【完結】ある日会社の受付に女神様がやって来た  ~ 受付に女神がいたよ ~ 

hazuki.mikado

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 ここまで麗奈が美しく着飾っているのに祐一がジーンズにTシャツとかは許せんッ!

 という母親2人の主張で、スーツに着替えさせられた祐一。

 もっとも彼のスーツは実家には置いていないため慶次のブラックスーツを借りたのだが・・・


「ネクタイを蝶ネクタイにすりゃあ結婚写真っぽくて丁度いいんじゃねーの?」


 と、礼装用の白いネクタイを蝶ネクタイ型に慶次に結ばれ祐一はあっという間に花婿仕様になってしまった。

 色々と器用な神谷一家である・・・


「写真~!

 玄関で取りましょうよ~!

 慶次アンタ、屏風出して!」

「ヘイヘイ」


 美沙が次男を倉庫に走らせる。


 その間に、やたらめったら広い武家屋敷みたいな開けっぴろげの玄関へと祐一にエスコートされて、長い廊下を移動する麗奈。


「こんなことになるとは思って無かったです・・・」


 そう言いながら照れて赤くなる彼女は、背の高い祐一を見上げた。

 礼装姿の彼は例の変装用伊達眼鏡を今は外しており、髪型はふんわりとソフトワックスでオールバック気味に流してあり額に一筋だけ前髪を垂らしていて、石川社長曰く『アイドル』みたいで妙に色気がある。

 麗奈は祐一の隣にいるだけで心臓の動悸がヤバい。

 ちょっとしたきっかけで今にも爆発しそうで恐ろしい位だ―― まぁ多分大丈夫だろうが・・・


「俺もここまで自分の両親がノリがいいとは思わなかったよ・・・」


 本日、何度目かの遠い目になる祐一。


「実は俺、一族の次期宗主候補だった関係で婚姻に関してはするしないに関わらず『寄り合い』の爺共を説得しないといけなかったんだ」

「え?」

「だからさ、爺共を納得させるために麗奈さんと一緒の写真をスマホで撮って『寄り合い』に送るためにお袋にいい感じの写真を撮りたいから、準備しといてって電話で頼んでたんだ」

「そうだったんですね」

「俺んちは、両親より親戚の爺共がうるさいんだよな」


 苦笑いをする祐一。


「麗奈さん、着物似合ってる。

 凄く綺麗だ

 その姿を見ることが出来たんでちょっと得した気分だよ」


 ニコリと眼鏡を外したアイドル張りの男前に微笑まれて、彼女は心臓がちゃんと仕事をしてくれますようにと祈らずにはいられなかった・・・


「あ、ありがとうございます・・・ 祐一さんも凄く素敵です!」


 麗奈の顔は、茹でたての蛸より赤かった・・・




 ××




 鶴と松のおめでたい絵柄が描かれ上品に金箔を散りばめた六扇仕立ての、見るからに古風で立派な屏風を慶次がよっこらしょと運んできて2人の後ろに設置する。


「いい! いいわっ!」

「でしょ! でしょ!」


 玄関の外側から、一眼レフカメラを脚立にセットして激写中の翔吾の後ろで母親2人が手を取り合って飛び跳ねる。

 そしていつの間にかJK化している2人の横では隼雄社長が実に複雑な顔をしながらスマホでビデオ撮影をしていた・・・


「慶次!

 レフ板もっと右上!」


 翔吾の指示が飛ぶ。

 デカくてギラギラと反射するレフ板をやれやれといった感じであらよっと、持ち上げる弟君。


「兄貴、俺の時は絶対に手伝わせてやるからな!」


 祐一は慶次の言葉を耳にして、苦笑いをした。



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