助けたいだけなのに、なんでみんなぼくを離してくれないの?~魔力を狙われてるはずが全員に執着されてます~ 【第3巻】

帰り花

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第四部 崩壊と救済

魔力補給

 意識は、なかった。

 でも——感じていた。

 温かかった。

 何かが、ぼくの身体に触れていた。

 複数の、温かいものが。

 魔力だった。

 ぼくの中に、流れ込んでくる魔力だった。

「……っ」

 声が、出た気がした。

 何かが、唇に触れた。

 口づけだった。

 誰のものかわからなかった。

 でも——魔力が、流れ込んできた。

「っ……」

 別の誰かが、首筋に触れた。

 また別の誰かが、胸に触れた。

 もう一人の人が、身体の奥に触れた。

 さらに別の人が、手を握った。

 全部、同時だった。

 全部、温かかった。

 魔力が、流れ込んでくるたびに——身体の奥が、じんわりと温かくなった。

「っ……ん……」

 声が、止められなかった。

 意識は、まだ遠かった。

 でも——感じていた。

 全部を、感じていた。

 

 どのくらい経ったかわからなかった。

 少しずつ——意識が戻ってきた。

「……っ」

 目が、開いた。

 天井が、見えた。

 遺跡の天井だった。

 文様が、穏やかに光っていた。

「……リオン」

 カイの声が、聞こえた。

「……カイ」

「……意識が戻ったか」

「……うん」

 カイが、ぼくの唇に口づけていた。

 深くて、確かな口づけだった。

 舌が入ってきていた。

 魔力が、舌を通してぼくの中に押し込まれてくるみたいだった。

 ただの口づけとは違った。

 もっと深くて、もっと確かで——カイの気持ちが、そのまま流れ込んでくるみたいだった。

「っ……んぅ」

「……意識が戻ったなら、もっとよく感じろ」

 カイが、唇を離さずに言った。

「……っ」

 レオンハルトが、ぼくの首筋に口を当てていた。

 やわらかい唇と舌で、やさしく首筋をなぞっていた。

 魔力が、皮膚を通して、ぼくの血管に沿って流れ込んでくる感覚があった。

「っ……んっ……」

「……大丈夫か、リオン」

 レオンハルトが、一瞬だけ離れて聞いた。

「……うん……っ大丈夫」

「……そうか。では、続ける」

 また、首筋に唇が戻ってきた。

 今度は、さっきより力を込めて吸った。

 痛くはなかった。

 でも——強くて、確かだった。

「っ……んっ……」

 ゼインが、ぼくの胸に、魔力の流れを確かめるように触れていた。

 指先で、乳首をゆっくりと、円を描くように転がした。

「っ——!」

「……声を抑えるな」

 ゼインが、静かに言った。

「……っあ……ゼイン……」

 ゼインの指が、乳首を摘まんで、軽く引いた。

 それから、舌が、乳首に触れた。

 最初は軽く舐めるだけだった。

 それから——強く吸い上げた。

「っあ——!」

 魔力が、その場所から大量に流れ込んできた。

 そこが弱いのを、ゼインは知っていた。

 知った上で、的確に触れていた。

 セフィの指が、ぼくの後ろをなぞっていた。

「……力を抜け」

「っ……」

 指が、一本、中に入ってきた。

「っ——!」

 ゆっくりと、奥の形を確かめるように動いた。

「……ここだ」

 奥の、特定の場所を押した。

「っ——あ——!」

 そこを押されるたびに、魔力が深いところから湧き上がってくるように感じた。

「っ……セフィ……っ」

「……ここにいる」

 指が、二本に増えた。

 少しずつ、奥を広げながら動かした。

 その動き方は、正確だった。

 どこを押せばぼくが最も感じるかを知っていて、そこを外さなかった。

 エルシオンが、ぼくの手を握っていた。

 指先から、穏やかに魔力を流し込んでいた。

「……リオンさん、大丈夫ですか」

「っ……エルシオン、さん……っあ——」

「……ここにいます。力を抜いて」

 エルシオンの魔力は、他の四人と違った。

 手を握られているだけで、じんわりと魔力が広がっていく感覚があった。

 

