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エピローグ
しおりを挟むこうして、ハッピー焼きは大評判になり、一大ブームを巻き起こした。一般庶民だけでなく、貴族も口にするようになり、ついには王家の方々にまで召し上げられるようになったのだ。
ひっきりなしに注文が舞い込むのだが、サチコたちの作業量には限界がある。仮に連日徹夜でつくり続けたとしても、全然足りないのが現状だった。
そこで、サチコは惜しげもなく希望者にレシピを伝授し、その代わり売り上げの一部を受け取ることにした。人々のニーズに応えるためだったが、これは異世界初のフランチャイズ制ということになる。
その後も、ロゴマーク導入などのCI戦略、消費者ニーズに基づいた新商品開発、流通チャネルの強化など、マーケティングのノウハウを一つずつなぞるように、サチコは新たなビジネスを打ち出していった。しかも、それらは一つ残らず、大きな成果を上げたのだ。
まさに異世界初マーケターの面目躍如である。
ショウの言葉を借りるなら、「まるで魔法のような」活躍ぶりだったのだ。
サチコの挑戦は始まったばかりである。目の前の問題を一つ一つ解決しながら、確実にマーケターとして成長していく。そして、やがては異世界のシステムそのものを変えていくことになるのだが、それはまた別の話になる。
了
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