【R18】極上の蜜~みかどの寵蜜~

奇埼伊利

文字の大きさ
7 / 7

第5章 獣庭の散歩

しおりを挟む
【第5章:獣庭の散歩】

湯上がり、みかどの逞しい腕に抱き上げられた。

チリン、チリン……。
鈴の音が廊下に反響し、そのたびに羞恥が胸を鋭く刺した。

「では、約束通りに一緒に出掛けよう」

みかどの体温から甘い香りが鼻腔を満たしていく。
しばらく、みかどの後ろに寄り添いながら、長い廊下を歩いていった。

『見たことない廊下…ここは屋敷のなか…なの?』

目の前に現れた重厚な扉が軋み、外の冷えた空気が火照った肌を鋭く刺した。

「蜜、外では私の獣役として四つん這いで歩く。それが、この特別な散歩のルールだ」

ゆっくりと人工芝に降ろされ、両膝を地面につけて四つん這いの姿勢を取らされた。
掌には芝の繊維が食い込み、膝下には冷たい感触がじわりと広がっていった。

みかどが黒革の獣型マスクを差し出した。僕は震える手でそれを受け取り被った。
革の匂いが鼻を突き、視界が暗く狭まる。口元が圧迫され、息が詰まりそうになった。

『何これ……やだ……息苦しい…もぅ元の部屋に帰りたい』

黒革の首輪がカチリと締まり、短い鎖がみかどの逞しい手に繋がれている。
ネグリジェの裾が捲れ上がって真っ白な尻肉が無防備に覗いていた。

僕は顔を上げて周りを見渡した。
そこはガラスドームの天井の下、人工庭園が広がっていた。
青々とした人工芝、巧みに造られた木々、噴水、池──全てが整いすぎていて、どこか現実感がなかった。

空気には人工的な化学臭がわずかに混じり、喉の奥にざらついた。

よく目を凝らすと、他の主従たちがその庭を散歩していた。
首輪とマスクを付けた男たちが、静かに、あるいは獣のように唸りながら四つん這いでいる。

鎖の金属音、獣のうなり声、主たちの重厚な笑い声が、奇妙なハーモニーを奏でていた。

『なに!ここ!みんなあんな格好で!』

首の鎖の冷たく重い感触が、皮肉にも奇妙な安心を与えていた。

みかどの足元に寄り添いながら、震える手足で一歩ずつ進む。
四つん這いで一歩進むたびに、奥のプラグが左右に揺れて、その存在をいやでも意識させた。
鈴がチリンと鳴るたびに、妙な疼きが下腹に小さな波紋のように広がっていく。

「んっ……!」

庭の中央に、ひときわ目を引く人影が見えた。

背の高い男が、黒髪を優雅に靡かせながら静かに立っていた。
中性的で整った顔立ちに、妖艶な笑みを浮かべた口元だけが、不敵に吊り上がっている。

傍らには、筋肉質な獣役従者が控えていた。蜜と同じ黒革のマスクを被り、四つん這いになった腰には黒のラバーパンツが隆起している。鋼のように盛り上がった筋肉と、獣そのものの鋭い眼光を放っていた。

二人とも、みかどを見つけると、迷いなくこちらへ歩み寄ってくる。

『来なければよかった……こんな異常な世界……絶対嫌だ……!』

僕は獣役従者のぎらつく瞳に射抜かれ、恐怖で身体が硬直した。
鎖がギチギチと首を締めつけ、逃げるという選択肢はどこにもなかった。

みかどがそっと肩に手を添え、身体を抱き引き寄せた。

「蜜、落ち着け。この庭は特別な場所だ。私が傍にいる」

顎を指先で持ち上げられ、赤いボールギャグを唇の前に押し当てられた。
ゴム臭い感触が口内に広がり、カチリと留め具が締まる。

「ふがっ……!」

涎が口角からゆっくり零れ落ち、顎を伝って滴る。
言葉を奪われた無力感が、全身をじわじわと包み込んでいった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

苗床になった元騎士

鵜飼かいゆ
BL
引退した元騎士の老人が触手に寄生されて若返って苗床になるラブラブハッピーエンド話です。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

処理中です...