 カイの口づけが、さらに深くなった。

 舌が、ぼくの口の中を丁寧に動いた。

 魔力が、口の中を満たすように流れ込んできた。

「っんぅ——」

 レオンハルトの唇が、首筋から耳元へ動いた。

 耳朶を、そっと含んだ。

 温かかった。

 湿った唇が、耳の縁をゆっくりとなぞった。

 それから、舌先が耳の内側まで入ってきた。

「っ——!」

 耳から、魔力が流れ込んできた。

「っ……んっ……」

「……ここも、流れやすいな」

 レオンハルトが、耳元で静かに言った。

 熱い息が、耳にかかった。

 それだけで、身体が震えた。

「っ……レ、レオン……っあ——」

 ゼインが、片方の乳首を指で転がしながら、もう片方を舌で吸い上げた。

「っあ——!」

「……どちらから、より流れる」

 ゼインが言った。

「っ……りょう、ほう……っあ——」

「……そうか」

「っあ——!」

 ゼインは答えながら、両方への愛撫をさらに激しくした。

 口と指を入れ替えながら、交互に。

 舌が乳首を押しつぶすように動くたびに、魔力が大量に流れ込んできた。

「っ……んっ……」

 セフィの指が、奥でゆっくりと動いた。

 三本になっていた。

「っ——あ——あ——」

「……お前の魔力の流れが、ここで特に大きい」

「っ……知って……る……っあ——」

「……だから、ここを使う」

 セフィは、淡々と言いながら、正確に奥を押し続けた。

 感情のない声だったけれど、ぼくが声を上げるたびに、指の動きが激しくなった。

「っ——!!」

 エルシオンの手が、ぼくの性器に触れた。

「……ここからも、流れます」

「っ……っあ——エルシオンさん——」

「……嫌じゃないですか」

「っ嫌じゃ……な、ない……っあ——」

 エルシオンの手が、ゆっくりと動き始めた。

 指が、根元から先端まで、丁寧に動いた。

 先端を親指でなぞった。

「っ——!!」

 魔力が、そこから流れ込んできた。

 五人の魔力が、一度にぼくの中に流れ込んでいた。

 カイは口から、レオンハルトは耳から、ゼインは胸から、セフィは奥から、エルシオンは性器から。

 それぞれが、それぞれのやり方で。

「っ——あ——あ——!」

 波が、来た。

「っ——!」

 身体が、震えた。

 声が、止められなかった。

 光が、少し溢れた。

 

