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65 勇者の剣と魔王の剣5
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魔王宮で王座に座っていた1000年魔王ザラに、母親の最高位の魔女サバトが聞いた。
「今、人間界への連結空間を開く特異ポイントの前で立ちふさがるのは、炎人バーンだけです。いかに序列第1位とはいえ、3億の魔族の軍勢を差し向けるとは多すぎませんか。」
「私は魔神グリゲイドをマスターとして剣術や戦い方を教わった。それに対して、炎人バーンはおもり役として、戦い以外の幅広いことを教えてもらった。だからバーンの力はわからない。でも唯一わかっていることがある。あの者はおくゆかしいがゆえに、ほんとうの力は誰も見たことがない。わからない。」
「ほんとうに、そんなに強いのでしょうか。 」
「子供の頃、面白半分にマスターのグリゲイドに聞いたことがある。『バーンの力はグリゲイドと同じくらいなのか? 』、そうしたらマスターは笑って答えた。『バーンのほんとうの力は、底のしれない深海のようです。だだ、いつも表面はおだやかな海面のようですから、私と同じくらいに見えるのです。』」
「そのようにバーンが強いと、魔族の軍勢が人間界への連結空間を通ることができません。」
「大丈夫だ。いかにバーンが強くても、『魔王の剣』業火と一体になった私の力には数段劣るぞ。」
人間界への連結空間が開く魔界の特異ポイントの前で、炎人バーンは広大な火炎の砦を築いた。
火炎は存在しうる最高の高温で燃えさかり、進軍してきた魔族の軍隊をつぎつぎと飲み込み、消滅させていった。
最初のわずかな時間で、1億の魔族が火炎の中で消滅していった。
魔族の中には水系や氷雪系の魔力を持つものもいたが、全く問題にならなかった。
すると、魔族の進軍がピタリと止り後退していった。
やがて、1000年魔王ザラが一瞬で火炎の砦の前に立った。
「おじさま。見事な火炎の砦だな。魔力をできるだけ消費しないように、防御に特化したすばらしい戦術だと思う。ところで、なぜ私に逆らうのだ。子供の頃からのおもりをした私を助けてくれても良いではないか。人間界に大侵攻して、人間を大殺戮する快感は最高だぞ。」
ザラの問い掛けに対して、火炎の砦の中からバーンは答えた。
「ザラ様。あなたは今、『魔王の剣』業火に完全に心を支配されています。ですから、今お考えになっていることが自分のものではないということにお気づきください。人間界への大侵攻の後に残るのは、悲しみ、憎しみ以外の何もありません。暗黒の暗い未来しかなくなるのです。」
「おかしなことを言うな。魔族が人間を完全に打ちのめし支配下におけば、魔族にとって栄光の明るい未来しか残らないではないか。人間は魔族の敵だ。自分達のことしか考えない最低の生き物だ。人間も我々を完全に打ちのめし支配下におこうと、いつもねらっているのだぞ。」
「ザラ様は既に人間のすばらしさを知っていらっしゃいます。人間の中で最もすばらしい人間、勇者ランスロはあなたの婚約者なのですよ。」
「ラ ン ス ロ …」
1000年魔王ザラは頭を押さえてそこにうずくまった。
そして、しばらく彼女の心の中で戦いが行われたようだったが、業火の力が勝った。
ザラは再び立ち上がり、『魔王の剣』業火を鞘さやから抜いた。
「炎人バーンよ。やはり心の底から私を裏切ったようだな。死をもって償え! 」
業火が振られた。
剣筋から地獄の炎が起り、強大な突風とともに、バーンが起している火炎の砦を吹き消した。
それだけではなく、炎人バーンにかなりのダメージを与えた。
炎人の炎が全て消え、長い髪で傷だらけの顔になった。
中年で、さまざまなことを刻みつけた重みのある顔だった。
「最高の苦しみを与えて殺してや――――」
ザラは再び頭を押さえ、とても苦しそうな顔をした。
「おじさま。すいません――――苦しまないように一瞬で殺してやる。」
炎人バーンは心の底で思った。
(ザラ様。心の中で精一杯、業火に抵抗していただいたのですね。)
そして微笑み、全てを受け入れて目をつぶった。
ザラは再びバーンに向かって「魔王の剣」業火を振った。
その時、バーンのすぐ前で緑色の剣がそれをさえぎった。
勇者ランスロだった。
「ラ ン ス ロ ……なぜここに来たんだ。私と戦わなければならなくなる……」
1000年魔王ザラは何回も首を振った。
「ザラさん。何年ぶりでしょうか……戦うのではありません! 僕はあなたが振るう業火を全て受け止めます! 手加減なしで問題ありません。」
「うぁ――――――――っ 」
ザラがランスロに向かって、『魔王の剣』業火を何回も降り始めた。
それは、1000年魔王が振る最速の速さで最強の強さをもつ剣だった。
ランスロは完全に押されていたが、わずかな瞬間に何万回も振られる剣筋を正確に読み、緑の剣で受け止め続けていた。
緑の剣は業火の炎を受け、熱せられ続けた。
溶かされないように、ランスロは自分の神聖の覇気を緑の剣に注ぎ続けた。
正確な防御を受けて、ザラは連続攻撃を一瞬止めランスロとの間合いがとられた。
それとともに、緑の剣の温度が下がった。
その時、ランスロが手に持っていた緑の剣が、緑色のまばゆい光りを放ち始めた。
