【完結】ずっと君を愛してる〜心惹かれる想いを君へ〜

hazuki.mikado

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48 アデライン視点⑥

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 卒業式の答辞で自分の婚約者が壇上に立つとは思っていなかった。

 やはりエイダン・オルコットは優秀なのだわと、堂々とした態度で言葉を紡ぐ姿を在校生の席から見ていてその時に初めて実感した。

 
 成績優秀者でなければあの壇上には立てないからだ。


 ステファンの女性人気がとても高いのは知っていたけれど、彼以上にエイダンが男女共に人気があったらしくて驚いた。

 講堂の出入り口では彼の周りに人集りが出来ていて中々近寄れなかった上に、ステファンが彼のすぐ側にいたせいで『卒業おめでとう』すら言う事ができず、余計に遠巻きにして見てた。


 そのまま人集りが移動した中庭で、初等科の卒業生達の内の1人が彼に向かって声を掛けハンカチをひらひらさせた後で、ステファンに文句を言っていたような気がする。


 ステファンが萎んでたから・・・


 何を言われたのかしら? エディは笑ってるみたいだから、きっと大したことじゃないわね・・・


 でも、声を掛けられない自分が何だか余所者みたいな気分になって、とても淋しいと思ってしまった。


 本来なら婚約者として、彼の隣に居てもいいはずなのに・・・

 幼なじみのステファンとの事があるからあの場所に近寄れない。







 何だか1人で胸がの中がモヤモヤしたのを覚えている。





 
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