8 / 9
8 妖精の捕獲、売買を禁止する
しおりを挟む
ロレーヌ公爵領から返却された全ての穀物が、苦しい生活をしている各地方の平民達に配布された。
やがて、アイリス王女が指揮した荷馬車隊は、任務を果たし王宮に帰還した。
護衛役の騎士アーサーも役目をしっかり果たすことができた。
数日後、アーサーはウィリアム王から王宮に呼ばれた。
王宮の謁見の間に彼はいた。
そこには国王の他に、アイリス王女と外務大臣のニコル・ロレーヌが同席していた。
国王が言った。
「アーサーよ。王女の荷馬車隊の護衛、ごくろうだった。帰ってきたばかりで大変恐縮だが、新たな問題が判明したのだ。そなたの意見を聞きたいと思ってな」
「はい国王陛下。どのような問題なのでしょうか」
「ニコル外務大臣よ、アーサーに説明せよ」
「アーサー殿、妖精について御存知ですか? 」
「なんとなく知ってはいますが、知識として知っているだけで、まだ本物を見たことはありません」
「我がルフト王国の東方の森林地帯には、妖精がたくさん住んでいるのです。そして、見かけが美しくかわいらしい妖精を商人達が捕獲し、我が国の主要な輸出品となっています」
「生きている妖精を、外国に輸出しているのですか? 」
「はいそうです。逃げることができないように、長い時間飛ぶのに必要な羽の一部を切り取ってしまいます。外国では妖精がほとんどいませんから、大変な高価格で売ることができます」
ここで、アイリス王女が意見を述べた。
「いかに我が国の商人が儲もうかるからという理由で、そんな残忍なことをすることには、耐えられません」
国王が言った。
「実は、東方の森林地帯の中には妖精の国があるんだ。その国の妖精王オベロンから、妖精の捕獲に抗議して、今後はしないよう強い要請の親書が送られてきた」
国王はそう言うと、大きなガラス瓶びんを取り出した。
ガラス瓶の中には、小さな葉っぱがたくさん入っていた。
そして、その瓶の栓を国王が抜いた。
すると不思議なことに、たくさんの葉っぱは瓶かひとりでに出て、床に広がった。
葉っぱはそれぞれ生きているように勝手に動き回った。
やがて、瓶の中が空っぽになると、床の上には文字が広がっていた。
アイリス王女が説明した。
「これが妖精王オベロンからの親書です。人間の文字を示しています。妖精は魔力を持っています。その魔力はこの世界を良くしようとする善の魔力です。それは私が聖女として使う魔力とほぼ同じです」
ここで、外務大臣のニコル・ロレーヌが意見を話し始めた。
「外務大臣として申し上げます。我が国は妖精の輸出によって、貿易で多額の利益を得ています。今、妖精王の妖精を聞き、妖精の輸出を止めてしまうと我が国は貿易上、大赤字となります」
騎士アーサーが聞いた。
「大赤字になると、どのような影響や問題点が出るのでしょうか」
「輸入が極端に超過しますと、我がルフト王国の通貨の価値が大変下がります。その結果として、国内で不足しているほんとうに必要な物資の量を外国から買うことができなくなってしまいます」
アイリス王女が聞いた。
「国内で不足しているほんとうに必要な物資とは何ですか? 」
「主に王族や貴族が必要としている物ですが、宝石、洋服、ワインなどです」
「贅沢品という訳ですか―― それらは、ほんとうに必要とはいえません。なぜなら。我が国の人々の暮らしの中に無くても問題ありませんから」
「いえ王女様。今日はこの場にいらっしゃいませんが、王族や貴族には必要不可欠のものですよ」
「必要不可欠ではありません」
外務大臣と王女の意見は平行線を保ったままだった。
このような様子を見て、国王が騎士アーサーに聞いた。
「アーサー、お前はどう思う。意見を聞かせてくれ」
「まず第1優先は我が国が行っている妖精の輸出を止めることです。妖精も私達人間と同じように、神が作られたこの世の大切な住民です。そして次は輸入超過の話しですが、やむを得ません」
外務大臣が少し声を荒げで言った。
「王族や貴族の華美な生活を止めて、質素にせよということですかな! 」
「外務大臣様、質素にする方がよいとは思います。ただ、今までの伝統的な暮らしを急には変えられないのならば、外国の人々が是非買いたいと思うような産品を、妖精の代わりに輸出するのです」
「そんな便利な産品が簡単に現われますかな? 」
「もちろん簡単ではありません。ですから産業を振興させるのです。他国にはない、我が国の特別な技術や資源を使い生産し、外国の人々がたくさん買ってくれるようなものです」
国王は決意した。
「わかった。我が国において妖精を捕獲し、外国などに売りさばくことは固く禁じることにしよう。そして、妖精に変る輸出品を作ることができる産業を振興していくのだ」
アイリス王女が言った。
「さきほども申しましたが、妖精の魔力は聖女としての私の魔力とほぼ同じ性質なのです。ですから、妖精の国の協力を得て、この国を守る聖女の結界の強化のために、助けていただくことができます」
「それは良いことだな。早急に、妖精の国、妖精王オベロンに返書を出そう。我がルフト王国は妖精の国と支え合って、未来を進むのだ。それでは、返書を無事に届ける使者は誰が良い」
そう言った国王は、アイリス王女の方を見た。
もう、2人の間で人選は済んでいるかのようだった。
王女がアーサーに言った。
「アーサーさん。また、あなたに大変なことを押しつけてしまいます。でも、この役目はあなたしか務まりません。よろしくお願い致します」
「それでは、私が国王陛下の返書を持ち妖精の国に行き、妖精王オベロンにお会いしましょう」
王都の中にある商人の館やかたの一室に、ニコル・ロレーヌ外務大臣がいた。
ニコル大臣は、妖精売買を行っている商人と密談していた。
「外務大臣様。それでは私達仲間はもう、妖精を捕獲し売買することはできないじゃないですか。なんで国王陛下に妖精売買を続けられるよう主張していただけなかったのですか!! 」
「したさ。したが、あの騎士アーサーとアイリス王女に押し切られてしまった」
「アーサーが国王の返書を持って妖精の国に向かうのは何時いつになりそうですか? 」
「きっと彼はすぐに向かうと思う。もう、どうしようもない。兄上が行った年貢の1割のピンハネや平民の反乱も彼は苦も無く解決してしまった。たいへんな知力をもった最強の騎士なんだ。失礼する!! 」
そう言うと、ニコル大臣はそそくさとドアを開けて、その商人の家から出て行った。
1人部屋に取り残された商人にかたりかける者がいた。
それは、魔界から先遣隊として派遣されてきたナイトメアだった。
「仕方がないな。アーサーが妖精の国に着くまでに我々魔族が、処理しよう。人間と妖精が仲良くなるのは絶対に阻止する。アイリス王女がルフト王国に張る結界を、妖精の魔力で強化されてしまうからな」
やがて、アイリス王女が指揮した荷馬車隊は、任務を果たし王宮に帰還した。
護衛役の騎士アーサーも役目をしっかり果たすことができた。
数日後、アーサーはウィリアム王から王宮に呼ばれた。
王宮の謁見の間に彼はいた。
そこには国王の他に、アイリス王女と外務大臣のニコル・ロレーヌが同席していた。
国王が言った。
「アーサーよ。王女の荷馬車隊の護衛、ごくろうだった。帰ってきたばかりで大変恐縮だが、新たな問題が判明したのだ。そなたの意見を聞きたいと思ってな」
「はい国王陛下。どのような問題なのでしょうか」
「ニコル外務大臣よ、アーサーに説明せよ」
「アーサー殿、妖精について御存知ですか? 」
「なんとなく知ってはいますが、知識として知っているだけで、まだ本物を見たことはありません」
「我がルフト王国の東方の森林地帯には、妖精がたくさん住んでいるのです。そして、見かけが美しくかわいらしい妖精を商人達が捕獲し、我が国の主要な輸出品となっています」
「生きている妖精を、外国に輸出しているのですか? 」
「はいそうです。逃げることができないように、長い時間飛ぶのに必要な羽の一部を切り取ってしまいます。外国では妖精がほとんどいませんから、大変な高価格で売ることができます」
ここで、アイリス王女が意見を述べた。
「いかに我が国の商人が儲もうかるからという理由で、そんな残忍なことをすることには、耐えられません」
国王が言った。
「実は、東方の森林地帯の中には妖精の国があるんだ。その国の妖精王オベロンから、妖精の捕獲に抗議して、今後はしないよう強い要請の親書が送られてきた」
国王はそう言うと、大きなガラス瓶びんを取り出した。
ガラス瓶の中には、小さな葉っぱがたくさん入っていた。
そして、その瓶の栓を国王が抜いた。
すると不思議なことに、たくさんの葉っぱは瓶かひとりでに出て、床に広がった。
葉っぱはそれぞれ生きているように勝手に動き回った。
やがて、瓶の中が空っぽになると、床の上には文字が広がっていた。
アイリス王女が説明した。
「これが妖精王オベロンからの親書です。人間の文字を示しています。妖精は魔力を持っています。その魔力はこの世界を良くしようとする善の魔力です。それは私が聖女として使う魔力とほぼ同じです」
