極上の蜜~みかどの寵蜜~

奇埼伊利

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第15章 窮地の救い

【第15章:窮地の救い】


「楓様……これは、どういうご状況でしょうか」

低く牽制が籠ったような声が響いた。
その声に僕の心臓はどくんと鳴った。

『アンディさん…?』

そしてぐっと身体が傾いたと思うと温かさに包まれていた。

「モニターからの異常信号が届きました。なにかと思えば…」

「ふっ、アンディ。早い登場だね」

部屋の異常を知ったアンディが駆けつけて僕を抱き上げた。
アンディの腕の中の僕を見つめながら、楓が肩を竦めて言った。

「ちょっと蜜と遊んでいただけだろ…そんなに怒んないでよ」

「みかど様はご存じで?」

「なに?アンディ…いつから私にそんなことを言える立場になった?」

楽しんでいることを邪魔された子供が癇癪を起す様に楓はアンディに言い放った。
アンディは僕の肩をぐっと握りしめた。
これ以上は勝手なことはさせないと言わんばかりだった。

「…蜜様…」

アンディは僕の顔を掌で優しく包み込んで様子を伺っている。
まるで宝物を大事に扱うようだった。その瞳に映る僕の姿で、アンディの表情が険しくなった。

『…終わったんだ…』

腕の中に一気に緊張の糸が緩みぐったりとした身体を預けた。
さっきまで早鐘を打っていた心臓が、アンディの鼓動と一緒に少しずつ落ち着いていく。アンディの胸元から微かにみかどと同じような甘い香りが漂っていた。

「蜜を私に返して…早く!」

「申し訳ございません。いくら楓様とは言え…できません」

「なんで!アンディ!」

金切り声を上げる楓の顔が高揚し身体が震えていた。

「楓様のお遊びが、その線を越えていると判断しました」

『アンディさん…僕を守ってくれてるの…?』

僕はアンディの胸に身体を埋めるように潜り込んでいく。

「私はみかど様から蜜様の全ての管理を申しつけられています。このような粗暴は果たして…みかど様はどう思われるでしょうか?」

一瞬、楓の表情が曇った。息を吸い込んで感情を抑えているようだった。

「あのね…アンディ。私はただ遊んでいただけ…勝手に気持ちよくなったのは蜜でしょ?」

僕はその言葉にゾッとした。

『そんな…言い方って…』

言葉ではいい表せない屈辱感と羞恥心で胸が詰まっていく。自分の無力感に自然と涙が零れ首を小さく横に振っていた。

その様子を覗き込んだアンディはさらに言葉を続けた。

「今日のところはお引き取りを…楓様」

楓の両手の拳は固く握られて小さく震えていた。

「…みかどに言いつけるよ!早く蜜を渡して!」

アンディに窘められたのがプライドを傷つけたのか、楓の怒号が響いた。

その時ーーー。 
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