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読書感想文というには散らかってるかもなやつ
ハムレット 感想 2016.1.19
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2年前にとある講義で提出した感想文のデータを消去するにあたっての掲載です。
文章そのままなので差別にあたる表現もあります。
私はシェイクスピアのハムレットを選んだ。ハムレットを選んだ理由は、ハムレットの実父であり、クローディアスの実兄である先王ハムレットがハムレットに頼んだことが気に掛かったからである。前置きとして、時代による価値観の違い・国による価値観の違い・身分による価値観の違いは念頭に置いてはあるものの、息子に復讐の道を選ばせるというのが私は引っ掛かったのである。それが、「実兄を謀殺し義姉を妻にするような男が国の頂点に立ってはいけない」という話であり、だからこそ先王の息子がそれを阻まなければならないという話とも解釈しているのだが、現代日本における私の感覚としては引っ掛かるのだ。それから、私はハムレットを、戯曲・漫画・小説・映画で観たり読んだりしたことがあるのだが、今でいう差別用語を用いることになるものの気違いを装うハムレットが恋人・オフィーリアに向けて、尼寺または修道院に行くよう言い放つシーンは当時の私には違和感で仕方がなかったのである。なぜなら、結婚しないイコール尼寺または修道院に行くことというのが理解できなかったからだ。結婚しない、というよりは「自分は気違いを装い、それから復讐を遂げなければならない身であるから、オフィーリアとは結婚することはできないけれど、それでもオフィーリアが他の誰かの妻になることに我慢ならなかった」のではないか、という考え方も今になってはできる。最終的には、これは私の深読みかもしれないけれども、事の顛末全てが、ハムレットが本当の気違いになり全て妄想だったのではないかとさえ思えてくる。気違いを装っていくというのは、装っていくようにことがなっていく、そういうリスクがあるように思えたからだ。そして親友ホレイシオ以外、ハムレットに関わった人間ほとんどが死を迎える、そういった死神を思わせる側面も、強く窺えた。それはまるで復讐を決心した、人間ではない者になったかのような。
だからこそ死んで終わらなければならかったかのように思った。さらに引っ掛かる点として、ハムレットには、女性に対する強い不信感があるかのように思う。そのように強く思ったのは、叔父にカマをかけるように、叔父がハムレットの父にしたことを再現したような劇を見せつけ、その公演時間の短さをオフィーリアが漏らした時のことだ。オフィーリアの短いという感想に、女性の恋愛の期間の短さをかぶせてきたときの台詞は、母が、旦那が亡くなって間もなくその弟と結婚するという半ば近親相姦じみた行いに対する批難と共に、オフィーリアに対する牽制のようにさえ思う。尼寺または修道院に行けと暗に結婚できないことを吐き捨てた後にオフィーリアにこの台詞を吐くというのは、少し未練がましく思い、同時にオフィーリアが本当に別の男性を選ぶ結婚してしまうことへの若干の躊躇いを私は感じた。これは、結果論でしかなくさらには現代の日本で生まれ育った私の価値観でしかないが、やはり実の息子に復讐を選ばせるなどというのが酷で仕方ない。亡霊ではなく、すでに気の違っていたハムレットの幻覚・幻聴・妄言だったのかもしれないとさえ思う。この亡霊でさえハムレットの死は見越せなかったのかだとか、ハムレットが歩めたはずのこれからの人生だとか、様々な人を巻き込んだという結果が、私はこの先王ハムレットのエゴの物語だったように思う。親のための仇討ちないし復讐の道を選ぶのは子の務めでもってそれが一国の王と王子であるのなら人生など投げ打つべきで、さらに理由はどうであれ人を殺した者は死ななければならないのだろうか、と思うとハムレットという物語に対して、ハムレットが傀儡状態に思え、根本に先王ハムレットのエゴがあるように思えた。だがハムレットは復讐を遂げ、結局死ぬが、メリーバッドエンドつまりバッドエンドに見えて物語内本人からすると本懐を遂げたとばかりに死んでいくのは狂気である。ひとつの諦観を読み取れずにはいられない。
