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情欲の雨に濡れて④
しおりを挟む真由莉さんはジッと僕のバナナを見つめていた。視線が熱い。少しふくらんではいるけれど、まだ充実度は完全ではない。彼女が顔を近づけていた。
「とてもハンサムくんね、君の×××××」
軽やかな声で言われると、それは楽器の名前のように聞こえた。
真由莉さんは溜め息を吐き、僕の胸に頬ずりをしてきた。バナナに手を伸ばして、やわらかな指を一本ずつ巻きつけてくる。
ゆっくりと、しごき上げる。絶妙な力の入れ具合だ。さすが、プロの手管である。たちまち、バナナの充実度はマックスになった。
「うん、素敵。期待以上の×××××」
バナナを握ったまま、僕の胸にキスをして、舌先でチェリーをくすぐりだす。
「カーテンを閉めなくていいんですか? 誰かに見られますよ」
「全然平気。むしろ見せびらかしたいくらいよ、私たちの淫らな姿」
そう言って、僕への愛撫を続ける。
「真由莉さん、無用心ですよ。向かいのビルから丸見えじゃないですか」
付近に建物のない高層ホテルならともかく、駅近くのマンション密集地では論外だ。それでなくても、ドローンを使うなど、盗撮の危険は増している。
真由莉さんはへそを曲げたのか、バナナを握る手に力を込めた。
「シュウくんの臆病者」子供みたいにプッとふくれている。
「それは違います。あなたと思う存分楽しみたいだけですよ」
「シュウくん、私と本当に、セックスしたい?」くりくりした瞳で可愛らしい上目遣い。
「もちろんですよ。真由莉さんはとても魅力的です」
社交辞令でなく本心だった。玄関前で笑顔を見た時から、彼女に心を魅かれている。
「へへーっ、どんな風に抱いてくれるのかな?」
真由莉さんはコロッと表情を変えて、にっこり笑って訊いてくる。
「本音を言うと、頭を悩ませているところです。何かリクエストはありますか?」
「もちろんよ。私、プランがあるの」
僕の腕を無邪気に引っ張っていく。ダイニングキッチンを通り抜け、バスルームの前にやってきた。
「私の癖については、君の事務所から聞いているでしょ」
その癖とは、〈潮吹き〉のことだろう。
「はい、うかがっています。それがメインの御要望だということも」
端的に言えば、彼女は思い切り潮を吹かせてほしいのだ。
真由莉さんは僕をバスルームの中に引き入れる。床には、片枕タイプのエアマットが敷かれていた。プールに浮かべて遊ぶこともできるが、ソープランドではマットプレイのために使う。
つまり、この上で行為に及ぶのが、彼女のプランというわけだ。
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