6 / 8
〈ベルリンの壁〉①
しおりを挟む
パヤッパヤッビュイチュワパー。
「はい、本日のテーマは『お正月なんて大嫌い』。次の方はどんな相談事でしょうか? こんばんはー」
「こんばんは」
「お名前をどうぞ」
「〈ベルリンの壁〉でお願いします」
「おお、ベルリンの壁が崩壊してから30年以上になるけど、ベルリンさんの相談事はなんでしょうか?」
「実は、親子関係が最悪なんです。中学生の頃から、もう嫌で嫌で仕方がなくて」
「まぁまぁ、ベルリンさん、落ち着いて。もし、飲み物がそばにあるなら、一口飲んでみようか」
「……すいません、少し落ち着きます」
「ベルリンさんと仲が悪いのは、お母さん?」
「いえ、父です。あの男とは金輪際、口もききたくないんです」
「ああ、なるほど。僕も父と折り合いが悪かったから、ずっと、口をきいていない。だから、理解はできる。ベルリンさんは今、御両親と一緒に住んでるの?」
「いえ、大学に合格して、学生寮に入りました」
「うん、肉親でも合わない人とは全然合わないからさ。別々に暮らした方が絶対いいよ。僕の父の場合、すぐに説教モードに入っちゃうんだよね。こっちの言い分には全く耳を貸さず、自分の考えを一方的に押し付けるだけ。っと、僕の話はおいといて、ベルリンさんの相談事を聞かせてよ」
「父が『正月には必ず、帰ってこい』って言うんです。帰ってこないと、親子の縁を切る、とまで言われました」
「はい、本日のテーマは『お正月なんて大嫌い』。次の方はどんな相談事でしょうか? こんばんはー」
「こんばんは」
「お名前をどうぞ」
「〈ベルリンの壁〉でお願いします」
「おお、ベルリンの壁が崩壊してから30年以上になるけど、ベルリンさんの相談事はなんでしょうか?」
「実は、親子関係が最悪なんです。中学生の頃から、もう嫌で嫌で仕方がなくて」
「まぁまぁ、ベルリンさん、落ち着いて。もし、飲み物がそばにあるなら、一口飲んでみようか」
「……すいません、少し落ち着きます」
「ベルリンさんと仲が悪いのは、お母さん?」
「いえ、父です。あの男とは金輪際、口もききたくないんです」
「ああ、なるほど。僕も父と折り合いが悪かったから、ずっと、口をきいていない。だから、理解はできる。ベルリンさんは今、御両親と一緒に住んでるの?」
「いえ、大学に合格して、学生寮に入りました」
「うん、肉親でも合わない人とは全然合わないからさ。別々に暮らした方が絶対いいよ。僕の父の場合、すぐに説教モードに入っちゃうんだよね。こっちの言い分には全く耳を貸さず、自分の考えを一方的に押し付けるだけ。っと、僕の話はおいといて、ベルリンさんの相談事を聞かせてよ」
「父が『正月には必ず、帰ってこい』って言うんです。帰ってこないと、親子の縁を切る、とまで言われました」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる