった俺に向けたチクリとした何かを感じる。だけどガネマルの言葉通りなら彼女が立候補してくれたおかげで俺は今年女装せずに済んだわけだからその点においては感謝しないといけないかもしれない。
◇
なかなか衝撃的な体験もしたけど、自己紹介も無事に終わりキャストの人は配られた台本に目を通し始めている。俺はというと、今日はまだ裏方仕事もそんなにないということで早めの解散になった。
思ったより早く終わったから、そのまま寮に帰ろうかなと思って歩いていると後ろから声をかけられる。
「やっと見つかったー!フレン、今時間いい?」
「マリア?どうしたの、まあ暇だけど」
声の主は体育祭の時に一緒にチアをやったマリアだった。マリアは隣のクラスだから普段はそこまで話す機会がないんだけど、今でもチアチームで集まってご飯食べることもあるくらいには仲がいい。
「あのさ、今年の文化祭もう出るやつ決めた?」
「学園演劇の裏方やろうと思ってるけど、どうして?」
「裏方なら掛け持ちオッケーだよね?あのさ、フレン私たちと一緒にチアライブしない?」
「チアライブ??」
初めて聞く単語に俺は首を傾げる。
「チアパフォーマンスしながらのライブ!今ね、チアチームの子に声かけて回ってるの!それでどう?やらない??」
マリアが身振りを加えて説明してくれて概要はなんとなく掴めたかも。けどまだちょっとイメージがつかない。
「マリア去年はやってなかったよね?なんで今年はやる事にしたの?」
「今年さ、体育祭の事件で文化祭1日だけになったじゃん?まだ事件の話で暗くなる子とかいるし、なんとか盛り上げられないかなーって思って!イメージは応援合戦!」
不審者による通り魔事件で、途中で終わってしまった今年の体育祭。その影響で警備を厳重にする関係で今年の文化祭は学生以外の外部客を無くした他校交流日1日だけになったんだよね。
普段は忘れててもその爪痕があると、ふとした事で心に影を落とす事があるのは俺にも理解できる。
「フレンとのダブルセンターまたやりたいし、もし裏方と両立できそうだったらお願い!」
そう言って手を合わせるマリアを見るのもなんとなくデジャヴ。マリアのアイデアはとてもいいものだし、俺にとっても応援合戦は大事な思い出だ。その経験を活かせるこのライブは頼まれなくても出たいものだと思った。せっかくの文化祭だし、何かに出た方が楽しめるしね。
「チアライブやりたい!俺、楽器とかできないけど良いかな?」
「ありがとー!!フレン!チアできたら大丈夫だから心配しないで!また後でメンバー集めて連絡するね」
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