 カイが、唇を離した。

「……まだ足りない。もっと入れた方がいい」

 カイの熱くて硬いものが、ゆっくりと、深いところに入ってきた。

「っ——んぅ——!」

 息が、止まった。

 押し広げられていく感覚があった。

 カイの形が、ぼくの奥の形を変えていくみたいだった。

「……っ」

 カイの魔力が——これまでとは比べ物にならない量で、流れ込んできた。

 接触が深い分、魔力の流れが深くなった。

 身体の奥から、カイの魔力が広がっていくのを感じた。

 温かくて、強くて——カイそのものが、ぼくの中に入ってきているみたいだった。

 奥の、一番深いところまで、届いていた。

「っあ——!」

「……声、出せよ」

「……っあ……カイ……っあ——」

 カイが、動き始めた。

 ゆっくりと、でも確実に深いところを押した。

 その動きに合わせて、魔力の流れが波のように来た。

「っ……んっ……」

 エルシオンの唇と、ぼくの唇が重なった。

 ぼくの舌が、エルシオンの魔力を求めるように動いた。

 エルシオンの舌が、そんなぼくの舌をなだめるように、やさしく動いた。

 カイの魔力とエルシオンの魔力が——同時に来ていた。

「っ……んっ……んぅ——」

 同時に満ちていく感覚が、頭の中を真っ白にした。

 セフィが、ぼくの性器を手で扱き始めた。

「っ——!!」

「……こうした方が流れが増す」

「っ……セフィ……っあ——」

 セフィの手は、正確だった。

 どこに触れれば魔力が流れるかを知った上で、的確に動いた。

 先端を親指で押しながら、もう片方の手で根元から擦り上げた。

「っ——!」

 レオンハルトが、耳への愛撫を続けた。

 舌で耳の輪郭を辿りながら、魔力を流し込んだ。

「っ……レオン……っ」

 ゼインの唇が、乳首から腹部へ移動した。

 お臍の周りを、舌で辿り始めた。

「っ——!」

「……ここも流れ道だ」

 ゼインが言った。

 舌先でお臍の中をなぞった。

「っ……知らなかった……っあ——」

「……そうか」

 ゼインは淡々と続けた。

 舌が、お臍から腹部全体を広く辿った。

 それから、またお臍に戻った。

 中を押しながら、魔力を流し込んだ。

「っあ——! ゼイン——っ」

「俺を忘れるなよ」

 カイの動きが、一段と激しくなった。

「っあ——あ——カイっ!」

「……っ」

 エルシオンの口づけが、深くなった。

 奥深くまで、舌が入ってきた。

「っ……んぅ——」

 セフィの手が、速くなった。

「っ——!」

 レオンハルトの唇が、耳から首筋に戻って、強く吸った。

「っあ——!」

 カイが、奥の、一番深いところを押した。

「っ——!!!」

 五方向から、全部が同時に来た。

「っ——あ——あ——!!」

 波が、来た。

 大きな波が。

「っ——!!!」

 身体が、大きく震えた。

 それでも、カイの動きは止まらなかった。

「っ……んっ……カイ……っ」

「……まだだ」

 カイの目が、ぼくを見ていた。

 暗くて、深い目だった。

 何かをこらえながら、でも離さない、という目だった。

「っ……わかって……る……っあぁ——!」

「……お前が全部受け取るまで、止めない」

「っ——!!」

 カイの声が、低くなっていた。

 それが耳に届くたびに、また身体が震えた。

 カイの動きが、また深くなった。

 奥の、一番深いところを繰り返し押した。

「っ——!!」

「……っ、リオン」

 カイが、ぼくの名前を呼んだ。

 いつもとは違う呼び方だった。

 低くて、かすれていた。

 それだけで——また、波が来た。

「っ——!!」

 光が、溢れた。

 再生律の光が。

「……っ」

 でも——終わりじゃなかった。



 カイが、ゆっくりと離れた。

 ゼインが、腹部への愛撫をやめて、ぼくの前に来た。

「……」

 何も言わなかった。

 でも、目が——ぼくを見ていた。

 その目の奥に、何かがあった。

 いつもの冷たさとは、少し違うものが。

「……リオン」

 ゼインのものが、入ってきた。

 カイとは違った。

 カイは熱くて、押し込んでくる感じがあった。

 ゼインは——冷静だった。

 でも、それが——かえってぞくぞくした。

 どこを押せばぼくが声を上げるか、確かめながら入ってくるから。

 じわじわと、奥の形を確かめながら、入ってきた。

 入れたまま、動かさずに——奥を押した。

「っ——あ——」

「……ここか」

「っ——! そこ——っあ——」

 見つけた瞬間、ゼインの目が変わった。

「……」
 
 ゼインは何も言わなかった。

 ただ、続けた。

 ぼくが声を上げるたびに——また、同じ場所を押した。

 逃げられなかった。
 
 同じ場所を、繰り返し、繰り返し押した。

「っあ——あ——!」

「……」

「っ……ゼイン……そこ、ばっかり……っあ——」

「……ここが、一番流れる」

「っ……わかって……る……でも……っあ——!」

 ゼインの声は、冷静だった。

 同じ場所を、ひたすら押し続けた。

「っあ——あ——!」

 ぼくの声は、止まらなかった。

 カイが、ぼくの耳元に来た。

「っ……カイ……っ」

 カイの舌が、耳朶を辿った。

 それから、耳の内側まで舌を入れた。

「っ——!」

「……ここが弱いのは、知ってた」

 カイが、耳元で低く言った。

 その声の振動が、耳の中に響いた。

「っ……ずる……い……っあ——」

 レオンハルトが、ぼくの性器に手を当てた。

「……リオン」

「っ……レオン……っあ——」

「……こちらから、補う」

 レオンハルトの手が、ゆっくりと動いた。

 丁寧に、根元から先端まで。

 先端を、指の腹で丁寧になぞった。

 魔力が、そこから流れ込んできた。

「っ——!」

 セフィが、ぼくの腹部に来た。

 お臍の周りを、舌でゆっくりとなぞった。

「っ——!!」

「……お前は、ここも弱い」

「っ……セ、セフィ……っあ——」

 セフィの舌が、お臍の中をゆっくりと押した。

 押しながら、魔力を流し込んだ。

「っ——!!」

 エルシオンが、また深く、口づけた。

 舌を絡め合いながら、魔力を流し込んできた。

「っ……んぅ——エルシオンさん……っ」

 五人の魔力が、またぼくの中で合わさった。

 ゼインの動きが、強くなった。

 さっき見つけた場所を、もっと正確に、もっと強く押した。

「っあ——あ——!」

 全部が、同時に来た。

「っ——!!!」

 波が、また来た。

 さっきより大きかった。

 身体が、大きく震えた。

 ゼインの動きは、緩まなかった。

「っ……んっ……まだ……?」

「……まだだ」

 カイが、耳元で言った。

「っ……わかった……っあ——」

 ゼインが、また深く動いた。

「っ——!!」

 波が、もう一度来た。

 光が、さらに強く溢れた。

 