父親に支配され、葛藤しつつも父親の言うことに従い、他人を巻き込み、最期には呆気なく、意外なほど呆気なく元・恋人の実兄によって相討ちとなり死ぬ。ここは、オフィーリアの死後、墓を掘る際に知人の骸骨を見て口にする台詞はこの伏線の回収のように思う。ハムレットは本当の気違いになっていたのかもしれないと先述したが、本当の気違いではなかったからこそ、あの場で元・恋人の兄に刺されお互いを許し合う約束を交わし、復讐を遂げて死ぬことこそが救いだったのだろうか。叔父の企みを躱した結果、無関係な人間も複数人死んでいる。恋人は自分が本当の気違いにして死んでしまったという皮肉。母は旦那を2人亡くすことになる。その罪悪感にハムレットはこのままで生きていられただろうか。割り切れるサイコパスなのだろうか。母・ガートルードもまた、息子のことは考えなかったのだろうか。私が個人的に未亡人の再婚に思うところがあるのだけれども、それを抜きにしても、義弟であったはずだ。ハムレットが彼女を弱い・脆いという言葉を使って罵ったように、本当にまるで、女イコール節操がない、の象徴であるとさえ感じた。
やはり私はこの物語を、先王ハムレットのエゴの物語で、結局自分が殺された恨みを息子に擦り付け、息子を死なせた話のように思えてしまうのだ。そしてそれを拭うかのようにハムレットは死ななければならなかったし、その関係者もまた死ななければならかったのだ。たとえそれが悪だとしても、生きている者たちの現実に背き、父の形なり声なりをしているとはいえ既に死んでいる者に耳を傾けた、ハムレットの本懐を遂げられたのに空回りしているようなところが哀れであり、不条理であり、情けなく、惹きつけられるように思う。そして亡霊という非現実に突き動かされ生きている者の世界、すなわち現実をめちゃくちゃにしてしまうような、現代でいうSNSやネットゲームで現実世界を蔑ろにしてしまう私も含めた若い人々もまたハムレットのように思えてしまった。
2016.1.19
文章そのままなので差別にあたる表現もあります。
私はシェイクスピアのハムレットを選んだ。ハムレットを選んだ理由は、ハムレットの実父であり、クローディアスの実兄である先王ハムレットがハムレットに頼んだことが気に掛かったからである。前置きとして、時代による価値観の違い・国による価値観の違い・身分による価値観の違いは念頭に置いてはあるものの、息子に復讐の道を選ばせるというのが私は引っ掛かったのである。それが、「実兄を謀殺し義姉を妻にするような男が国の頂点に立ってはいけない」という話であり、だからこそ先王の息子がそれを阻まなければならないという話とも解釈しているのだが、現代日本における私の感覚としては引っ掛かるのだ。それから、私はハムレットを、戯曲・漫画・小説・映画で観たり読んだりしたことがあるのだが、今でいう差別用語を用いることになるものの気違いを装うハムレットが恋人・オフィーリアに向けて、尼寺または修道院に行くよう言い放つシーンは当時の私には違和感で仕方がなかったのである。なぜなら、結婚しないイコール尼寺または修道院に行くことというのが理解できなかったからだ。結婚しない、というよりは「自分は気違いを装い、それから復讐を遂げなければならない身であるから、オフィーリアとは結婚することはできないけれど、それでもオフィーリアが他の誰かの妻になることに我慢ならなかった」のではないか、という考え方も今になってはできる。最終的には、これは私の深読みかもしれないけれども、事の顛末全てが、ハムレットが本当の気違いになり全て妄想だったのではないかとさえ思えてくる。気違いを装っていくというのは、装っていくようにことがなっていく、そういうリスクがあるように思えたからだ。そして親友ホレイシオ以外、ハムレットに関わった人間ほとんどが死を迎える、そういった死神を思わせる側面も、強く窺えた。それはまるで復讐を決心した、人間ではない者になったかのような。
