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どうしたら
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あれから時間はそれなりに過ぎていき、転校した小学校を卒業し、中学生になり、那月は高校生になっていた。
転校してからは、学校で変に孤立したり悪口を言われることは無かった。だが、あの幼少期のことがトラウマになってしまったのか、那月はあれ以来男の人と接することが怖く感じるようになってしまった。
それは歳を重ねるごとに酷くなっているようで…
お店の店員に注文をする程度ならまだ大丈夫な方だが、会話をしたり食事をしたり…長く接しようとすると、恐怖心が煽られてしまい、体が震え、上手く喋れなくなる。
そして、それは学校生活にも響いていた。
「篠井~!化学のノートある?」
「え!あっ…、えっと、」
男子に話しかけられると、体がビクついて恐怖から上手く話せなかった。そんな那月を周りはおかしく思わない訳もなく。
「篠井って、キョドりすぎだよね」
「話しかけづら」
入学して間もない頃、あっという間にそのイメージが定着してしまい噂の的になっていた。
自分でも分かっていた。このままではよくないと。もう子供の時とは違う。男の人だって良い人もたくさんいる。まず接してみないと、怖がってばかりではいけないと。
それに、大人になったらもっと広い世界で人と接さないといけないのに、今のままではコミュニケーションも取れない。
“克服したい…”
ずっとそう思っていた。
でも、頑張ろうとすればするほど恐怖心は増すばかりだ。
「おい、篠井ー」
「ひぃっ!」
「は?なにそのビビり方、意味わかんね」
「あっ、ごめ……」
「きも」
一一一どうしてもダメだ。
一一一僕はどうしたらいいんだろう。
毎日、那月は恐怖と自己嫌悪に陥るばかり。
「ちょっと、那月」
「あ…、明衣」
「もー、なになに。落ち込んでんの?」
そんな那月には、唯一の女友達がいる。中学が一緒でたまたま出席番号が前後だった真田明衣だ。
中学校の入学式の日に話しかけられて、何となくよく接するようになった。サバサバした性格の明衣は、自分と話している時と男子に話しかけられた那月の姿を見て、「何がそんなに怖いのか」と直球で聞いてきた。
過去のトラウマがあって、男の人が怖いと話すと、明衣は「なるほど」とすぐに受け入れてくれた。
そして偶然、高校もクラスも同じになり、今となっては那月の心強い唯一の友達だ。
「また男子と上手く話せなかったんでしょ?」
「うん…よく分かったね」
「見りゃ分かるし。てかそんな机に突っ伏してたら余計に暗い奴って言われるぞ」
「うぅ、そうなんだけどさ…自分が嫌になる…」
明衣は綺麗な長い黒髪をネイルが光る指でくるくるといじりながら、那月の前の席へ腰掛ける。
そして、着崩した制服の上に着ているパーカーのフードを被り、那月の顔を覗き込んだ。
「そんな簡単に克服できてたら、ここまで悩んでないでしょ。あんたにとってはそれだけ大きな壁なんだから」
「まあ…うん」
「まだ高校生始まったばっかなんだから、これからだって。もし、なんか嫌なことされたら私がその相手ぶっ飛ばしてやるから安心して挑め」
「ふふ…っ、明衣は本当にやりそう。でもありがとう、心強いよ」
女性とは怖がらずに普通に話せるが、昔のことがあるから必要以上に誰とでも打ち解けれる訳ではない。そんな那月にとって、明衣はお互いに何でも話せる家族のような、親友のような存在だ。
「真田さん!制服ちゃんと着てください!あとパーカーも脱いで」
「げっ、3年の風紀委員だ。はーい!分かってまーす」
「え?あ、今廊下にいる人達?」
「そーそー、やたらチェック厳しいんだよね。私なぜか目付けられててさ、廊下からも見つけたらこうやって言ってくるんだよ」
「なぜかって、そりゃ目つけられるでしょ」
「なんで!これくらい、みんなしてるじゃーん。那月だって髪の毛ちょっと茶色いし」
「僕はこれ地毛だし。明衣は入学早々、制服着崩してたし爪もやってたからじゃない?」