ここで、外務大臣のニコル・ロレーヌが意見を話し始めた。
「外務大臣として申し上げます。我が国は妖精の輸出によって、貿易で多額の利益を得ています。今、妖精王の妖精を聞き、妖精の輸出を止めてしまうと我が国は貿易上、大赤字となります」
騎士アーサーが聞いた。
「大赤字になると、どのような影響や問題点が出るのでしょうか」
「輸入が極端に超過しますと、我がルフト王国の通貨の価値が大変下がります。その結果として、国内で不足しているほんとうに必要な物資の量を外国から買うことができなくなってしまいます」
アイリス王女が聞いた。
「国内で不足しているほんとうに必要な物資とは何ですか? 」
「主に王族や貴族が必要としている物ですが、宝石、洋服、ワインなどです」
「贅沢品という訳ですか―― それらは、ほんとうに必要とはいえません。なぜなら。我が国の人々の暮らしの中に無くても問題ありませんから」
「いえ王女様。今日はこの場にいらっしゃいませんが、王族や貴族には必要不可欠のものですよ」
「必要不可欠ではありません」
外務大臣と王女の意見は平行線を保ったままだった。
このような様子を見て、国王が騎士アーサーに聞いた。
「アーサー、お前はどう思う。意見を聞かせてくれ」
「まず第1優先は我が国が行っている妖精の輸出を止めることです。妖精も私達人間と同じように、神が作られたこの世の大切な住民です。そして次は輸入超過の話しですが、やむを得ません」
外務大臣が少し声を荒げで言った。
「王族や貴族の華美な生活を止めて、質素にせよということですかな! 」
「外務大臣様、質素にする方がよいとは思います。ただ、今までの伝統的な暮らしを急には変えられないのならば、外国の人々が是非買いたいと思うような産品を、妖精の代わりに輸出するのです」
「そんな便利な産品が簡単に現われますかな? 」
「もちろん簡単ではありません。ですから産業を振興させるのです。他国にはない、我が国の特別な技術や資源を使い生産し、外国の人々がたくさん買ってくれるようなものです」
国王は決意した。
「わかった。我が国において妖精を捕獲し、外国などに売りさばくことは固く禁じることにしよう。そして、妖精に変る輸出品を作ることができる産業を振興していくのだ」
アイリス王女が言った。
「さきほども申しましたが、妖精の魔力は聖女としての私の魔力とほぼ同じ性質なのです。ですから、妖精の国の協力を得て、この国を守る聖女の結界の強化のために、助けていただくことができます」
「それは良いことだな。早急に、妖精の国、妖精王オベロンに返書を出そう。我がルフト王国は妖精の国と支え合って、未来を進むのだ。それでは、返書を無事に届ける使者は誰が良い」
そう言った国王は、アイリス王女の方を見た。
もう、2人の間で人選は済んでいるかのようだった。
王女がアーサーに言った。
「アーサーさん。また、あなたに大変なことを押しつけてしまいます。でも、この役目はあなたしか務まりません。よろしくお願い致します」
「それでは、私が国王陛下の返書を持ち妖精の国に行き、妖精王オベロンにお会いしましょう」
王都の中にある商人の館やかたの一室に、ニコル・ロレーヌ外務大臣がいた。
ニコル大臣は、妖精売買を行っている商人と密談していた。
「外務大臣様。それでは私達仲間はもう、妖精を捕獲し売買することはできないじゃないですか。なんで国王陛下に妖精売買を続けられるよう主張していただけなかったのですか!! 」
「したさ。したが、あの騎士アーサーとアイリス王女に押し切られてしまった」
「アーサーが国王の返書を持って妖精の国に向かうのは何時いつになりそうですか? 」
「きっと彼はすぐに向かうと思う。もう、どうしようもない。兄上が行った年貢の1割のピンハネや平民の反乱も彼は苦も無く解決してしまった。たいへんな知力をもった最強の騎士なんだ。失礼する!! 」
そう言うと、ニコル大臣はそそくさとドアを開けて、その商人の家から出て行った。
1人部屋に取り残された商人にかたりかける者がいた。
それは、魔界から先遣隊として派遣されてきたナイトメアだった。
「仕方がないな。アーサーが妖精の国に着くまでに我々魔族が、処理しよう。人間と妖精が仲良くなるのは絶対に阻止する。アイリス王女がルフト王国に張る結界を、妖精の魔力で強化されてしまうからな」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる