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〈ベルリンの壁〉①

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 パヤッパヤッビュイチュワパー。

「はい、本日のテーマは『お正月なんて大嫌い』。次の方はどんな相談事でしょうか? こんばんはー」
「こんばんは」

「お名前をどうぞ」
「〈ベルリンの壁〉でお願いします」

「おお、ベルリンの壁が崩壊してから30年以上になるけど、ベルリンさんの相談事はなんでしょうか?」
「実は、親子関係が最悪なんです。中学生の頃から、もう嫌で嫌で仕方がなくて」

「まぁまぁ、ベルリンさん、落ち着いて。もし、飲み物がそばにあるなら、一口飲んでみようか」
「……すいません、少し落ち着きます」

「ベルリンさんと仲が悪いのは、お母さん?」
「いえ、父です。あの男とは金輪際こんりんざい、口もききたくないんです」

「ああ、なるほど。僕も父と折り合いが悪かったから、ずっと、口をきいていない。だから、理解はできる。ベルリンさんは今、御両親と一緒に住んでるの?」

「いえ、大学に合格して、学生寮に入りました」

「うん、肉親でも合わない人とは全然合わないからさ。別々に暮らした方が絶対いいよ。僕の父の場合、すぐに説教モードに入っちゃうんだよね。こっちの言い分には全く耳を貸さず、自分の考えを一方的に押し付けるだけ。っと、僕の話はおいといて、ベルリンさんの相談事を聞かせてよ」

「父が『正月には必ず、帰ってこい』って言うんです。帰ってこないと、親子の縁を切る、とまで言われました」
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