だからこそ死んで終わらなければならかったかのように思った。さらに引っ掛かる点として、ハムレットには、女性に対する強い不信感があるかのように思う。そのように強く思ったのは、叔父にカマをかけるように、叔父がハムレットの父にしたことを再現したような劇を見せつけ、その公演時間の短さをオフィーリアが漏らした時のことだ。オフィーリアの短いという感想に、女性の恋愛の期間の短さをかぶせてきたときの台詞は、母が、旦那が亡くなって間もなくその弟と結婚するという半ば近親相姦じみた行いに対する批難と共に、オフィーリアに対する牽制のようにさえ思う。尼寺または修道院に行けと暗に結婚できないことを吐き捨てた後にオフィーリアにこの台詞を吐くというのは、少し未練がましく思い、同時にオフィーリアが本当に別の男性を選ぶ結婚してしまうことへの若干の躊躇いを私は感じた。これは、結果論でしかなくさらには現代の日本で生まれ育った私の価値観でしかないが、やはり実の息子に復讐を選ばせるなどというのが酷で仕方ない。亡霊ではなく、すでに気の違っていたハムレットの幻覚・幻聴・妄言だったのかもしれないとさえ思う。この亡霊でさえハムレットの死は見越せなかったのかだとか、ハムレットが歩めたはずのこれからの人生だとか、様々な人を巻き込んだという結果が、私はこの先王ハムレットのエゴの物語だったように思う。親のための仇討ちないし復讐の道を選ぶのは子の務めでもってそれが一国の王と王子であるのなら人生など投げ打つべきで、さらに理由はどうであれ人を殺した者は死ななければならないのだろうか、と思うとハムレットという物語に対して、ハムレットが傀儡状態に思え、根本に先王ハムレットのエゴがあるように思えた。だがハムレットは復讐を遂げ、結局死ぬが、メリーバッドエンドつまりバッドエンドに見えて物語内本人からすると本懐を遂げたとばかりに死んでいくのは狂気である。ひとつの諦観を読み取れずにはいられない。
父親に支配され、葛藤しつつも父親の言うことに従い、他人を巻き込み、最期には呆気なく、意外なほど呆気なく元・恋人の実兄によって相討ちとなり死ぬ。ここは、オフィーリアの死後、墓を掘る際に知人の骸骨を見て口にする台詞はこの伏線の回収のように思う。ハムレットは本当の気違いになっていたのかもしれないと先述したが、本当の気違いではなかったからこそ、あの場で元・恋人の兄に刺されお互いを許し合う約束を交わし、復讐を遂げて死ぬことこそが救いだったのだろうか。叔父の企みを躱した結果、無関係な人間も複数人死んでいる。恋人は自分が本当の気違いにして死んでしまったという皮肉。母は旦那を2人亡くすことになる。その罪悪感にハムレットはこのままで生きていられただろうか。割り切れるサイコパスなのだろうか。母・ガートルードもまた、息子のことは考えなかったのだろうか。私が個人的に未亡人の再婚に思うところがあるのだけれども、それを抜きにしても、義弟であったはずだ。ハムレットが彼女を弱い・脆いという言葉を使って罵ったように、本当にまるで、女イコール節操がない、の象徴であるとさえ感じた。
やはり私はこの物語を、先王ハムレットのエゴの物語で、結局自分が殺された恨みを息子に擦り付け、息子を死なせた話のように思えてしまうのだ。そしてそれを拭うかのようにハムレットは死ななければならなかったし、その関係者もまた死ななければならかったのだ。たとえそれが悪だとしても、生きている者たちの現実に背き、父の形なり声なりをしているとはいえ既に死んでいる者に耳を傾けた、ハムレットの本懐を遂げられたのに空回りしているようなところが哀れであり、不条理であり、情けなく、惹きつけられるように思う。そして亡霊という非現実に突き動かされ生きている者の世界、すなわち現実をめちゃくちゃにしてしまうような、現代でいうSNSやネットゲームで現実世界を蔑ろにしてしまう私も含めた若い人々もまたハムレットのように思えてしまった。
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