97 / 100
episode4そして貴方と
7話 小説仲間?
しおりを挟む
「決まりませんわ・・・・」
思わず溜息をつくシンシア王女。
「あり過ぎですね。1年分あるんじゃないですか?」
そう言いながら積まれたナイティの山を見渡すリンダ嬢―― 無駄に色っぽいナイティの山に囲まれる4人組である。
「最初シンシア様が選んだものはいわゆるマタニティドレスだったから、色気が皆無だったのです。それとは反対の用途のものばかりなのですから、枚数が多いのは当たり前ですわよ」
ロザリアが呆れ顔である。
因みにマタニティドレスは長袖のモスリン素材のシュミーズと似たような形で露出度は皆無。
どうやらそれは間違って混ざった物らしく慌てて侍女が回収して行ってしまった。
シンシア王女、侍女に行動パターンが読まれているようだ・・・
「枚数が多いのは当たり前? 何故?」
「え、汚れたら着替えるでしょう?」
「え? 汚れ・・・」
「えええ?」
「ああ、そういえば」
ぽんと手を打ち鳴らすシンシア王女。
「恋愛小説でそのような描写が御座いましたわね! 思い出しましたわ」
「そうそう、其れですわ!」
ロザリアの知識の宝庫もソコが源泉だったようである。
「「・・・」」
取り残されたのはミリアとリンダ孃になったようだ。
「えーと、そろそろ帰りますね。これ以上遅くなると怒られちゃうので~~」
コソコソと立ち上がるミリアンヌ。
「あら、じゃあ、お爺様と叔父様に宜しくね」
それを見て微笑むシンシア王女。
「はい、シンシア様もお元気で。陛下に宜しくお伝え下さい」
ミリアが恭しくカーテシーを披露すると、足元に転移魔法陣が広がる。
「それでは皆様御機嫌よう」
そう言うと小さな妖精のような姿が消えてしまう。
「あの方、一体どなたですの? シンシア様のお部屋に居たのでハイドランジアから来た護衛の魔術師かと思ってましたわ」
ポカンと呆けた顔になるロザリア皇女に困った顔で答えるシンシア。
「あの方は神殿の方で、暫くの間護衛をして頂いた方ですわ。隠蔽魔法で姿はほぼ消しておりましたけれど、1度だけ夜会に護衛として付き添っていたので、ロザリア様も1度はお会いしておられますわ」
「そういえば・・・ 居ましたか?」
シンシア王女の顔ばかり見ていたのでどうやら他は覚えていないらしい。
「そうですか。覚えておられないのですね」
ちょっとだけホッとしたシンシア王女である。
「歳の近い子とはあまり接点がないから新鮮だったわ。貴族らしく無くて可愛かったわね。また会えたら良いのに・・・」
「ああ、あの方は確かに貴族ではありませんわ」
それと――
仲良くしないほうが良いかもしれませんよ、恋敵ですからね。
と思ってはいたが、黙って微笑むシンシアとリンダであった。
思わず溜息をつくシンシア王女。
「あり過ぎですね。1年分あるんじゃないですか?」
そう言いながら積まれたナイティの山を見渡すリンダ嬢―― 無駄に色っぽいナイティの山に囲まれる4人組である。
「最初シンシア様が選んだものはいわゆるマタニティドレスだったから、色気が皆無だったのです。それとは反対の用途のものばかりなのですから、枚数が多いのは当たり前ですわよ」
ロザリアが呆れ顔である。
因みにマタニティドレスは長袖のモスリン素材のシュミーズと似たような形で露出度は皆無。
どうやらそれは間違って混ざった物らしく慌てて侍女が回収して行ってしまった。
シンシア王女、侍女に行動パターンが読まれているようだ・・・
「枚数が多いのは当たり前? 何故?」
「え、汚れたら着替えるでしょう?」
「え? 汚れ・・・」
「えええ?」
「ああ、そういえば」
ぽんと手を打ち鳴らすシンシア王女。
「恋愛小説でそのような描写が御座いましたわね! 思い出しましたわ」
「そうそう、其れですわ!」
ロザリアの知識の宝庫もソコが源泉だったようである。
「「・・・」」
取り残されたのはミリアとリンダ孃になったようだ。
「えーと、そろそろ帰りますね。これ以上遅くなると怒られちゃうので~~」
コソコソと立ち上がるミリアンヌ。
「あら、じゃあ、お爺様と叔父様に宜しくね」
それを見て微笑むシンシア王女。
「はい、シンシア様もお元気で。陛下に宜しくお伝え下さい」
ミリアが恭しくカーテシーを披露すると、足元に転移魔法陣が広がる。
「それでは皆様御機嫌よう」
そう言うと小さな妖精のような姿が消えてしまう。
「あの方、一体どなたですの? シンシア様のお部屋に居たのでハイドランジアから来た護衛の魔術師かと思ってましたわ」
ポカンと呆けた顔になるロザリア皇女に困った顔で答えるシンシア。
「あの方は神殿の方で、暫くの間護衛をして頂いた方ですわ。隠蔽魔法で姿はほぼ消しておりましたけれど、1度だけ夜会に護衛として付き添っていたので、ロザリア様も1度はお会いしておられますわ」
「そういえば・・・ 居ましたか?」
シンシア王女の顔ばかり見ていたのでどうやら他は覚えていないらしい。
「そうですか。覚えておられないのですね」
ちょっとだけホッとしたシンシア王女である。
「歳の近い子とはあまり接点がないから新鮮だったわ。貴族らしく無くて可愛かったわね。また会えたら良いのに・・・」
「ああ、あの方は確かに貴族ではありませんわ」
それと――
仲良くしないほうが良いかもしれませんよ、恋敵ですからね。
と思ってはいたが、黙って微笑むシンシアとリンダであった。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
【完結】領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
一体何のことですか?【意外なオチシリーズ第1弾】
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【あの……身に覚えが無いのですけど】
私は由緒正しい伯爵家の娘で、学園内ではクールビューティーと呼ばれている。基本的に群れるのは嫌いで、1人の時間をこよなく愛している。ある日、私は見慣れない女子生徒に「彼に手を出さないで!」と言いがかりをつけられる。その話、全く身に覚えが無いのですけど……?
*短編です。あっさり終わります
*他サイトでも投稿中
忖度令嬢、忖度やめて最強になる
ハートリオ
恋愛
エクアは13才の伯爵令嬢。
5才年上の婚約者アーテル侯爵令息とは上手くいっていない。
週末のお茶会を頑張ろうとは思うもののアーテルの態度はいつも上の空。
そんなある週末、エクアは自分が裏切られていることを知り――
忖度ばかりして来たエクアは忖度をやめ、思いをぶちまける。
そんなエクアをキラキラした瞳で見る人がいた。
中世風異世界でのお話です。
2話ずつ投稿していきたいですが途切れたらネット環境まごついていると思ってください。
最低の屑になる予定だったけど隣国王子と好き放題するわ
福留しゅん
恋愛
傲慢で横暴で尊大な絶世の美女だった公爵令嬢ギゼラは聖女に婚約者の皇太子を奪われて嫉妬に駆られ、悪意の罰として火刑という最後を遂げましたとさ、ざまぁ! めでたしめでたし。
……なんて地獄の未来から舞い戻ったギゼラことあたしは、隣国に逃げることにした。役目とか知るかバーカ。好き放題させてもらうわ。なんなら意気投合した隣国王子と一緒にな!
※小説家になろう様にも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる