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4 魔女との戦いは続く
25 魅惑の魔女に誘惑される2
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数千分の1秒、ほんのわずかな瞬間だった。
騎士カイロスは、魔女を消滅させるため、聖剣クトネリシカを抜くのをためらった。
わずかな瞬間だったが、魅惑の魔女ザラはそのことを見逃さなかった。
(優しい人、早く聖剣で私を切らなければ、呪いが発動してしまうわ。恋人どおしは完全に仲違いし、夫婦は別れ赤の他人になる――でもその前に、是非知りたいことがあります)
魔女はそう考えると、呪いを発動させるとともに、ある幻影魔術を騎士カイロスに向けて放った。
「あっ!! 」
聖女でもあるソーニャ王女はそのことに気が付いた。
そして、すぐに幻影魔術の内容を分析した。
(これは、悟さんを傷つけようとするものではないわ。それにど彼女の意図もよくわかる。結果は決まっていますけ)
騎士カイロスは幻影の世界に巻き込まれた。
いつの間にか、騎士カイロスは王宮の謁見の間にいた。
もう見慣れている光景だったが、今はだいぶ違っていた。
それになぜか、彼は異世界転生したことを完全に忘れていた。
異世界転生する前の世界が完全に切り離された別の世界だった。
国王が言った。
「騎士カイロスよ。世界最強の騎士、我が国の誇りである。貴殿の功績に報いるため、我が第1王女ソーニャと結婚することを前提に婚約しておることはもう、周知の事実だ」
ところが、今、謁見の間の中にはソーニャ王女がいなかった。
反対にザラが王族の装いでそこにいた。
「ところが驚くべき事実が判明した。第1王女ソーニャは我が娘ではない。王妃が近衛師団長と不倫して背徳の結果、生まれたのだ。騎士カイロスよ、ほんとうに申し訳ないゴミのような娘と婚約させて」
その後、国王や怒りのこもった狂気の顔になった。
「さあ、2つのことを許す。1つは、貴殿に恥をかかせた原因を作った近衛師団長を聖剣で殺すのだ。そしてもう2つは、ゴミのような娘ソーニャに婚約破棄を告げるのだ。2人は牢におるでな」
「‥‥‥‥‥‥ 」
騎士カイロスは押し黙っていた。
彼は多くの苦しいことを考えていたが、やがて決心した。
「国王陛下、お恐れながら申し上げます。臣下カイロスは今日限り陛下に反逆します。2つのことがあります。現在の私の婚約者であるソーニャ王女との婚約は破棄しません。近衛師団長も殺しません。」
「なんだ!! 王妃を寝取った最大の極悪人と、その結果生まれた女だぞ」
「お怒りだとは思いますが、実は私も大変怒っております。ソーニャ王女は人を思いやる優しい心をもつ素敵な女性です。そして、近衛師団長もたくさんの人々に尊敬されている立派な武人です」
そう言った後、彼は聖剣クトネリシカを自分の足下に置いた。
「国より長い間お借りしていました。国の宝物である聖剣をお返しするとともに、騎士を辞します。失礼します。1つお許しください」
「何か」
「私はこれから牢に行き、ソーニャさんと近衛騎士団長とをお連れします。そして、ソーニャさんと結婚式を挙げることをそのお父上にお許しいただくつもりです」
「許さん。許さんぞ。衛兵、この不届き者を始末しろ」
すぐに衛兵達は騎士を包囲した。
ところが驚くべき起きた。
すべての衛兵達が彼の回りでひざまずいた。
そしてその中から1人、少年兵が彼に近づき足下にあった聖剣を持ち、彼に捧げた。
「騎士カイロス様。世界最強であるばかりか、世界中から声望を集める騎士の中の騎士。聖剣はあなたが持たなければならないもの。ソーニャ王女様と近衛騎士団長様をお助けください」
それを聞いた彼はしばらく困り、考えていたが、やがてニッコリと満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう。心の底から感謝します」
「言い忘れました。ソーニャ王女と結婚され幸せになってください」
「ありがとう」
その後、彼は少年兵の頭を優しくなでて聖剣を受け取った。
多くの衛兵達が道を空けた。
すると彼はその道を、最高にかっこよく歩き謁見の間の外に出て行った。
「ああ、やはり思った通りだわ。やはり、このような方もいるのね。このような方が婚約者で、結婚できれば幸せになれるんだわ。」
