貧乏ゆすりとわたし

安音りか

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貧乏ゆすりとわたし。

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 机が揺れている。

 原因はわたしの貧乏ゆすりだ。

「〇子、食事中に貧乏ゆすりは止めなさい」

 ママがイライラしながら、わたしの貧乏ゆすりを注意する。

「ごめんなさいママ……でも止められないの……」

 熱い!
 衝撃と共に頬が急激に熱を帯びた。
 ママに頬を強く叩かれた。

「なんで素直に言う事を聞いてくれないの!!」
「ごめんなさいママ!! ママごめんなさい!!」

 ごめんなさいごめんなさい、違うの。
 机を揺らしているのはわたしではないの『貧乏ゆすり』が机を揺らしているの。

 わたしの家には妖怪が住んでいて、わたしはそれを『ゆすりん』と呼んでいる。
 ママが貧乏ゆすりと言っているので多分貧乏ゆすりの妖怪

 ママが居ない時わたしはゆすりんと遊んでいた。
 わたしのただ一人の味方、わたしのゆすりん。

「貧乏ゆすりを止めなさい!」

 ママが帰ってきた。
 ママは帰ってくるなりわたしを激しく叩いた。

「どうして貧乏ゆすりを止めないの!」
「ごめんなさいママ!」

「言う事を聞いて頂戴!!」
「無理なのママ!!」

「〇子!! 家をゆするのを止めなさい!!」

 貧乏ゆすりしているのはわたしじゃなくてもママなの……
 ママが貧乏だから、貧乏ゆすりに揺すられているの。

「やめて、やめて!! お願い家を揺らさないで!!」

 ママは悲鳴を上げて家から飛び出して行ってしまった。

 それからママが家に帰ってくる事は無かった。

 私は今お金持ちの叔父の家に引き取られ幸せに暮らしている。
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