3 / 48
公園で
しおりを挟む祐一の会社の前には、デデンと大手の有名コンビニがあり、そこそこ何でも揃っているのでよく利用する。
――今日はサラダと食パンとコンビニブランドの珈琲豆・・・
とまぁ、適当に選んでカゴに次々と放り込んでいく。
——そういや使い捨ての髭剃りがなくなりかけてたな~~
と思い出してソレもカゴに入れ、 何となくレジ前で売ってるチキンが食べたくなり注文する。
精算中に煙草が目についてカートンで買った。
――買い置きがもう無いはずだよな。高いけどなあ~
とか思いながら支払いを済ませる。
ほぼこれ税金だよな、と苦笑い。
それでも禁煙する気はさらさら無いのだ。
一度禁煙をやってみたものの、食費の方が嵩む上にコレステロール値のほうがヤバくなったことに気がついたのでやめた。
死ぬときは肺がんかもしれないが糖尿病よりはずっとマシだとソレが原因で死んだ、曽祖父を思い出してそう決めたのだ。
男性従業員がお釣りを渡しながら
「あっりがとうございました~」
と唄うように言う。
どこからあんな高い裏返った声が出るのかが不思議だ、と首をひねりつつコンビニを後にした。
××
祐一の住む場所は会社から歩いて40分くらいの場所である。
公共交通機関を使うには近すぎ、徒歩だとちょっとだけ荷物が邪魔に感じる位の距離だ。
いっそ自転車でも買うかと思いつつ気がついたら5年がすぎた。
『まあ、いいか』
この口癖でスルーするのが祐一の常である。
コンビニの袋とカバンを一緒に右手に持ち歩き始める。
公園を通り過ぎ、すぐグレーの壁が見えたら、そのマンションが祐一の自宅である。
公園前でふと気になって子供用の遊具のスペースを見ると、動物の形のオブジェの辺りに人が立っていて、こっちに向かって手を振っている。
「?」
目を凝らしてよく見るとさっきの受付嬢である。
「神谷さん~!」
こっちに向かって歩いてきた。
――えぇ~。今さっき会ったばっかりなのになんで名前を知ってるの!?
かなりびっくりしたが、かわいい女の子が自分に向かって声をかけてくれるのはちょっと嬉しい。
まぁ、普通の男である。
「えと、君に名前を教えたっけ?」
ニコニコ笑いながら近くまでやって来た受付嬢。
「ビルの清掃の方に教えてもらいました。
それより神谷さん、明日何処かにお出かけになるご予定とかはありますか?」
「え、い、いや?」
「わあ、良かった~。
じゃあ明日、私とお出かけとかしませんか?」
!?ちょっと待て。
この子、今なんつった!?
20
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる