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57 ブルーム家
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馬に跨って自分の前に彼女を乗せ、ブルーム侯爵家の領地に向けて出発した。
王都より確実に近いからだ。
彼女自身は実家に迷惑を掛けたくないと思ったらしくて、弟夫妻は今回のステファンの仕出かした事も姉が家出しようとしていた事も知らなかったが、アデラインからの電話を切った後で俺がブルーム侯爵家に前もって彼女を連れて行くかもしれないと電話連絡を入れておいたので、夜にも関わらず彼女の弟夫婦が直ぐに侯爵邸に迎え入れてくれた。
まさか姉とその元夫がこんなに遅くに一緒に来るとは考えてなかったかもしれないが緊急事態だ仕方ない。
エントランスにある電話を借りて俺の弟にも事の顛末を知らせて、明日の自分の予定を変更して今晩はブルーム侯爵家に滞在することを伝えた。
暗い中、王都へ馬で向かうのは良くないとアディの弟に忠告され、宿泊を勧められたからだ。
そして落ち着いた頃、ブルーム家の応接間で彼女が弟夫妻と俺に改めてアイツとの間に何があったのかを説明してくれた――
「まさかこんな事になるとは思いもよらなかったわ・・・」
侯爵家の客間のソファーに座った彼女が呆然と呟いた。
随分疲れているように見える。
――そりゃあそうか。
自分の夫が浮気をして、その相手との間に子供が出来た。無事に生まれたらその子供を引き取って君に育てて欲しい――
そんなことを急に言われてショックを受けない訳がないよな・・・
でもどういった言葉を掛けていいのかが俺にも分からない。
「アディ、大丈夫か?」
「・・・ううん? 身体は平気だけど頭が追い付かない感じよ」
彼女の弟嫁はステファンの今回の仕打ちに対して許すつもりはないらしく、ずっと怒っていて弁護士を立てると言い張っている。
弟も
「今更だけど、やっぱりあの人との結婚を反対しとけば良かった・・・」
と、頭を抱え後悔しているようだ。
「ごめんなさい」
アデラインも苦い顔をした。
王都より確実に近いからだ。
彼女自身は実家に迷惑を掛けたくないと思ったらしくて、弟夫妻は今回のステファンの仕出かした事も姉が家出しようとしていた事も知らなかったが、アデラインからの電話を切った後で俺がブルーム侯爵家に前もって彼女を連れて行くかもしれないと電話連絡を入れておいたので、夜にも関わらず彼女の弟夫婦が直ぐに侯爵邸に迎え入れてくれた。
まさか姉とその元夫がこんなに遅くに一緒に来るとは考えてなかったかもしれないが緊急事態だ仕方ない。
エントランスにある電話を借りて俺の弟にも事の顛末を知らせて、明日の自分の予定を変更して今晩はブルーム侯爵家に滞在することを伝えた。
暗い中、王都へ馬で向かうのは良くないとアディの弟に忠告され、宿泊を勧められたからだ。
そして落ち着いた頃、ブルーム家の応接間で彼女が弟夫妻と俺に改めてアイツとの間に何があったのかを説明してくれた――
「まさかこんな事になるとは思いもよらなかったわ・・・」
侯爵家の客間のソファーに座った彼女が呆然と呟いた。
随分疲れているように見える。
――そりゃあそうか。
自分の夫が浮気をして、その相手との間に子供が出来た。無事に生まれたらその子供を引き取って君に育てて欲しい――
そんなことを急に言われてショックを受けない訳がないよな・・・
でもどういった言葉を掛けていいのかが俺にも分からない。
「アディ、大丈夫か?」
「・・・ううん? 身体は平気だけど頭が追い付かない感じよ」
彼女の弟嫁はステファンの今回の仕打ちに対して許すつもりはないらしく、ずっと怒っていて弁護士を立てると言い張っている。
弟も
「今更だけど、やっぱりあの人との結婚を反対しとけば良かった・・・」
と、頭を抱え後悔しているようだ。
「ごめんなさい」
アデラインも苦い顔をした。
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