そう言いつつも、パーカーで顔を隠しながら風紀委員のバッジをつけた女の先輩にしっしっと手を振る明衣。先輩も満更ではないのか、怒ってはいるけど明衣を可愛がっているのが表情で分かる。
さすが社交的だな…と明衣に感心しながら、那月も廊下の風紀委員達の方を眺めた。
「…あっ」
転校してからは、学校で変に孤立したり悪口を言われることは無かった。だが、あの幼少期のことがトラウマになってしまったのか、那月はあれ以来男の人と接することが怖く感じるようになってしまった。
それは歳を重ねるごとに酷くなっているようで…
お店の店員に注文をする程度ならまだ大丈夫な方だが、会話をしたり食事をしたり…長く接しようとすると、恐怖心が煽られてしまい、体が震え、上手く喋れなくなる。
そして、それは学校生活にも響いていた。
「篠井~!化学のノートある?」
「え!あっ…、えっと、」
男子に話しかけられると、体がビクついて恐怖から上手く話せなかった。そんな那月を周りはおかしく思わない訳もなく。
「篠井って、キョドりすぎだよね」
「話しかけづら」
入学して間もない頃、あっという間にそのイメージが定着してしまい噂の的になっていた。
自分でも分かっていた。このままではよくないと。もう子供の時とは違う。男の人だって良い人もたくさんいる。まず接してみないと、怖がってばかりではいけないと。
それに、大人になったらもっと広い世界で人と接さないといけないのに、今のままではコミュニケーションも取れない。
“克服したい…”
ずっとそう思っていた。
でも、頑張ろうとすればするほど恐怖心は増すばかりだ。
「おい、篠井ー」
「ひぃっ!」
「は?なにそのビビり方、意味わかんね」
「あっ、ごめ……」
「きも」
一一一どうしてもダメだ。
一一一僕はどうしたらいいんだろう。
毎日、那月は恐怖と自己嫌悪に陥るばかり。
「ちょっと、那月」
「あ…、明衣」
「もー、なになに。落ち込んでんの?」
そんな那月には、唯一の女友達がいる。中学が一緒でたまたま出席番号が前後だった真田明衣だ。
中学校の入学式の日に話しかけられて、何となくよく接するようになった。サバサバした性格の明衣は、自分と話している時と男子に話しかけられた那月の姿を見て、「何がそんなに怖いのか」と直球で聞いてきた。
過去のトラウマがあって、男の人が怖いと話すと、明衣は「なるほど」とすぐに受け入れてくれた。
そして偶然、高校もクラスも同じになり、今となっては那月の心強い唯一の友達だ。
「また男子と上手く話せなかったんでしょ?」
「うん…よく分かったね」
「見りゃ分かるし。てかそんな机に突っ伏してたら余計に暗い奴って言われるぞ」
「うぅ、そうなんだけどさ…自分が嫌になる…」
明衣は綺麗な長い黒髪をネイルが光る指でくるくるといじりながら、那月の前の席へ腰掛ける。
そして、着崩した制服の上に着ているパーカーのフードを被り、那月の顔を覗き込んだ。
「そんな簡単に克服できてたら、ここまで悩んでないでしょ。あんたにとってはそれだけ大きな壁なんだから」
「まあ…うん」
「まだ高校生始まったばっかなんだから、これからだって。もし、なんか嫌なことされたら私がその相手ぶっ飛ばしてやるから安心して挑め」
「ふふ…っ、明衣は本当にやりそう。でもありがとう、心強いよ」
女性とは怖がらずに普通に話せるが、昔のことがあるから必要以上に誰とでも打ち解けれる訳ではない。そんな那月にとって、明衣はお互いに何でも話せる家族のような、親友のような存在だ。
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「僕はこれ地毛だし。明衣は入学早々、制服着崩してたし爪もやってたからじゃない?」
そう言いつつも、パーカーで顔を隠しながら風紀委員のバッジをつけた女の先輩にしっしっと手を振る明衣。先輩も満更ではないのか、怒ってはいるけど明衣を可愛がっているのが表情で分かる。
さすが社交的だな…と明衣に感心しながら、那月も廊下の風紀委員達の方を眺めた。
「…あっ」
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