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一,空
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1941年4月ー。日本は大東亜戦争の真っ只中勝ちに勝ち大いに戦果を挙げていたー。
「あんちゃん!またやったんや!日本の飛行機が米軍やっつけたって!」
「勇(いさむ)はほんまに飛行機がすきやなぁ」
今年で12歳になる勇には、18歳になる兄進(すすむ)がいた。
進は、軍需工場に駆り出されて働いている。
「そうや、俺は日本の飛行機に乗って米軍を撃つんやほんで戦争に勝つんや」
勇は小さい頃からずっと飛行機に乗ることに憧れていた。毎日頭の上を大きな音と共に駆けていく飛行機に屋根に昇って国旗を振っていた。
「あんたらご飯食べるではよ入り」
母春(はる)は、高知から幸雄(ゆきお)の所に嫁いできた。
「はよ聞くであんたら座り」
畳に座る3人ラジオから音が聞こえてくる
「日本は侵攻する米艦隊に航空隊で攻撃しこれを撃破。勝利した」
「やっぱりや日本は強いんや俺が飛行機乗る前に日本は勝っとるかもな」
実際に、日本は開戦後有利に戦争を進め多くの戦場で勝利、侵攻していっていた。
「なぁ勇、母ちゃん。父ちゃんはなんしとんやろうな」
父幸雄は元々船乗りで今は徴兵されて、ソロモン諸島のマライタ島軍隊長をしていた。
「父ちゃんも戦っとるに決まっとるやろ父ちゃんと一緒に俺も飛んで戦うんや」
「そうやな」
~1年後。1942年6月
日本はミッドウェー島にて、アメリカ艦隊に大敗。空母4隻を沈没させられ、そこから敗北の一途を辿ることとなるミッドウェー海戦が起こった。
「日本はミッドウェイ島にて苦戦の末米艦隊を撃退した。」~
進が務める軍需工場で妙な噂が流れていた。
日本がミッドウェー海戦に負けて段々と敗戦が増えここの工場にも新兵器の発明が求められているというものだった。
そんなわけが無い。ラジオは毎日聞いている、負けたなんという情報は1回もなかった。
父ちゃんが行っとるソロモンも勝っとるっちゅう話しか流れてない。負けとるわけが無いやろ。
「あんちゃん日本はまた米軍を撃退したんやって強いで日本ははよ俺も飛行機に乗って行きたいなー」
そうや、日本は負けてへん。兵隊さんが頑張っとるんや日本が負けるわけが無いんや
「そうやな」
「進、ちょっとええか」
母ちゃんが俺にだけに話。なんや。
2人は歩きながら話した。
「あのな進、父ちゃんから手紙が来んようになったんや」
島へ出兵した家族から当時手紙が来ないというのは即ち、島の周りを敵に包囲されていることを意味していた。
「父ちゃんのことやあっちで戦っとる間に手紙出すの忘れとんやろ」
2人とも分かっていた。日本が負けていることも、幸雄のいるマライタ島が包囲されていることも。それが、幸雄の死そのものを暗示することも。
「勇がな毎日聞いてくるんや、父ちゃんは今日はどんだけ勝ったんや手紙はまだかって」
春は泣きながら続けた。
「日本は負けるんか父ちゃんは帰ってこんのか私はなんて言うたらええんや」
目の前で泣き続ける母に声も出せずにただ肩に手を当てることしか出来ない進。工場で聞いた話はほんまやったんや。父ちゃんは帰ってこんのか。そんなことが頭を駆け巡る。
ただ涙を流さないことだけを考えて母の震える肩に手を置いて、必死に顔を空に向けた。
「今の話ほんまなんか」
咄嗟に2人は後ろを向いた声も出なかった
「あんちゃん!またやったんや!日本の飛行機が米軍やっつけたって!」
「勇(いさむ)はほんまに飛行機がすきやなぁ」
今年で12歳になる勇には、18歳になる兄進(すすむ)がいた。
進は、軍需工場に駆り出されて働いている。
「そうや、俺は日本の飛行機に乗って米軍を撃つんやほんで戦争に勝つんや」
勇は小さい頃からずっと飛行機に乗ることに憧れていた。毎日頭の上を大きな音と共に駆けていく飛行機に屋根に昇って国旗を振っていた。
「あんたらご飯食べるではよ入り」
母春(はる)は、高知から幸雄(ゆきお)の所に嫁いできた。
「はよ聞くであんたら座り」
畳に座る3人ラジオから音が聞こえてくる
「日本は侵攻する米艦隊に航空隊で攻撃しこれを撃破。勝利した」
「やっぱりや日本は強いんや俺が飛行機乗る前に日本は勝っとるかもな」
実際に、日本は開戦後有利に戦争を進め多くの戦場で勝利、侵攻していっていた。
「なぁ勇、母ちゃん。父ちゃんはなんしとんやろうな」
父幸雄は元々船乗りで今は徴兵されて、ソロモン諸島のマライタ島軍隊長をしていた。
「父ちゃんも戦っとるに決まっとるやろ父ちゃんと一緒に俺も飛んで戦うんや」
「そうやな」
~1年後。1942年6月
日本はミッドウェー島にて、アメリカ艦隊に大敗。空母4隻を沈没させられ、そこから敗北の一途を辿ることとなるミッドウェー海戦が起こった。
「日本はミッドウェイ島にて苦戦の末米艦隊を撃退した。」~
進が務める軍需工場で妙な噂が流れていた。
日本がミッドウェー海戦に負けて段々と敗戦が増えここの工場にも新兵器の発明が求められているというものだった。
そんなわけが無い。ラジオは毎日聞いている、負けたなんという情報は1回もなかった。
父ちゃんが行っとるソロモンも勝っとるっちゅう話しか流れてない。負けとるわけが無いやろ。
「あんちゃん日本はまた米軍を撃退したんやって強いで日本ははよ俺も飛行機に乗って行きたいなー」
そうや、日本は負けてへん。兵隊さんが頑張っとるんや日本が負けるわけが無いんや
「そうやな」
「進、ちょっとええか」
母ちゃんが俺にだけに話。なんや。
2人は歩きながら話した。
「あのな進、父ちゃんから手紙が来んようになったんや」
島へ出兵した家族から当時手紙が来ないというのは即ち、島の周りを敵に包囲されていることを意味していた。
「父ちゃんのことやあっちで戦っとる間に手紙出すの忘れとんやろ」
2人とも分かっていた。日本が負けていることも、幸雄のいるマライタ島が包囲されていることも。それが、幸雄の死そのものを暗示することも。
「勇がな毎日聞いてくるんや、父ちゃんは今日はどんだけ勝ったんや手紙はまだかって」
春は泣きながら続けた。
「日本は負けるんか父ちゃんは帰ってこんのか私はなんて言うたらええんや」
目の前で泣き続ける母に声も出せずにただ肩に手を当てることしか出来ない進。工場で聞いた話はほんまやったんや。父ちゃんは帰ってこんのか。そんなことが頭を駆け巡る。
ただ涙を流さないことだけを考えて母の震える肩に手を置いて、必死に顔を空に向けた。
「今の話ほんまなんか」
咄嗟に2人は後ろを向いた声も出なかった
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