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3年2学期
127話: エリオ君のお家訪問! ④
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「今の、惜しかったよね……はー、でももう今日は無理かも……」
「ええ、今のは良かったと思います。無理し過ぎても良くないですから、今日はここまでにしましょうか」
気がつけばもう夕方だった。適宜休憩は入れてたけど、ずっと練習してたからもう魔力は底を尽きかけている。
「部屋に戻られますか?それともこのまま夕食にしましょうか?」
「お腹ぺこぺこー、ご飯がいいな」
魔法って体力も使うから、回復のためにもご飯を食べたい。そのまま昼食を食べた広間に戻るとマーセルさんがよく冷えたお茶を出してくれる。
「マーセル、食事の準備をお願いします」
「承知いたしましたエリオ様。すぐにお出しします」
言葉の通りすぐに用意された夜ご飯はビーフシチューと何品かの付け合わせ、そしてふわふわして凄く美味しいパンだった。
例に漏れず元気よく食べ終わった俺は、そのままさっき案内してもらった客室に戻った。
「……あれ?」
部屋に入ろうとドアを引いたけど開く気配がない。もしかして押し戸だったっけ?そう思って何度か格闘するけど全然開かない。
「あの、部屋の鍵ってありますか?」
「客室に鍵はかけておりませんが……」
「え?」
まだ広間にマーセルさんがいたので声をかけたんだけど、返ってきたのはこんな返事だった。
「とにかく一度見てみましょうか」
「はい、お願いします……」
「先輩、何かあったんですか?」
そのまま話し込んでいたら声が聞こえたのかエリオ君も広間にやってくる。
「ほら、ここドアが開かなくて……」
俺は客室に戻って2人の前でドアを引いたけどやっぱり開く気配がない。
「一応鍵を持ってきましたが、かかってはいませんね……おや?」
マーセルさんが引くとドアはいとも簡単に開く。
「えっ、嘘……あれ、でもやっぱり開かない!なんで??」
それを見て試しに俺が引くとやっぱりドアは開かなかった。
「僕がやっても開きますね……まさか」
「ええ、私もその可能性があるかと」
「なになに?原因わかったの?」
エリオ君とマーセルさんは顔を見合わせ、少し気まずそうに口を開く。
「恐らくですが、このドアは竜族しか開けられないみたいです」
「このお屋敷に竜族以外の方がいらっしゃる事は無かったので私も把握しておりませんでした……」
「えっ、そんなことある!?」
2人の推測だと、竜族の筋力と魔力を基準に作られた建物だからドアを開けるのに必要な力もそれに準拠しているんだろうということだった。とくに魔力の方が問題で、竜族独自の波長に合わせて開く簡易ロックみたいになってるらしい。だから竜族じゃない俺には開けることができないということだった。
さっきはマーセルさんがドアの開閉をしてくれてたから気づかなかったけどこれは思わぬ落とし穴だ。もう夜だし、今から帰るのも難しい。
「私が一晩ドアの前に待機して、開閉を担当いたします」
「いや、それは申し訳なさすぎるからちょっと……」
マーセルさんの提案は俺の良心が痛むからお断りして、他の方法を探す。
「……あ!エリオ君、エリオ君が良ければなんだけど……」
「えっ!?いや流石にそれは……」
俺が思いついたのはエリオ君の部屋に入れさせてもらって、そこのソファーとかを借りて寝る事だったんだけど、客人にそれはできないと断られてしまった。エリオ君と一緒の部屋ならドアを開けてもらったりもしやすいし、いいと思ったんだけどな。
「ならさ、一緒に寝るとかってどう?エリオ君抵抗あったりする?」
「……へ!?」
客室のベットですらとんでもなく大きかったから、エリオ君のベッドって多分凄く大きいと思うんだよね。
「人と寝るのが無理じゃなければ、男同士だしいいと思うんだけど、どうかな?」
あくまでお願いする立場だから、エリオ君の気持ちが一番大切だよね。俺は、エリオ君が少しでも落ち着いて考えられるようそっと彼の手に掌を重ねて問いかけた。
「て、手!?……あっ、えっと……ぼ、僕は……」
急な提案で驚かせてしまったのかエリオ君は目を見開いている。考えすぎて体温が上がったのか真っ赤な顔で口を開閉させている彼の言葉が返ってくるまで、俺は彼の目を見つめてゆっくりと返事を待った。
「ええ、今のは良かったと思います。無理し過ぎても良くないですから、今日はここまでにしましょうか」
気がつけばもう夕方だった。適宜休憩は入れてたけど、ずっと練習してたからもう魔力は底を尽きかけている。
「部屋に戻られますか?それともこのまま夕食にしましょうか?」
「お腹ぺこぺこー、ご飯がいいな」
魔法って体力も使うから、回復のためにもご飯を食べたい。そのまま昼食を食べた広間に戻るとマーセルさんがよく冷えたお茶を出してくれる。
「マーセル、食事の準備をお願いします」
「承知いたしましたエリオ様。すぐにお出しします」
言葉の通りすぐに用意された夜ご飯はビーフシチューと何品かの付け合わせ、そしてふわふわして凄く美味しいパンだった。
例に漏れず元気よく食べ終わった俺は、そのままさっき案内してもらった客室に戻った。
「……あれ?」
部屋に入ろうとドアを引いたけど開く気配がない。もしかして押し戸だったっけ?そう思って何度か格闘するけど全然開かない。
「あの、部屋の鍵ってありますか?」
「客室に鍵はかけておりませんが……」
「え?」
まだ広間にマーセルさんがいたので声をかけたんだけど、返ってきたのはこんな返事だった。
「とにかく一度見てみましょうか」
「はい、お願いします……」
「先輩、何かあったんですか?」
そのまま話し込んでいたら声が聞こえたのかエリオ君も広間にやってくる。
「ほら、ここドアが開かなくて……」
俺は客室に戻って2人の前でドアを引いたけどやっぱり開く気配がない。
「一応鍵を持ってきましたが、かかってはいませんね……おや?」
マーセルさんが引くとドアはいとも簡単に開く。
「えっ、嘘……あれ、でもやっぱり開かない!なんで??」
それを見て試しに俺が引くとやっぱりドアは開かなかった。
「僕がやっても開きますね……まさか」
「ええ、私もその可能性があるかと」
「なになに?原因わかったの?」
エリオ君とマーセルさんは顔を見合わせ、少し気まずそうに口を開く。
「恐らくですが、このドアは竜族しか開けられないみたいです」
「このお屋敷に竜族以外の方がいらっしゃる事は無かったので私も把握しておりませんでした……」
「えっ、そんなことある!?」
2人の推測だと、竜族の筋力と魔力を基準に作られた建物だからドアを開けるのに必要な力もそれに準拠しているんだろうということだった。とくに魔力の方が問題で、竜族独自の波長に合わせて開く簡易ロックみたいになってるらしい。だから竜族じゃない俺には開けることができないということだった。
さっきはマーセルさんがドアの開閉をしてくれてたから気づかなかったけどこれは思わぬ落とし穴だ。もう夜だし、今から帰るのも難しい。
「私が一晩ドアの前に待機して、開閉を担当いたします」
「いや、それは申し訳なさすぎるからちょっと……」
マーセルさんの提案は俺の良心が痛むからお断りして、他の方法を探す。
「……あ!エリオ君、エリオ君が良ければなんだけど……」
「えっ!?いや流石にそれは……」
俺が思いついたのはエリオ君の部屋に入れさせてもらって、そこのソファーとかを借りて寝る事だったんだけど、客人にそれはできないと断られてしまった。エリオ君と一緒の部屋ならドアを開けてもらったりもしやすいし、いいと思ったんだけどな。
「ならさ、一緒に寝るとかってどう?エリオ君抵抗あったりする?」
「……へ!?」
客室のベットですらとんでもなく大きかったから、エリオ君のベッドって多分凄く大きいと思うんだよね。
「人と寝るのが無理じゃなければ、男同士だしいいと思うんだけど、どうかな?」
あくまでお願いする立場だから、エリオ君の気持ちが一番大切だよね。俺は、エリオ君が少しでも落ち着いて考えられるようそっと彼の手に掌を重ねて問いかけた。
「て、手!?……あっ、えっと……ぼ、僕は……」
急な提案で驚かせてしまったのかエリオ君は目を見開いている。考えすぎて体温が上がったのか真っ赤な顔で口を開閉させている彼の言葉が返ってくるまで、俺は彼の目を見つめてゆっくりと返事を待った。
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