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婚約者は・・・お義母様?! 〜可愛いあの娘を手に入れるまでの女装男子の奮闘記〜
34 学園のイケメン
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そう、それはイリーナにとっては偶然の気づきだったのだ――
ある日いつものように学園の昼食時間に女性同士のお喋りに興じていたイリーナ達4人。
「ねえ、学園に転入生が来たんですって、隣国の第2王子様!」
「知ってるわ、私達と同じ学年なのでしょう?」
「親善大使としておいでになってるらしいわね」
友人達3人は食後のお茶を飲みながら身を乗り出すようにしてガゼボのテーブルに顔を寄せ合う。
「めちゃくちゃイケメンなのよね」
「そうそう、きれいなお顔で背が高くていらっしゃるのよね」
「風にあの銀髪が靡く様子が素敵なのよ」
3人は、ウンウンと頷きながらクスクス笑う。
「乗馬の授業で見かけたわ」
「私は剣術クラブの時にわざわざ見に行ったのよ」
「私は隣の教室から出てくるときにすれ違ったの」
ほ~っと溜息をつく少女達。
「イリーナ様はお会いしましたの?」
1人のご令嬢が話に乗ってこないイリーナを振り向いた。
「私は、顔だけ男は苦手なんですの」
扇を広げて口元を思わず隠すイリーナ。
3人が揃って、『ああ・・・』という残念な顔になる。
「そ、そうでしたわね」
「で、でも隣国のお方は、それはもう素敵な方らしいですわ」
「隣のクラスの方々も、それはもう優雅で、礼儀正しいと仰ってましたわよ?」
興味の無いイリーナはふ~んとその場では相槌をうって終わらせたのだが・・・
「ほら、イリーナ様ご覧になってあの方ですわ」
「?」
「例のほら、隣国のお方ですわよ」
「ベンチにお座りになっている中央の方ですわ」
彼女達が見ている方向に確かに人集りができており、中央にキラキラ輝く銀髪の美しい青年が座っていた。
菫のような美しい瞳はまるで紫水晶のように澄んでいて、綺麗な鼻筋の下に薄いピンク色に色づく薄い唇が鎮座している。色白で頬は薔薇色。
温和そうな笑顔で、周りの令息達とお喋りに興じているようだ。
少し離れた所にご令嬢の大群も溜息をつきながら待機していて、大盛況の模様である。
「ホントに美しい方ですわね」
「停戦してからもはや2年以上経ちましたから、お互いに緩やかに国交出来たら良いですわね」
「そうですわねえ」
イリーナの友人達はそんな会話をしながら頬を染め、王子様に見入っている。
「王子様・・・」
眉根が寄って渋顔のイリーナだけが疎外感を感じていた。
隣国といえば自分の父と自分の親子仲を、しかも年に一度の誕生日邪魔した国だ。
好意を持てと言われても持ちにくいのが正直な気持ちである。
その後もずっと父は会議と2国間の調整で奔走していた。
「まあ、人それぞれですね」
そう言って、その場を後にしたイリーナであった。
ある日いつものように学園の昼食時間に女性同士のお喋りに興じていたイリーナ達4人。
「ねえ、学園に転入生が来たんですって、隣国の第2王子様!」
「知ってるわ、私達と同じ学年なのでしょう?」
「親善大使としておいでになってるらしいわね」
友人達3人は食後のお茶を飲みながら身を乗り出すようにしてガゼボのテーブルに顔を寄せ合う。
「めちゃくちゃイケメンなのよね」
「そうそう、きれいなお顔で背が高くていらっしゃるのよね」
「風にあの銀髪が靡く様子が素敵なのよ」
3人は、ウンウンと頷きながらクスクス笑う。
「乗馬の授業で見かけたわ」
「私は剣術クラブの時にわざわざ見に行ったのよ」
「私は隣の教室から出てくるときにすれ違ったの」
ほ~っと溜息をつく少女達。
「イリーナ様はお会いしましたの?」
1人のご令嬢が話に乗ってこないイリーナを振り向いた。
「私は、顔だけ男は苦手なんですの」
扇を広げて口元を思わず隠すイリーナ。
3人が揃って、『ああ・・・』という残念な顔になる。
「そ、そうでしたわね」
「で、でも隣国のお方は、それはもう素敵な方らしいですわ」
「隣のクラスの方々も、それはもう優雅で、礼儀正しいと仰ってましたわよ?」
興味の無いイリーナはふ~んとその場では相槌をうって終わらせたのだが・・・
「ほら、イリーナ様ご覧になってあの方ですわ」
「?」
「例のほら、隣国のお方ですわよ」
「ベンチにお座りになっている中央の方ですわ」
彼女達が見ている方向に確かに人集りができており、中央にキラキラ輝く銀髪の美しい青年が座っていた。
菫のような美しい瞳はまるで紫水晶のように澄んでいて、綺麗な鼻筋の下に薄いピンク色に色づく薄い唇が鎮座している。色白で頬は薔薇色。
温和そうな笑顔で、周りの令息達とお喋りに興じているようだ。
少し離れた所にご令嬢の大群も溜息をつきながら待機していて、大盛況の模様である。
「ホントに美しい方ですわね」
「停戦してからもはや2年以上経ちましたから、お互いに緩やかに国交出来たら良いですわね」
「そうですわねえ」
イリーナの友人達はそんな会話をしながら頬を染め、王子様に見入っている。
「王子様・・・」
眉根が寄って渋顔のイリーナだけが疎外感を感じていた。
隣国といえば自分の父と自分の親子仲を、しかも年に一度の誕生日邪魔した国だ。
好意を持てと言われても持ちにくいのが正直な気持ちである。
その後もずっと父は会議と2国間の調整で奔走していた。
「まあ、人それぞれですね」
そう言って、その場を後にしたイリーナであった。
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