幻影魔術の結果を確認すると、魅惑の魔女ザラは心の底から笑った。
魅惑の魔女ザラは呪いを発動を止める逆詠唱を始めた。
「止めろ止めろ我が呪い、発動せず暗闇に帰れ」
その時だった。
はるかに遠い闇の世界から声がした。
それは、暗闇の絶対神の声だった。
「魅惑の魔女、ザラよ。なんで呪いの発動を止めるのだ! 私の命令どおり呪いを振りまくのだ」
「暗闇の絶対神様。私は見つけました。心から人を愛することができる人もいるのです。ただ、私は運悪く出会うことができなかっただけ。呪いの発動はできません! 」
「我と血よりも濃い契約を交わしたことを忘れたのか、我との契約を違えた場合はお前の命をいただく」
「かまいません。私は今、最高に幸せです」
「そうか。それならば違約した罪を償ってもらうぞ」
暗闇の絶対神がそう言うと、空が一瞬暗くなり巨大な雷鳴が聞こえた。
そした、あり得ないような強い雷が、魔女が飛んでいる場所まで落ちた。
「騎士カイロス。さようなら‥‥ 」
魔女は自分の運命を悟って目を閉じた。
「聖なる楯よ、守れ!! 」
聖女であり白魔女であるソーニャ王女が詠唱した。
すると、空中に浮かんでいた魅惑の魔女ザラのすぐ上に楯が現われ彼女を守った。
そして、天から落ちてきた強い雷は、その楯によりさえぎられた。
巨大な音とともに雷は楯にぶつかり、消滅した。
「誤りのある暗黒の契約は解除される!! 」
続けて、ソーニャ王女が詠唱した。
すると、魅惑の魔女ザラは一瞬電気にうたれたように反応し、下に落ちてきた。
それを見た騎士カイロスは急いで走り、魔女をキャッチした。
「おのれ、やはり聖女だったか。だが、ザラと我とは血よりも濃い契約を結んだのだ。もう一度、繰り返す。ザラの命は我がもらうぞ」
‥‥‥‥
何も起きなかった。
強い雷は発生しなかった。
「何!!!! 」
暗闇の絶対神が非常に驚いた声がした。
ソーニャ王女がいた。
「あなたは血よりも濃い契約と言っていますが、全く違います。あなたは、契約上の約束を違えれば命を奪うという条件を彼女には示していません。ですから、これでクリーンオフです」
「何をまた、異世界転生者がわけのわからない理屈を言うのだ」
「わけのわからない理屈ではありません。どこの世界でも大切な真理・考え方ですよ」
王女はとても厳しい強い声で暗黒の絶対神に告げた。
騎士カイロスは、魔女を消滅させるため、聖剣クトネリシカを抜くのをためらった。
わずかな瞬間だったが、魅惑の魔女ザラはそのことを見逃さなかった。
(優しい人、早く聖剣で私を切らなければ、呪いが発動してしまうわ。恋人どおしは完全に仲違いし、夫婦は別れ赤の他人になる――でもその前に、是非知りたいことがあります)
魔女はそう考えると、呪いを発動させるとともに、ある幻影魔術を騎士カイロスに向けて放った。
「あっ!! 」
聖女でもあるソーニャ王女はそのことに気が付いた。
そして、すぐに幻影魔術の内容を分析した。
(これは、悟さんを傷つけようとするものではないわ。それにど彼女の意図もよくわかる。結果は決まっていますけ)
騎士カイロスは幻影の世界に巻き込まれた。
いつの間にか、騎士カイロスは王宮の謁見の間にいた。
もう見慣れている光景だったが、今はだいぶ違っていた。
それになぜか、彼は異世界転生したことを完全に忘れていた。
異世界転生する前の世界が完全に切り離された別の世界だった。
国王が言った。
「騎士カイロスよ。世界最強の騎士、我が国の誇りである。貴殿の功績に報いるため、我が第1王女ソーニャと結婚することを前提に婚約しておることはもう、周知の事実だ」
ところが、今、謁見の間の中にはソーニャ王女がいなかった。
反対にザラが王族の装いでそこにいた。
「ところが驚くべき事実が判明した。第1王女ソーニャは我が娘ではない。王妃が近衛師団長と不倫して背徳の結果、生まれたのだ。騎士カイロスよ、ほんとうに申し訳ないゴミのような娘と婚約させて」
その後、国王や怒りのこもった狂気の顔になった。
「さあ、2つのことを許す。1つは、貴殿に恥をかかせた原因を作った近衛師団長を聖剣で殺すのだ。そしてもう2つは、ゴミのような娘ソーニャに婚約破棄を告げるのだ。2人は牢におるでな」
「‥‥‥‥‥‥ 」
騎士カイロスは押し黙っていた。
彼は多くの苦しいことを考えていたが、やがて決心した。
「国王陛下、お恐れながら申し上げます。臣下カイロスは今日限り陛下に反逆します。2つのことがあります。現在の私の婚約者であるソーニャ王女との婚約は破棄しません。近衛師団長も殺しません。」
「なんだ!! 王妃を寝取った最大の極悪人と、その結果生まれた女だぞ」
「お怒りだとは思いますが、実は私も大変怒っております。ソーニャ王女は人を思いやる優しい心をもつ素敵な女性です。そして、近衛師団長もたくさんの人々に尊敬されている立派な武人です」
そう言った後、彼は聖剣クトネリシカを自分の足下に置いた。
「国より長い間お借りしていました。国の宝物である聖剣をお返しするとともに、騎士を辞します。失礼します。1つお許しください」
「何か」
「私はこれから牢に行き、ソーニャさんと近衛騎士団長とをお連れします。そして、ソーニャさんと結婚式を挙げることをそのお父上にお許しいただくつもりです」
「許さん。許さんぞ。衛兵、この不届き者を始末しろ」
すぐに衛兵達は騎士を包囲した。
ところが驚くべき起きた。
すべての衛兵達が彼の回りでひざまずいた。
そしてその中から1人、少年兵が彼に近づき足下にあった聖剣を持ち、彼に捧げた。
「騎士カイロス様。世界最強であるばかりか、世界中から声望を集める騎士の中の騎士。聖剣はあなたが持たなければならないもの。ソーニャ王女様と近衛騎士団長様をお助けください」
それを聞いた彼はしばらく困り、考えていたが、やがてニッコリと満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう。心の底から感謝します」
「言い忘れました。ソーニャ王女と結婚され幸せになってください」
「ありがとう」
その後、彼は少年兵の頭を優しくなでて聖剣を受け取った。
多くの衛兵達が道を空けた。
すると彼はその道を、最高にかっこよく歩き謁見の間の外に出て行った。
「ああ、やはり思った通りだわ。やはり、このような方もいるのね。このような方が婚約者で、結婚できれば幸せになれるんだわ。」
幻影魔術の結果を確認すると、魅惑の魔女ザラは心の底から笑った。
魅惑の魔女ザラは呪いを発動を止める逆詠唱を始めた。
「止めろ止めろ我が呪い、発動せず暗闇に帰れ」
その時だった。
はるかに遠い闇の世界から声がした。
それは、暗闇の絶対神の声だった。
「魅惑の魔女、ザラよ。なんで呪いの発動を止めるのだ! 私の命令どおり呪いを振りまくのだ」
「暗闇の絶対神様。私は見つけました。心から人を愛することができる人もいるのです。ただ、私は運悪く出会うことができなかっただけ。呪いの発動はできません! 」
「我と血よりも濃い契約を交わしたことを忘れたのか、我との契約を違えた場合はお前の命をいただく」
「かまいません。私は今、最高に幸せです」
「そうか。それならば違約した罪を償ってもらうぞ」
暗闇の絶対神がそう言うと、空が一瞬暗くなり巨大な雷鳴が聞こえた。
そした、あり得ないような強い雷が、魔女が飛んでいる場所まで落ちた。
「騎士カイロス。さようなら‥‥ 」
魔女は自分の運命を悟って目を閉じた。
「聖なる楯よ、守れ!! 」
聖女であり白魔女であるソーニャ王女が詠唱した。
すると、空中に浮かんでいた魅惑の魔女ザラのすぐ上に楯が現われ彼女を守った。
そして、天から落ちてきた強い雷は、その楯によりさえぎられた。
巨大な音とともに雷は楯にぶつかり、消滅した。
「誤りのある暗黒の契約は解除される!! 」
続けて、ソーニャ王女が詠唱した。
すると、魅惑の魔女ザラは一瞬電気にうたれたように反応し、下に落ちてきた。
それを見た騎士カイロスは急いで走り、魔女をキャッチした。
「おのれ、やはり聖女だったか。だが、ザラと我とは血よりも濃い契約を結んだのだ。もう一度、繰り返す。ザラの命は我がもらうぞ」
‥‥‥‥
何も起きなかった。
強い雷は発生しなかった。
「何!!!! 」
暗闇の絶対神が非常に驚いた声がした。
ソーニャ王女がいた。
「あなたは血よりも濃い契約と言っていますが、全く違います。あなたは、契約上の約束を違えれば命を奪うという条件を彼女には示していません。ですから、これでクリーンオフです」
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