 ゼインが、ゆっくりと離れた。

 レオンハルトが、ぼくの前に来た。

「……リオン」

「っ……レオン……」

「……いいか」

「……うん」

「……本当に、いいか」

「……うんっ。挿れてっ」

 ぼくは急に恥ずかしくなって、手で顔を覆った。

 レオンハルトは小さく笑うと、ゆっくりと腰を進めた。

 カイやゼインとは、また違う感覚だった。

 慎重で、丁寧で——でも、確実に深かった。

 押しつけるんじゃなくて、ぼくの身体に沿わせるように入ってきた。

「っ——んぅ——」

「……大丈夫か」

「……うん……っあ」

「……そうか。では、続ける」

 レオンハルトが、動き始めた。

 カイやゼインより、ゆっくりだった。

 でも——一回ごとの動きが、深かった。

 奥の奥まで、届いていた。

「っ……レオン……っあ——」

 その声を奪うように、カイが、ぼくの唇に深く口づけた。

 舌を絡めながら、魔力を押し込んできた。

「っ……んぅ——カイ……っ」

 ゼインが、舌先で、ぼくのお臍の中をゆっくりとなぞった。

「っあ——!」

 それから、腹部全体を広く舌で辿った。

「っ……ゼイン……っあ——」

 セフィの手が、ぼくの性器に触れた。

「っ……セフィ……っあ——」

 セフィの手は、先端を重点的に扱いた。

 魔力が流れやすい場所を知っていた。

 エルシオンが、ぼくの乳首に触れた。

「……リオンさん」

 指先で、転がすように。

「っ……エルシオンさん……っあ——」

「……ここからも、流します」

 エルシオンの指が動いた。

 それから、唇が、乳首を優しく含んだ。

「っ——!!」

 エルシオンの舌が、ゆっくりと乳首を押した。

 転がした。

 吸い上げた。

 それぞれの動作の間に、少し間を置きながら。

「っ……エルシオンさん……っあ——」

 五人の魔力が、また流れ込んできた。

 レオンハルトの動きは、ゆっくりだけど——深かった。

「っ……レオン……っあ——」

 カイの口づけが、深くなった。

「っんぅ——」

 ゼインのお臍への愛撫が、広がった。

 腹部全体を舌で辿ってから、またお臍に戻る。

「っあ——! ゼイン——っ——」

 セフィの手が、速くなった。

「っ——!!」

 エルシオンの舌が、乳首を強く吸い上げた。

「っあ——!」

 全部が、同時に来た。

「っ——あ——あ——!」

 波が、来た。

「っ——!!!」

 身体が、震えた。

 光が、溢れた。

 再生律の光が、強く輝いた。

 

「……まだか」

 カイが言った。

「……あと少しだ。もう少しで、足りる」

 セフィが答えた。

「……リオンさん」

 エルシオンが、ぼくを見た。

「……はい……」

「……私も——挿れていいですか」

 その目に——何かがあった。

 贖罪だけじゃなかった。

 もっと、深いところにある何かがあった。

「……うん」

 エルシオンが、ぼくの前に来た。

 ゆっくりと、入ってきた。

「っ——んぅ——」

 エルシオンは——誰とも違う感覚だった。

 何千年もの時間を生きてきた存在の、重さがあった。

 押しつけるんじゃなかった。

 じわりと、奥まで届いた。

 カイは熱くて強かった。ゼインは正確だった。レオンハルトは深かった。

 エルシオンは——丁寧だった。

 押し込んでくるんじゃなくて、ぼくの中に、静かに満ちてくるみたいだった。

「っ……エルシオンさん……っ」

「……リオンさん」

「っ……っあ——」

 エルシオンが、動き始めた。

 急がなかった。

 でも、一回ごとに——ぼくの奥の、感じる場所を丁寧に押した。

 どこで声が大きくなるかを確かめながら、そこを外さないように動いた。

「っ……んっ……」

「……大丈夫ですか」

「……うん……っあ——」

「……そうですか」

 カイが、舌で、耳の内側を辿った。

「っ——!」

 ゼインが、乳首を指で転がしながら、もう片方を吸い上げた。

 どちらがより感じるか確かめながら、強弱をつけて続けた。

「っあ——! ゼイン——っ」

 レオンハルトが、ぼくの性器に口を近づけた。

「……リオン」

「っ……レオン……っ」

 レオンハルトの舌が、先端に触れた。

「っ——!!!」

「……ここからも、流せる」

「っ……レオン……そこは……っあ——」

「……そうだな。でも——流れやすい」

 レオンハルトが、口の中に深く含んだ。

 熱かった。

 濡れていた。

 舌が、先端を押しながら、絡みついた。

 吸い上げた。

「っ——!!!!」

 頭の中が、白くなった。

 ぼくの腰が、無意識に持ち上がって、押し付けていた。

 止められなかった。

「っあ——レオン——!!」

「……っ」

 レオンハルトは、離れなかった。

 そのまま、続けた。

 吸い上げながら、舌を動かした。

 魔力が、そこからどんどん流れ込んできた。

 セフィが、ぼくのお臍の中を、舌先でゆっくりと押した。

「っ——!!」

 エルシオンの動きが、深くなった。

 ぼくが声を上げた場所を、繰り返し擦り上げた。

「っ……んぅ——エルシオンさん……っ」

「……リオンさん」

「っあ——」

「……ありがとうございます。こうして——ここにいてくれて」

「っ……エルシオンさん……っあ——」

 五人の魔力が、ぼくの中で合わさった。

 エルシオンのものも、確かにその中にあった。

「っ——あ——あ——!」

 波が、来た。

「っ——!!」

 身体が、震えた。

 光が、また溢れた。

 

「……最後だ」

 セフィが言った。

 エルシオンが、ゆっくりと離れた。

 セフィが、ぼくの前に来た。

「……お前を守ると決めた。最後まで、守る」

「……うん」

 セフィが、入ってきた。

「っ——!!」

 息が、止まった。

 カイのときとも、ゼインのときとも、レオンハルトのときとも、エルシオンのときとも——全然違った。

 奥が、広がっていく感覚があった。

 でも、それだけじゃなかった。

 そこから、何かが、ぼくの中に流れ込んできた。

 契約の力だった。

「っ……っあ——」

 熱かった。

 でも、熱いだけじゃなかった。

 身体の一番深いところが、震えていた。

「っ……セフィ……これ——っ」

「……契約の力だ。受け取れ」

 ただ入れられているんじゃなかった。

 セフィの力が、ぼくの力に、溶け込んでくるみたいだった。

「っ——!!」

「……力を抜け」

「っ……セフィ……っあ——」

「……ここにいる」

 セフィが動き始めた。

 ゆっくりだった。

 でも——一回ごとが、深くて、確かだった。

 奥の奥まで届いて、契約の力が再生律に触れた。

「っ……んぅ——」

 カイが、ぼくに深く、口づけた。

 舌が絡みついて、離さなかった。

 魔力が、舌先から流れ込んできた。

「っ……んぅ——カイ……っ」

 カイの口づけは、いつもよりさらに深かった。

 舌がぼくの口の中全体を動いた。

 まるで、全部を飲み込もうとするみたいに。

「っ……んんっ……」

 レオンハルトの舌が、先端から根元まで、丁寧になぞった。

 それから、深く含んだ。

 舌を絡めながら、吸い上げた。

「っあ——レオン——!!」

 ゼインの舌は、激しかった。

 真っ赤に腫れた乳首を強く吸って、舌で押しつぶした。

「っあ——! ゼイン——っ——」

「……」

 ゼインの目が、ぼくを見ていた。

 ぼくの反応を、見ていた。

 どこが弱いか。どこで声が大きくなるか。

 それを確かめながら——ゆっくりと、乳首に歯を当てた。

「っあぁーー!それっ、だめっーー!」

 ゼインの目が、細くなった。

 見つけた、と言うように。

 それから——また、同じ場所に歯を当てた。

「っあ——!」

「……ここか」

「っ……そこ……っあ——!」

「……そうか」

 ゼインは、それだけ言った。

 また歯を当てて、舌で押した。

 吸い上げながら、また歯を当てた。

「っあ——あ——!」

 エルシオンが、反対側の乳首を、包むように唇に含んだ。

 ゼインの激しさとは対照的な、穏やかな愛撫だった。

 やわらかかった。

 温かかった。

 舌が、乳首の先を、ゆっくりと押した。

「っ……んっ……」

 押して——転がした。

 転がして——また押した。

 急がなかった。

 でも、その穏やかさが——かえって、じわじわと来た。

「っ……エルシオンさん……っあ——」

「……流れていますか」

「っ……流れて……る……っあ——」

「……では、もう少し」

 エルシオンの舌が、乳首の周りを、ゆっくりと円を描くように動いた。

 それから、中心を、また押した。

「っ——!!」

 ゼインが強く吸い上げ歯をたてるタイミングで、エルシオンはやさしく舌で転がして押し潰した。

 その二つが——同時だった。

「っあ——あ——!」

 激しさと、穏やかさが、左右から同時に来た。

 どちらに集中すればいいかわからなかった。

 どちらも、強かった。

「っ……どっちも……っあ——!」 

 セフィの動きが、さらに深くなった。

 契約の力が、再生律と共鳴した。

 その瞬間、ぼくの中で何かが大きく動いた。

 魔力が——あちこちから一度に、ぼくの中に満ちてきた。

「っ——!!」

 光が、溢れ始めた。

「っあ——あ——!」

「……来る」

 セフィが言った。

「……っ——わかる——っあ——!」

「……受け取れ」

 その一言が、落ちた瞬間。

 全員が、同時に動いた。

 カイの口づけが、さらに深くなった。

 舌が、ぼくの口の中を満たすように動いた。

「っんぅ——!」

 レオンハルトの口が、強く吸い上げた。

「っ——!!!」

 ゼインの舌が、乳首を強く押し潰した。

「っあ——!」

 エルシオンの唇が、反対側の乳首をやさしく吸い上げた。

「っ——!!」

 セフィの動きが、一段強くなった。

 契約の力が、再生律の力と、完全に重なった。

 全部が、一度に来た。

 逃げ場が、なかった。

 上から。下から。左から。右から。奥から。

 全方向から、同時に。

「っ——あ——!!」

 頭の中が、真っ白になった。

 五人の魔力が——一つになった。

 カイの熱さが。

 ゼインの正確さが。

 レオンハルトの深さが。

 エルシオンの穏やかさが。

 セフィの契約の力が。

 全部が、ぼくの中で、一度に弾けた。

「っ——!!!」

 光が、弾けた。

 大きな光が。

 遺跡の文様が、一瞬、強く輝いた。

 ぼくの身体から、再生律の光が大きく溢れた。

 白くて、温かい光が。

「っあぁぁぁっ!!」

 静寂が、落ちた。

 

 光が、収まっていった。

 ゆっくりと。

 ぼくは、しばらく、動けなかった。

 息を整えた。

「……っ」

 身体の中が——満ちていた。

 魔力が、完全に戻っていた。

「……」

 手のひらを見た。

 再生律の光が、穏やかに、安定して宿っていた。

「……戻った」

 ぼくは、呟いた。

「ああ。完全に、戻っている」

 セフィが言った。

 ぼくは、天井を見た。

 文様が、穏やかに光っていた。

 手のひらの光が、穏やかに輝いていた。

 全員が、ここにいた。

 ぼくは、生きていた。
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 クロックストーン王国の若き宰相フェルは、眉目秀麗で卓越した頭脳を持っている――と評判だったが、それは全て努力の結果だった! 完璧主義である僕は、魔術の腕も超一流。ということでそれなりに平穏だったはずが、王道勇者が召喚されたことで、大変な事態に……というファンタジーで、宰相総受け方向です。

お忍び中の王子様、毎日路地裏の花屋に通い詰めては俺を口説くのをやめてください。~公務がお忙しいはずでは?~

メープル
BL
不愛想な店主・ネイトが営む小さな花屋の軒先には、雨音に混じって場違いな男が立ち尽くしていた。 不審者と決めつけたネイトが、迷わず足元の如雨露の冷水を浴びせると――フードの下から現れたのは、整った顔立ちの男、ヴァンスだった。 ​以来、ヴァンスは毎日のように店に現れるようになる。 作業台の隅に居座り、ネイトが淹れる安い茶を啜りながら、ハサミの鳴る音を黙って眺める日々。 自分を王子とも知らないネイトの不遜な態度に、ヴァンスはただ優しく目を細めていた。

アルファたちの婚前交渉事情 ~オメガと番いたい俺の受難~

田中 乃那加
BL
 ここはオメガと番になりたいというのは全アルファの願い――という世界。  佐藤 飛鳥 (さとう あすか)も例に漏れず。  とはいってもかつては希少かつ優秀な種であったアルファも、今や数が増えてベータに並ぶほど。  対して相変わらず数が少なく保護対象にさえなっているオメガと結ばれるためには、想像を絶する競争率を勝ち抜かねばならない。  しかし。  彼には巨大な障壁が立ちはだかっていた――!  幼なじみでハイスペック男、アルファの代表のような男。  佐藤 龍一郎 (さとう りゅういちろう)である。  引き立て役なんてごめんだと単独でアルファ×オメガの婚活を始めるものの、龍一郎は飛鳥がいい感じになったオメガばかりをかっさらう。 『いい加減にしろッ!!』  そう怒鳴りつけるも知らなかった。このコミュ力お化け&容姿端麗&実家極太、な正真正銘のアルファの恐ろしさを…………。 ※性癖MAXゆっくり更新しとります