それは、全ての者を癒いやす光り。
「勇者の剣」希望だった。
「今、人間界への連結空間を開く特異ポイントの前で立ちふさがるのは、炎人バーンだけです。いかに序列第1位とはいえ、3億の魔族の軍勢を差し向けるとは多すぎませんか。」
「私は魔神グリゲイドをマスターとして剣術や戦い方を教わった。それに対して、炎人バーンはおもり役として、戦い以外の幅広いことを教えてもらった。だからバーンの力はわからない。でも唯一わかっていることがある。あの者はおくゆかしいがゆえに、ほんとうの力は誰も見たことがない。わからない。」
「ほんとうに、そんなに強いのでしょうか。 」
「子供の頃、面白半分にマスターのグリゲイドに聞いたことがある。『バーンの力はグリゲイドと同じくらいなのか? 』、そうしたらマスターは笑って答えた。『バーンのほんとうの力は、底のしれない深海のようです。だだ、いつも表面はおだやかな海面のようですから、私と同じくらいに見えるのです。』」
「そのようにバーンが強いと、魔族の軍勢が人間界への連結空間を通ることができません。」
「大丈夫だ。いかにバーンが強くても、『魔王の剣』業火と一体になった私の力には数段劣るぞ。」
人間界への連結空間が開く魔界の特異ポイントの前で、炎人バーンは広大な火炎の砦を築いた。
火炎は存在しうる最高の高温で燃えさかり、進軍してきた魔族の軍隊をつぎつぎと飲み込み、消滅させていった。
最初のわずかな時間で、1億の魔族が火炎の中で消滅していった。
魔族の中には水系や氷雪系の魔力を持つものもいたが、全く問題にならなかった。
すると、魔族の進軍がピタリと止り後退していった。
やがて、1000年魔王ザラが一瞬で火炎の砦の前に立った。
「おじさま。見事な火炎の砦だな。魔力をできるだけ消費しないように、防御に特化したすばらしい戦術だと思う。ところで、なぜ私に逆らうのだ。子供の頃からのおもりをした私を助けてくれても良いではないか。人間界に大侵攻して、人間を大殺戮する快感は最高だぞ。」
ザラの問い掛けに対して、火炎の砦の中からバーンは答えた。
「ザラ様。あなたは今、『魔王の剣』業火に完全に心を支配されています。ですから、今お考えになっていることが自分のものではないということにお気づきください。人間界への大侵攻の後に残るのは、悲しみ、憎しみ以外の何もありません。暗黒の暗い未来しかなくなるのです。」
「おかしなことを言うな。魔族が人間を完全に打ちのめし支配下におけば、魔族にとって栄光の明るい未来しか残らないではないか。人間は魔族の敵だ。自分達のことしか考えない最低の生き物だ。人間も我々を完全に打ちのめし支配下におこうと、いつもねらっているのだぞ。」
「ザラ様は既に人間のすばらしさを知っていらっしゃいます。人間の中で最もすばらしい人間、勇者ランスロはあなたの婚約者なのですよ。」
「ラ ン ス ロ …」
1000年魔王ザラは頭を押さえてそこにうずくまった。
そして、しばらく彼女の心の中で戦いが行われたようだったが、業火の力が勝った。
ザラは再び立ち上がり、『魔王の剣』業火を鞘さやから抜いた。
「炎人バーンよ。やはり心の底から私を裏切ったようだな。死をもって償え! 」
業火が振られた。
剣筋から地獄の炎が起り、強大な突風とともに、バーンが起している火炎の砦を吹き消した。
それだけではなく、炎人バーンにかなりのダメージを与えた。
炎人の炎が全て消え、長い髪で傷だらけの顔になった。
中年で、さまざまなことを刻みつけた重みのある顔だった。
「最高の苦しみを与えて殺してや――――」
ザラは再び頭を押さえ、とても苦しそうな顔をした。
「おじさま。すいません――――苦しまないように一瞬で殺してやる。」
炎人バーンは心の底で思った。
(ザラ様。心の中で精一杯、業火に抵抗していただいたのですね。)
そして微笑み、全てを受け入れて目をつぶった。
ザラは再びバーンに向かって「魔王の剣」業火を振った。
その時、バーンのすぐ前で緑色の剣がそれをさえぎった。
勇者ランスロだった。
「ラ ン ス ロ ……なぜここに来たんだ。私と戦わなければならなくなる……」
1000年魔王ザラは何回も首を振った。
「ザラさん。何年ぶりでしょうか……戦うのではありません! 僕はあなたが振るう業火を全て受け止めます! 手加減なしで問題ありません。」
「うぁ――――――――っ 」
ザラがランスロに向かって、『魔王の剣』業火を何回も降り始めた。
それは、1000年魔王が振る最速の速さで最強の強さをもつ剣だった。
ランスロは完全に押されていたが、わずかな瞬間に何万回も振られる剣筋を正確に読み、緑の剣で受け止め続けていた。
緑の剣は業火の炎を受け、熱せられ続けた。
溶かされないように、ランスロは自分の神聖の覇気を緑の剣に注ぎ続けた。
正確な防御を受けて、ザラは連続攻撃を一瞬止めランスロとの間合いがとられた。
それとともに、緑の剣の温度が下がった。
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それは、全ての者を癒いやす光り。
「勇者の剣」希望だった。
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